自然塗料ー4
安全な外装用塗料を探していた夫が、アメリカ人の友人から教えてもらった
“ウッドロング・エコ”を紹介しよう。
北欧やカナダで50年以上の実績がある
木材保護保持剤だ。塗料ではない。天然素材を使った天然系防腐剤といったところだろうか。商品と一緒に入っていたパンフレットには、
「きこり達の間に代々伝えられ、天然素材だけでつくられた木材防護保持剤」と書いてある。
右下の布袋に粉末の本体が入っていた
原料はハーブ、樹皮、鉱物を粉末にしたもので、これを水に溶いて使う。粉末は完全に水に溶ける成分ばかりではなく、種のようなものや木屑のようなものも入っていて、溶液の中に浮かんでいる。成分は公開されていないが、安全性を証明するために
成分安全データシートを付けて販売している。
成分を公表しないのには訳があるそうだ。同じような効能をうたいながら、粗悪な成分の商品が出回るのを恐れているらしい。確かに、ハーブ、樹皮、鉱物が原料となると、エコブームに乗っかっていい加減な商品を売る業者がでてくる可能性は高いだろう。
昨年、2件のお宅で採用してみた。1軒はハーブガーデンにせり出した閑静なウッドデッキで、あまり直射日光にはさらされないが、地面から湿気が上がってくる所。もう1軒は2階のウッドデッキ、というよりは物干し台で、西日にガンガン照らされる所だ。
初めて使った印象は
「え!これでいいの?」って感じだが、アメリカやカナダで数々の実績を証明され、スウェーデンには
ウッドロング・エコを一度塗布してから一度も塗りなおしをしていないのに堅牢な状態で建っているログハウスがあるそうだ。
水に溶かした
“ウッドロング・エコ液”は、微かにすっぱい臭いがする。ペーハー7.3の酸性なので、釘とかビスなどは、ステンレス製を使用したほうが安心だ。で、成果はどうなのか?まだ昨年使ってみたばかりなので解からない。お客さんには了解を得て、経過を見せてもらう事にしている。
ウッドデッキは例え屋根つきであっても、風雨と紫外線にさらされ痛みやすいところだ。このような場所は傷んだら取替えができるような作りにすることが基本。しかしそう頻繁に補修するわけにもいかないので、どうしても防虫防腐効果の高い外装塗料を使うことになる。
しかしそのような塗料には多かれ少なかれ
毒性があるわけで、小さい子どもを持った親にしてみれば心配だろうし、自分達だって天気の良い日には素足でデッキに出たいと思うだろう。
“ウッドロング・エコ”に説明どおりの効果があれば安心して気持ちの良いウッドデッキで昼寝ができる。今後、期待の優れものになるかもしれない。
注)ウッドロング・エコは、乾燥した新しい木材にしか効果は期待できないらしい。既存のデッキや外壁の塗りなおしには不向きらしく、少々残念だ。