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2007年08月18日

ウッドデッキ

暑いですね

暑い?というより熱い!

市街地ではアスファルトやコンクリートが熱せられて周囲の空気を暖めるので大変暑くなりますね。

車や電気製品から出る廃熱と並んでヒートアイランド現象を起こす最たる原因のひとつです。

気をつけないと郊外の自宅でも、似たようなことがおこりますよ。

南に広く面したリビングに、ウッドデッキをつけたり、テラコッタ・タイルを敷き詰めたガーデニングを計画したり、人気の外構プランだと思いますが・・・

これ、気を付けないと、すごくお部屋の中を暑くしてしまう可能性がありますので御注意!


ウッドデッキは茶色系に塗ることが多いと思います。タイルも茶系が多いでしょう。これらは太陽熱を集めやすい色です。窓のすぐ近くの空気が暖められますと、窓を開けてせっかく風を通しても、熱風が室内に吹き込むことになります。

なるべく塗料やタイルに薄い色を選ぶか、真南にはこれらのものを設けないようにする工夫が必要です。軒を深くするのも手ですよ。



ウッドデッキには以前紹介した「ウッドロングエコ」という天然塗料(厳密にいいますと塗料じゃないかも)を塗るのもよいかと思います。銀白色っぽくなっていくのでね。

あまり北向きにリビングを設ける方はいないでしょうが、できれば真南よりすこし東に方位をズラす設計をするとか、南と東に面したリビングを設け、東面にデッキを設けるようなプランにするとか、プランニングで工夫するのも賢明な方法です。

真南にリビングが向いている場合は、グリーンに囲まれた庭が前にあり、そこを通って吹いてくる風を室内に取りいれられれば最高ですが、なかなかお手入れが大変ですよね。暑さ対策考えれば、お庭なんて本当は草茫々のままくらいが丁度よいかもしれません。




とはいえ、条件は住んでいる地域や広さで変わるので一概には上記の通りではありません。ウチはちょっと方位が振っているので、デッキはリビングの外にL型に設置してあり、東南と西南に向いています。

本来、西南向きのデッキは暑くてたまらないでしょうが、軒を深くしてありますし、直下に川が流れ、大きな鬼グルミの木がたくさん立っているので、真夏の日中でも木陰になり涼しい風が吹いてきます。

逆に東南のデッキは暑い。ただし、周囲が山に囲まれているため、室内で暑さを感じる事はありません。




そうそう、「うちは夏はエアコン入れてるし窓開けないから関係ないわ」と思わないでくださいね。リビングの窓のガラスを通して熱は侵入してきますよ。いくらペアガラスを使っていたとしてもです。

以前どこかでも書きましたが、3-12A-3 Low-E くらいの、結構性能の良いガラスを使っても、グラスウール100K/50という、最近では考えられないくらいロースペックの壁より熱貫流率が高い、つまり断熱性能が悪いのですよ。これはガラスの特性でもあるのでしかたありません。

なまじしっかりした外断熱のお家だったりすると、室内の熱が逃げにくくなるオーバーヒート現象をおこして、エアコンの効きが悪くなったりります。

暑い夏を少しでも、エアコン無しで快適に!

せっかっく素敵なウッドデッキや庭ができても、室内が蒸し風呂だったり光熱費がたくさんかかったのでは台無しです。

ガーディニングや家作りをお考えの方は御一考くださいね。  

Posted by やまね at 08:30Comments(3)間どりの話

2007年08月10日

ネコの玄関?ヾ( ̄◇ ̄)




廊下のない家4で、ネコの玄関?なんて書いたけど、
意味不明ですね、icon10これです。






この部屋はサンルームということになっているけど、実は離れの部屋とリビングを結ぶ緩衝帯。家を建てた時、将来在宅ケアが必要になった家族のために、静かでありながら隔疎外感を感じさせない部屋が必要だと思ったのです。

