2007年09月09日

地下道は通れません

地下道は通れません



これはですね、

総合庁舎地下道の西側出入口です。

下から見上げるとこんな感じ。




miniさんは「ここで車椅子が出会うとすれ違えないので危険、だから、すれ違い出来ませんという注意看板を設置したい。」と考えたのです。

miniさんは電動車椅子、私達は普通の自走式車椅子を持って地下道へ降りてみました。

まず私が気づいたのは、「これは車椅子でドーコーできるスロープではない」ということでした。

スロープの勾配は一般的に

室内 1/8 (10cmの段差をあがるのに80cmの長さが必要)角度にして約7°(12.5%) 

屋外 1/20 (10cmの段差をあがるのに2mの長さが必要)角度にして約3°(5%)

と言われています。

設置する場所や条件によってはこの中間の勾配のスロープになることもありますし、段差が小さければこの限りではありません。

自走式の車椅子の場合と介助者を伴う場合、電動式と手動式の場合でも条件は変わってきます。

実際、1/8というスロープは、室内のごく短い距離ならナントカなる距離ですが、距離が長いととても手動で自走できる勾配ではありません。

また、屋外で1/20勾配のスロープの場合でも、高さ50cmごとに1.5mくらいの踊り場を設けないと、途中で疲れても休むことが出来ません。1/20勾配で高さ50cm上がったってことは、10mのスロープをこいできたってことですからね。

で、ですね、他のみんながすれ違い実験している最中に、私はこの地下道スロープの一部で、ざっとした勾配を測ってみたのでした。

結果   1.41mの高さを、5.25mの長さであがっていました。 

      約1/3.7勾配  角度にして約15°(27%)でっせ!face08

これ、ちょっとした屋根の角度です。昔ながらの雪下ろしを前提とした屋根の角度。雪下ろししてる時にはそれほで急に感じないかもしれませんが、車椅子や自転車で楽に上り下りできる角度ではないと思いませんか?

そこでふと疑問に思ったのです。地下道というのは私達建築屋の頭に入っている建築物とはチョと違う、しかし、あくまでも公共物であるから、法的な制限内で設置されていることは間違いないだろう・・・とすると・・・?この地下道は・・・?

そんな私の思惑とは別に「総合庁舎地下道のスロープで、車椅子が出会ったら?」実験は進んでゆきます。

地下道は通れません


地上から暴走してきたN君、miniさんにぶつかりそうになりスロープから転げ落ちるの図icon05

二人の名演技で撮影は無事終了です。face02

後はこの状況を道路管理事務所なり市役所なりに伝えたいところなんですが、スロープの勾配があまりにも急な事実が気になります。

公に法を逸脱する構築物があるとも思えないので今、ちょっと調べてたら、こんなページを見つけました

現実を突きつけられたような、ちょっと悲しい事実です。当事者の方達は、もっとガッカリくるのではないでしょうか・・・

コツコツ活動を続けていって、少しずつ改善されていくよう、末永く努力しなくては・・・・と思ったのでした。

って、それより、昨日のメンバーに、このこと知らせなくっちゃ!icon10









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 まちさんぽ (2007-09-08 15:49)

Posted by やまね at 15:04│Comments(10)まちさんぽ
この記事へのコメント
あの地下道はワタクシも歩きの時使いますが、あそこを車椅子で上り下りできる人というのは、ものすごい腕っ節の強いパラリンピック級の人なんじゃないかと思います。へたしたら、壁に激突するよ。
つまり、最初から車椅子のことは考えてないって事ですね。
Posted by ネコ先生 at 2007年09月09日 16:25
そうですね。考えられないスロープです!
私達のホテルのスロープもかなり緩やかです。それはこの誰にでも優しい街作り条例のおかげです。
そのスロープ、過去に作られたモノとは言え、その看板、考えられませんね!
そういった問題に向き合うやまねサンも素晴らしいですね!
Posted by ドラゴンママ at 2007年09月09日 19:07
ネコ先生こんばんは

そうなんです。リンクのページを見ていただくと解ると思うのですが、車椅子のことを考えていないっていう以前に、一般の通行者の安全を脅かすので使用は禁止という見解です。

