換気の話-2

やまね

2007年05月10日 13:07

2003年に法律で定められた「常時換気設備」だが、それ以前に建った住宅ではどうしたらよいだろうか?一番簡単な方法として、とりあえずトイレや風呂の換気扇を付けっぱなしにしておく方法をお勧めする。完璧ではないが何もしないよりはずっと良い。

法律で求められている換気回数0.5回/h、これは2時間で家の中の空気が全部入れ替わるという意味だ。もし最近キッチンをリフォームした方がいればちょっとレンジフードを見て欲しい。そこに「常時換気」と表示されたスイッチがあれば、それを付けっぱなしにしておくと丁度0.5回/hくらいの換気ができるようになっている。

しかしキッチンでずっと換気扇を回すのは音が気になるし、何より冬は寒くていられないと思う。飛騨は中部地区有数の寒冷地、冬に法で定める0.5回/hの換気は、余程慎重に計画しないと暮らしていけない。

冬の飛騨では0.2回/h~0.3回/hくらいの換気量でよいのではないだろうか?VOCに限って言えば、気温の低い時には発散されにくいのだし・・・

トイレや浴室の換気扇なら居間や個室から離れたところにあるし音が気になりにくい。また、たいてい容量の小さいものが付いているので、家全体の隙間から少しずつ新しい空気を入れてもさほど冷たさを感じないだろう。また、冬場に一番室温が下がりやすいところに室内の暖まった空気を持っていくことで、ヒートショック防止にも役に立つだろうし、浴室の乾燥にも役立つはずだ。


<浴室用換気扇> 100㎥/hくらいの風量なので、30坪くらいの住宅ならこれ一つで約0.5回/hになる。

注意して欲しいことがいくつかある。
①小さい換気扇を常時回すのでその部分に埃がすぐ溜まる。特に防虫網なんかが付いていると、すぐに詰まってしまい、回っていても換気しなくなる。月に1度くらいはチェック。
②換気扇は極力止めない事。常に回っているから意味がある。ただし入浴中は寒いので止めてください。
③換気扇を常時回す事ですごく室内が寒くなるようなら中断する。換気扇の風量が多すぎる可能性がある。
④気候の良い時期は、なるべく窓を開けて建物全体に新鮮な空気をいれる。その時も換気扇は止めない事。


シックハウスが問題になってから、ホルムキャッチャー、光触媒・空気触媒、炭・活性炭等、各種の化学物質低減材が出回るようになった。安全性と効果が証明されていてコストの負担が気にならないのであれば使ってみればよい。しかしそれに頼って掃除もしなければ換気もしないというのでは本末転倒だ。健康的な住まいを手にいれるためには、お金で買えないものもあると考えて欲しい。

今日書いたことは、全ての既存住宅に当てはまる訳ではない。やってみて今までより快適になればよいが、逆に問題がでるようなら即座に中止してください。また、建築関係の方、記述に誤りがありましたら容赦なく突っ込みお願いします。m(_ _)m

注)ヒートショック  暖かい部屋から急に寒いトイレに移動したり、寒い脱衣所で服を脱いだ直後に熱い浴槽に入ったりした時、急激な血管の収縮や拡張に伴い血圧が急変動して、脳血管障害などを引き起こすこと。

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