そこでこの2帖ほどの小部屋を作り、ケアルームからは室内の窓を通してリビングの様子がうかがえるようにしました。もし、静かに休みたい時はこの窓のブラインドを下ろしてしまえば独立した空間が保てます。

今はまだこのケアルーム、客間として使っていますが、近々本来の役目につく予定です。その件に関してはまた今度・・・・


ところで、このサンルーム、作ってみたら意外といろんな役にたったりしてます。icon94
ウチの室内は禁煙です。タバコを吸いたい人は、この部屋で換気扇を回すか窓を開けて吸ってもらいます。

ちょっと寒くなってきた時は、リビングから直接ウッドデッキには出ずにこの部屋から出入り。
冬季にグリーンを取り込んでおく、本来のグリーンルームの役割も。

そして何より、歴代のネコ達の玄関風除け室として君臨してきましたface02

とにかく、猫用扉(きっと犬用も)は気密性良くないです。
あまり気密性良くすると、ネコが開けられなくなっちゃうだろうし・・・

当然のことながら猫用断熱ドアも聞いた事ないし・・face09

首輪から出す電波で開閉の出来るオートネコドアもあるそうだけど、試した事が無いし・・・

緩衝帯が無いと家全体の断熱性気密性がガタ落ちになるのですよ。

寒冷地の住宅作りではペットの出入り口ひとつとっても、なにかと工夫が必要になります。でも、一工夫があると、とても快適な生活が保障されますからね。これから家を建てられる方は細部にわたり、「ここはこれでいいのかな?」「いや、まてよ」の心を持ってのぞんでみてください。

ネコ用玄関?をお考えの方は、いつでも御相談くださいね。

ソンナヒトオランワナ・・・
face03  

Posted by やまね at 12:59Comments(7)間どりの話

2007年08月09日

廊下のない家4

マー君騒動やなんかで、しばらくお仕事ブログをさぼっている。
おまけに書きかけのままだよ(-_-#)
icon10icon10
今日は「廊下のない家」の最終回です。

廊下のない家を寒冷地で作る場合の最大のポイントは、
冬季に開口部の開け閉めによって失われる暖気を極力少なくする事
そのためには玄関と居住空間との間に緩衝帯を設けるとよい。

飛騨で真冬に窓を全開して換気する人はあまりいないと思うが、人が出入りするための玄関や勝手口の開閉は避けられない。
その場合、玄関と居室の間、もしくは勝手口とキッチンの間に
風除け室を設けると有効だ。
外からの冷気の流入や室内の暖気の流出を、このスペースが防いでくれる。

一般的な廊下のある住宅の場合、玄関を開けるとまずドーンと廊下があって、しかも悪い事にたいていその廊下には2階へ通じる階段がつながっている。
階段部分の吹き抜けでは冬期の温度差により煙突効果が生み出され、外からの冷気を呼び込み大きな熱損失が起きる。

高層ビルなどではこの煙突効果がよくおきる。たいていの場合、正面エントランスの上部が吹き抜けになっているからだ。これを防ぐため、気密性の良い回転ドアなどが良く使われているが、この回転ドアによって子どもの命が奪われるという悲劇が起きたのは皆さんも記憶に新しいだろう。

このような廊下のある住宅の場合、暖房の発想はたいてい個別暖房だ。だから玄関から少々冷気の侵入があってもしかたない?っ感じが否めない。しかし何度も書くように、廊下が寒いという事は、高齢者のヒートショック(注)を招いたり、屋内での結露を生み出す原因になる。今後住宅建築を考えている方は、少なくとも寒冷地では個別暖房は選択しないでいただきたい。

注)ヒートショック  暖かい部屋から急に寒いトイレに移動したり、寒い脱衣所で服を脱いだ直後に熱い浴槽に入ったりした時、急激な血管の収縮や拡張に伴い血圧が急変動して、脳血管障害などを引き起こすこと。