車椅子で生活する方々の理想郷は、まだまだほど遠いです。


ドラゴンママさん、こんばんは

残念ながら、このスロープ、まったく車椅子のために考えられたものではありませんでした。それどころか、通行禁止の看板が立てられるのではないかと心配になります。

まだまだ頑張らないと、いろいろなことの改善はできないんだと思いました。
Posted by やまねやまね at 2007年09月09日 20:10
いろんな活動をしてみえるのですね。
車椅子の方の立場になって、街をみてみえるのですね。すごい。
でも、「こんなページ」を見たら・・・そうなんや~。
いろんな方が、普通に暮らせる生活にするには、道のりが長いのですね。
私も、いろんなコト気づかずに過ごしていると思います。
コツコツやるのは大変だけど、一つずつ実行していかないと何も変わらないですもんね。
頑張ってください。又何かあったら、教えてくださいね(^^)
Posted by パレットパレット at 2007年09月09日 21:12
私も気になることばかりです。だいたい、総合庁舎(ハローワークもですが)への坂道もかなりのものですし…
車いすは遠回り(安全のため?!)…そんな発想はあまりにもさみしいし、社会全体の意識・考え方がまだまだだなぁと感じることが多々あります。
Q&Aでは、「電動車いす」のことにしても、なにかひどく勘違いされてるようですね。
学校教育の現場でも、いまだに、「障がい=かわいそう、だから助けてあげなさい」という考えがとおっているようだと、知人から聞きました。
書き出すときりがないですが、とにかくもどかしいと思うことがたくさんあります。
でも、何か一つずつでも前に進んでいかなければならないですよね。
最近はあまりそういう活動にも関われていませんが、自分に少し余裕ができたら、ライフワークとして関わってみたいことです。
Posted by ふれっち at 2007年09月09日 22:07
■ パレットさんおはようございます。

昨夜車椅子の方から聞いた話では、この地下道は最近修繕したそうで、その際、一応車椅子の人やバイクに人に意見は聞いたらしいです。でも、それに合わせた設計にはならなかった、だから余計に腹が立つ~!、と言っていました。

私は微力だけど、ちょっとずつでも力になればと思い、続けて生きたいと思います。


■ フレッチさんおはようございます。

リンク貼ってくださってありがとうございます。

ふれっちさんはお仕事柄、知識も深く関わりも多いから、きっと気になることは多いでしょうね。残念ながら日本には、なかなかユニバーサルな発想や政策が根付きませんね。市民レベルの草の根運動だけでは限界を感じます。

でも、あきらめずに頑張らねば!と、思っています。
Posted by やまね at 2007年09月10日 08:41
この写真見たとき
地下道の自転車用の道かと思いました。
健常者が、自転車を押して地下道を
行くのも大変なのに、この傾斜はきついですね。

どうにかならないものでしょうかねぇ・・・・
Posted by 黒雷鳥黒雷鳥 at 2007年09月10日 11:27
黒雷鳥さん、そうなんです。これは自転車専用。

でも、入り口に車椅子通行禁止とは書いてないので、利用する方がいるんだと思います。危ないですよね。このことを明確にするとか、車椅子でも通れるスロープを建設するとか、次はどういう活動になるのか、まだ明確ではないんですけどね・・・

この交差点には横断歩道が無いし、車椅子の人は、横断歩道のある信号まで回らないと、国道は渡れないわけです。

体力のある人や電動車いすの人は地下道についつい入っちゃいますよね。
Posted by やまねやまね at 2007年09月10日 12:11
整備途中の時に、呼ばれてじっさぃに上り下りを試したのは、
お年寄りがよく乗ってみえる電動スクーターと自走式車椅子。
視覚障がい者で、全然見えない方や弱視の方が参加されていましたよ。
Posted by 通りすがりの者だよ at 2007年09月13日 11:44
通りすがりさん

地下道整備の際、自走式車椅子の方に参加してもらったっていうのに、利用できない地下道を作っちゃったってところが意味の解らんところですね。といって、その後、車椅子利用は控えてもらいたいという通達もなし・・・

道路管理事務所の真意はどこにあるのでしょうか?
Posted by やまねやまね at 2007年09月14日 08:04
 
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