2007年05月08日

自然塗料ー4

安全な外装用塗料を探していた夫が、アメリカ人の友人から教えてもらった“ウッドロング・エコ”を紹介しよう。北欧やカナダで50年以上の実績がある木材保護保持剤だ。塗料ではない。天然素材を使った天然系防腐剤といったところだろうか。商品と一緒に入っていたパンフレットには、「きこり達の間に代々伝えられ、天然素材だけでつくられた木材防護保持剤」と書いてある。

自然塗料ー4
右下の布袋に粉末の本体が入っていた

原料はハーブ、樹皮、鉱物を粉末にしたもので、これを水に溶いて使う。粉末は完全に水に溶ける成分ばかりではなく、種のようなものや木屑のようなものも入っていて、溶液の中に浮かんでいる。成分は公開されていないが、安全性を証明するために成分安全データシートを付けて販売している。

成分を公表しないのには訳があるそうだ。同じような効能をうたいながら、粗悪な成分の商品が出回るのを恐れているらしい。確かに、ハーブ、樹皮、鉱物が原料となると、エコブームに乗っかっていい加減な商品を売る業者がでてくる可能性は高いだろう。

昨年、2件のお宅で採用してみた。1軒はハーブガーデンにせり出した閑静なウッドデッキで、あまり直射日光にはさらされないが、地面から湿気が上がってくる所。もう1軒は2階のウッドデッキ、というよりは物干し台で、西日にガンガン照らされる所だ。

初めて使った印象は「え!これでいいの?」って感じだが、アメリカやカナダで数々の実績を証明され、スウェーデンにはウッドロング・エコを一度塗布してから一度も塗りなおしをしていないのに堅牢な状態で建っているログハウスがあるそうだ。

水に溶かした“ウッドロング・エコ液”は、微かにすっぱい臭いがする。ペーハー7.3の酸性なので、釘とかビスなどは、ステンレス製を使用したほうが安心だ。で、成果はどうなのか?まだ昨年使ってみたばかりなので解からない。お客さんには了解を得て、経過を見せてもらう事にしている。

ウッドデッキは例え屋根つきであっても、風雨と紫外線にさらされ痛みやすいところだ。このような場所は傷んだら取替えができるような作りにすることが基本。しかしそう頻繁に補修するわけにもいかないので、どうしても防虫防腐効果の高い外装塗料を使うことになる。

しかしそのような塗料には多かれ少なかれ毒性があるわけで、小さい子どもを持った親にしてみれば心配だろうし、自分達だって天気の良い日には素足でデッキに出たいと思うだろう。“ウッドロング・エコ”に説明どおりの効果があれば安心して気持ちの良いウッドデッキで昼寝ができる。今後、期待の優れものになるかもしれない。

注)ウッドロング・エコは、乾燥した新しい木材にしか効果は期待できないらしい。既存のデッキや外壁の塗りなおしには不向きらしく、少々残念だ。

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「自然塗料」に関連するブログ記事から興味深いものを選んでみました。ぜひ、読み比べてみてください。 =2007年5月14日収集分= *CHEKA-PO...
自然塗料【ブログで情報収集!Blog-Headline/living】at 2007年05月15日 07:35
この記事へのコメント
こんんちは!

昨日の話の終わりで木材保護塗料の紹介ということでしたので
もしかしたらと思っていました。

出来るだけ安全なもので耐久性のあるものと思い
私も去年、2軒のお宅にウッドロングエコを採用させてもらいました
外壁(杉板)なんですが、なかなかいい感じです。

水に溶くだけで最初は『ホントにだいじょうぶ?』
てな感じでしたが 徐々に色が付いて
経年変化したような渋い感じになってます。

今計画中のお宅でも採用になりそうです(^^)
Posted by bio at 2007年05月08日 13:22
bioさんこんばんは!まめで^^

最初はこれで大丈夫かと、ビックリしますよね。
しかし、きっと、先住民や古老の知恵が現代に継承された優れものなんでしょう。

経年変化を見守って行きたいと思っています。
ウッドロングエコ、私達もこれからは定番になりそうです。

ところで、書き込みそびれちゃったのですが、タナクリーム壁塗隊がんばってますね!私達も99年以来、お客さんと一緒にやってますよ。
最初は生石灰クリームから手作りしようと、生石灰買ってきてキャーキャー言いながら水混ぜて沸化させて、#100と#200メッシュで濾して・・・ってのをやってみましたが、労多くして実り少なく・・・(^^;