さて、玄関に風除け室を設けるというのは、それほど難しい事ではない。
玄関土間部分から上がったスペースと、リビングの間に建具を設ければよいのだ。
また、勝手口の場合、その風除け室はパントリーとなり、低温を保ちながらも凍結しない絶好の食料品庫となる。

  

また、我が家の場合はもうひとつ余分な部屋がある。ここはリビングからウッドデッキに出るための風除け室でもあり、サンルームとしてグリーンを飾るためのスペースでもあり、隣のケアルームとリビングを間接的に結ぶ空間でもあり、ネコ玄関?face02の風除け室でもあるのだ。

よく、「こんな寒い地域で、大きな部屋を作ると寒くないですか」と質問されるが、
風除け室を設け、室内の空気を循環させる設備を設ける事で、この問題は解決される。

そしてこの方法は、各室を暖める個別暖房より確実に光熱費を抑え、CO2削減効果が期待できるし、なにより
室内の温度バリアがなくなることで、人と家の健康を維持する事ができるのだ。

ただしこれは、確実な正しい施工による断熱工事があって初めて可能になる。断熱の話については、また別の機会に書いていこうと思っています。  

Posted by やまね at 15:09Comments(0)間どりの話

2007年07月07日

廊下のない家ー3

マムッチ騒動や妖しい事ばかりあったりで、前回からずいぶん間隔が開いてしまったが、久々にお仕事ネタを書いてみたいと思う。

前回は廊下があることによるメリットを考えてみた。今回はその逆、廊下があることで損なわれる居住環境について考えてみる。

日本の住宅の平均的床面積は約100㎡、約30坪といわれている。その中で廊下・階段・玄関等、通路スペースが占める割合は何%くらいだろう?建売住宅や和風住宅の平面図をみてみると、だいたい全体の15%前後、多いところで20%くらいと見受けられる。

そのうち必要不可欠な玄関・階段が占める割合はその内の約半分、建物の延べ床面積の7%~10%くらいだ。これらは、できればゆとりをもって作りたい。残りの廊下部分はというとこれも7%~10%くらい。これを30坪の平均的住宅の床面積に換算すると、約2坪~3坪、畳にして4畳から6畳の広さに相当する。

あまり豊とはいえない日本の住宅事情において、このスペースは貴重だ。まず廊下を無くす事で体感できる第一のメリットは、使える部屋や収納スペースをその分広く取れることだ。

そしてもうひとつ同じくらい、いや、それ以上に価値のあること、それは、住宅全体をひとつの空調空間にできるということだ。計画的な換気や温度管理ができるようになり、家の中の温度バリアがなくなる。それは結果的に結露防止、お年寄りの(注)ヒートショック防止につながる。

今までも何度か触れてきたが、人間と建物とが健康でいられるために、冬季の室温と湿度管理はとても重要だ。局所暖房によって暖かい部屋と寒い部屋が分かれてしまうと、人はヒートショックをおこしやすくなり、建物は結露しやすくなる。せっかく外部に面する部分(外壁・屋根・床)の断熱工事をしっかりしたとしても、廊下で部屋が隔てられてしまい、暖かい部屋と寒い部屋ができてしまうと意味が無い。

もっとも、空調設備によって、例え室内の各スペースが分断されていようとも、どのようなスペースも同じ温度湿度に保つことは可能だろう。しかしそのコストは?イニシャルコストと共にランニングコストの負担も大きいものになるだろう。例えどんなに断熱性能の優れた家であろうと、設備は電気がなければ動かないからだ。

来年は遂に、京都議定書で議決されたCO2削減を実施しする年になる。そんな待ったなしの時代に、イニシャルコスト、ランニングコスト共に大きくなるような住宅設備は“悪”であると考えて欲しい。ちょっと過激な言い方かもしれないけど・・・

それに、住宅の設備はなるべく簡素な方がよい。修繕がしやすく壊れにくく、部品の交換等で使用持続可能なシステムにすることが大切。目に見えない部分の配管や機械設備が増えるということは、メンテナンスにかかるコストも増大すること間違いない。

では、単に廊下をなくして、玄関を開けたらひとつの空間がドーンと見渡せる、そんな家がよいのかというと、そんな訳にはいかない。プランニングに必要なポイントはまた次回。

続く



廊下のない家


注)ヒートショック  暖かい部屋から急に寒いトイレに移動したり、寒い脱衣所で服を脱いだ直後に熱い浴槽に入ったりした時、急激な血管の収縮や拡張に伴い血圧が急変動して、脳血管障害などを引き起こすこと。  

Posted by やまね at 13:14Comments(0)間どりの話

2007年06月15日

廊下のない家-2

まず、廊下があることによるメリットとディメリットを考えてみよう。
その前に、なぜ廊下が必要なのか?(必要だったのか?)


本来、木造家屋にとって水廻り、つまり、トイレ、台所、洗面所、風呂っていうのもは、厄介なものだった。濡れれば木は腐るし朽ちるしシロアリも住みやすくなる。しかも水は下に流れるから、建物を支える根本的な下部がダメージを受ける。だから昔は、水廻りを住居本体から遠ざける必要があった。

今でもまだたまに田舎の方に行くと、トイレと風呂場が外に設えられている家が残っているでしょう?そして台所は土間で家の端っこの方。この端っこの部分はたいてい下屋(げや)、もしくは落屋(おちや)と呼ばれる部分になっている。

2階建ての建物の場合、1階の一部分に2階が乗っかっているように見えるでしょ?でもこれは、構造的に見ると、1階の一部分に2階が乗っかっているんじゃなくて、2階建ての建物に1階を付け足してあるのが一般的だ。この付け足した部分が下屋とか落屋

構造的に付け足しだから、この部分が腐っても傷んでも取替えが可能。今みたいに衛生的で防水性能が高い器具や、下水道設備が整備されていなかった時代、下屋に水廻りを配置するということは、先人の知恵だったのだ。

そうすると必然的に住居部分と水廻りをつなぐために通路が必要になる。おまけに、トイレだって臭かっただろうから、どうしても居住空間からは遠ざけたい、だから廊下は必需だった。

また、全ての家庭がそうだったわけでもないだろうが、何世代もの家族で構成されていた家長制度の下では、冠婚葬祭を司るための座敷は必需品で、日常空間と儀式の場を分ける必要もあっただろう。

また、今でもまだあまり進歩していなくて残念なんだが、日本という国はまだ、家全体をひとつの空調空間として機能させる発想がない。つまり、冬は個室暖房、夏は個室冷房で、人が居る部分だけの快適性を求めている。

廊下があることによる(かつての)メリット
①居住空間と水廻りを分けることが出来る。
②座敷などの公の場と、居間等の私の場を分けることができる。
③廊下で各室を仕切る事によって狭小スペースを作り、局所暖冷房に有利である。

①の問題は、今ではほぼ解決されている。家の中に水廻りを取り込んでも施工さえきちんとしていれば何ら問題はない。
②は人それぞれだが、座敷を必須に上げられる家づくりは年々減ってきている。
③に関しては、私達は積極的に意識改革をしていくつもりだ。エネルギー問題の事も絡んでいるし、とにかく発想の転換をはからなければならない時期に来ていると思う。

つづく



お座敷の大きな和風住宅、廊下のスペースも大きい  

Posted by やまね at 13:00Comments(0)間どりの話

2007年06月11日

廊下のない家-1

従来の一戸建て住宅というと、まず玄関を開けると廊下があって、その廊下は真っ直ぐ奥に伸びていて、片側に和室・居間・台所、反対側にトイレ・洗面所・浴室、ついでに階段・物入れがあるっていうのがよくあるパターン。