そのうちネタ尽きたら、失敗談書こうと思います。反省・・・
Posted by やまね at 2007年05月08日 17:51
はじめまして。
ウッドロングの名に釣られまして・・(笑

今は 国内でも手に入るんですね。
私 以前はカナダより輸入してました。

MSDS取って 使えるかなって。
土に触っても土壌汚染に繋がらない所が良いです。

bioさんの言うとおり 結構良い感じになりますね。

Wレッドシダーなんかに2回塗り掛けると
グレーっぽくなって なかなか素敵です。

木品によって仕上がりイメージ変わるのが
チャレンジャーな所ですが(笑

あと擦れたりする所とか 色が欲しいDECKなんかには
浸透性の塗料使う事が多い最近ですが
ひさびに 外壁塗っちゃおっかな(笑
Posted by Eye’s at 2007年05月08日 17:51
おおっ 同タイム投稿だ(笑
       ↑なに 遊んでんだ(-_-;)
Posted by Eye’s at 2007年05月08日 17:53
Eye'sさん、はじめまして
いつも豊富な知識にビックリしながらブログ拝見しています。
すごい情報収集力ですね~!

そうですか、ずいぶん以前からウッドロングエコ使って見えるんですね、
最高で塗布後何年くらい経ってますか?

一番初め塗った時は目が点になりました。だって、デッキがただ水で濡れただけだもん・・・(*_*)
今からは、経年変化を楽しみに見て行きたいと思います。
外壁にも使ってみたいですね。
Wレッドシダーなら最高ですね。
しかし、昔に比べると高くなりましたなぁ・・・(-_-メ)
Posted by at 2007年05月08日 18:07
Eye'sさん、はじめまして
いつも豊富な知識にビックリしながらブログ拝見しています。
すごい情報収集力ですね~!

そうですか、ずいぶん以前からウッドロングエコ使って見えるんですね、
最高で塗布後何年くらい経ってますか?

一番初め塗った時は目が点になりました。だって、デッキがただ水で濡れただけだもん・・・(*_*)
今からは、経年変化を楽しみに見て行きたいと思います。
外壁にも使ってみたいですね。
Wレッドシダーなら最高ですね。
しかし、昔に比べると高くなりましたなぁ・・・(-_-メ)
Posted by やまね at 2007年05月08日 18:07
え・・ご覧頂いてましたか・・
私のは 単なる戯言ですのでゴメンナサイ(涙

>一番初め塗った時は目が点になりました

解ります。一緒でした(爆

最初に使ったので確か12年ほど前ですか・・
クライアント様 まったく手入れせずって状態で(笑

・・・10年くらいで朽ち果ててました(涙

DECKの話で 平板部分の張替えで済みましたが。

過信は禁物ですね(笑

特に 歩くなどの磨耗がある所には向かない様な気がします。

でも やはり何にしても メンテナンスを楽しむと言うか
素材を愛してあげられる意図が必要だって思います。

自然素材=万能なんて図式は ちと厳しいですよね(笑
Posted by Eye’s at 2007年05月08日 20:54
そうですか、はやり退行しやすい場所ってのは、何を使ったってそれなりに痛みはでますよね。

>メンテナンスを楽しむと言うか素材を愛してあげられる・・・
そこを使い手さんにも一緒に楽しんでいただきたいんですよね。

そもそも何故に化学製品や人工的な建材がこれほど増えたかを理解しないと、天然素材や自然素材への回帰は不可能ですよね。

しかし、そこを理解してもらえるお客さんと一緒に仕事できるときって、最高に幸せですよね。
Posted by やまね at 2007年05月08日 23:49
 
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