または、廊下で家が左右に区切られ、居住空間とお座敷空間を隔てているっていうパターン。

今でもまだまだこれらのスタイルは多いけど(特に純和風住宅の場合)、近年「これでは子どもが帰宅しても、すぐ2階の子ども部屋に上がってしまい、いつ帰ってきたのか解らない。もっと子どもとコミュニケーションをとれる家がほしい」と、思春期や反抗期の子どもを持つお母さん方にはすこぶる評判が悪い。

こんなふうに言われ始めたのはもう20年以上も前だったと思うし、今では居間を通らなければ2階へ上がれないようなプランも主流の考え方になってきてはいると思うが、まだまだ廊下の多い家はたくさんある。

でも、世の中には色々な考え方があって、いつだったかどっかの心理学の先生が、「思春期の多感で親離れしようとしている時期に、いやでも親の顔を見てからじゃないと自分の部屋にいけないというのは、本人に余分なストレスを与える事になる」というような談話を新聞に掲載していた。

おぉ!face08なかなかすごい意見である。「親と子どもはすべからくコミュニケーションが上手くいってて、子どもはいくつになっても何もかも親に話すのが理想である」というような幻想を打ち砕くにはなかなかインパクトがあっておもしろかったが、やはり一般受けしにくい(特にお母さんには)意見だろうな・・・

私、思うに、この先生の御意見は一理あると思う。自分が高校生の頃思い出すと、親ってウットウシかったもん。しかし、今、大人になって硬くなった頭で敢えて考えると、やはり社会にはルールってもんがあると思う。

子どもは家族の一員。家族っていうのは最低限の社会構成単位の一種なんだから、挨拶くらいはちゃんとするっていうのが規則だろう。「ただいま」くらいは言うべし。

しかし、親もルールは変えていかねばならない。幼児期と思春期では、相手が自分の子どもといえども守らねばならないルールがあると思う。やたらと学校の事や友人関係のことを根掘り葉掘り聞かないとか、勝手に子ども部屋の家捜しをしないとか・・・

で、今回書きたかった「廊下のない家」は、結局こういうことが言いたかったのかって言うと、全く違うのであった。完璧に脱線です。って訳でもないんだが、今回書こうと思っている「廊下のない家」は、親子のコミュニケーション手段としてのプランニング以外の、もっと機能的な部分に関して。廊下は極力少ない方が、よりよい生活環境になると思っているからなのだ。

つづく


吹き抜けのある家3  

Posted by やまね at 18:13Comments(0)間どりの話

2007年06月04日

構造とプランー5

~規格寸法(モデュール)の選び方~

今までは一番リーズナブルな価格、日本の規格寸法(モデュール)をメインに書いてきたが、生活のスケールがどうしてもそのサイズに納まらないような場合には、他の規格寸法(モデュール)を使ってみるのも手だ。

例えば、確実に車椅子での生活が必要な場合、日本の平均的廊下の寸法3尺(91cm)では狭すぎることになる。91cmといっても壁の厚みで寸法が減るため、実質は真壁で79cm、大壁で75cmくらいになってしまうからだ。

「車椅子のハンドリムを操作しながら通過するために必要な有効巾は75cm以上」との説明を読んだことがあるが、だからって75cmあればいいってもんではないだろう。

今の住宅には真壁作りが少ないので、こっから先は大壁の寸法で考えてみる。

3尺6尺の規格寸法(モデュール)では狭いなぁと感じた場合は、メートルサイズや4インチ×8インチを使用してみるのも手だ。

もちろん3×6をそのまま使って廊下や水廻りのプランを作り上げる事はできる。その場合は3尺(91cm)の1.5倍の4尺5寸という寸法を廊下の巾に当てたり、4尺の廊下をとって、残りを収納スペースにまわしたりすることになるだろう。4尺5寸というと実質寸法1m20cm、もちろん悪くない寸法だ。ゆとりがある。

しかし、日本の住宅事情は厳しいのが現実。大きな屋敷が建てられるならかまわないが、狭い敷地をめいっぱい利用して建てる住宅の場合、少しでも居住空間を広く取りたい。

4インチ×8インチを使用した場合、3×6に比べて巾は約1.35倍の割り増しになる。廊下の巾約1m5cm、ストレートに走行するなら充分な巾が取れて、しかも4尺5寸に比べると15%もスペースを節約できる。メートルモデュールなら巾84cmの廊下になり、ちょっと狭いかもしれないがスペース倹約率は4尺5寸に比べて40%。

40坪クラスの住宅で1階の廊下や玄関ホール等が占める割合を15%とすると、4インチ×8インチで0.5坪(1畳)メートルモデュールで1.5坪(3畳)の倹約、この分をリビングなり収納スペースにまわすことができる。

ま、所詮机上のお話だが、家のサイズが敷地に合わない場合(狭小敷地なんかだとよくあります)、無理やり尺貫法に基づくモデュールでグリッド設計するより、かえってリーズナブルでうまくいくこともある。

しかし、究極のスペース節約法は、なんといっても余分な廊下を作らない事、っていうより、
廊下を極力少なくしたプランニングをすることだ。そして、できれば室内を真壁にすること。大壁と比べて3尺で数㎝の差しかないが、これでも階段や廊下のあぐるしさはけっこう解消されるものだ。

つづく


吹き抜けのある家2  

Posted by やまね at 17:06Comments(0)間どりの話

2007年05月31日

構造とプランー4

~構造と自由なプランは共存できるのか?~

できる(断言)

で、話が終わるとまずいので、何とかうまい説明はできんものかと考えるが、プランというものは大まかに考えても
①土地
②家族構成
③生活スタイル

に左右されるわけだから、100家族あれば100通りのプランがあるはずだ。

政府はよく、一般的な家庭とか一般的な世帯とか一般的な家屋なんていうけど、そんなもの、何処にもないよ。ま、そんな中でも建売や賃貸住宅の場合、政府のいうところの「子ども二人の平均的サラリーマン世帯」なんかを想定してプランしていると思うけど、そこで暮らすには、どこか我慢して自分を家に合わせてるのではない?

で、もし家を建てる時は、納得の家づくりをしていただきたい。そしてその時は、快適な住空間だけでなく、災害時にシェルターとなるべき頑丈な家を求めて欲しい。

プロトタイプの住宅はない!と断言したものの、ちょっと大雑把に考えてみたい。例えば、2階建てで総面積40坪くらいの住宅を建てるとすると、1階の部分は25坪から30坪くらい。ストレートに6等分か4等分して構造の格子を組んでユニット化する。ワンユニットは、30坪の6分の1で5坪=10畳、4分の1で7.5坪=15畳。総2階建てだとしても、1階の4分の1で5坪=10畳になる。

10畳のリビング、それほど狭くないですよね?もっと広くしたければ、2つのユニットを組み合わせつつ、家具を置くスペースや収納スペースを盛り込む事で、構造に必要な壁を作っていけばよい。

最近ではLDKにすることが多いから、2つのユニット合わせればLDKで20畳になる。水廻りやユーティリティーはひとつのユニットにうまく配列する。そうこうしているうちに、さほど不自由なく必要な部屋は納まっていく。

2階の部屋割りは、出来るだけ1階の主要な壁と同じ場所に、2階の壁がくるよう配置する。もちろん、2階のほうが部屋数が多くなり、壁が増えるのはかまわないが、1階の主要な壁をまたいで別の場所に壁を作るようなプランはあまりよくない。

メインの構造ユニットがしっかりしていれば、アレンジによって多少バランスを崩していってもさほど大きな問題はおきない。そして、決して「基本グリッドに支配されて好きな間取りにならない」ようなことはない。もしそうなったら、それは設計者の能力不足か、とてつもなくプラン優先の計画をしているかどちらかだ。

で、アドヴァイス。あなたの描いたプランを、そっくりそのまま形にしてくれるという設計者やビルダーがいたら要注意。世の中そんなに上手くはいきません。


吹き抜けのある家1  

Posted by やまね at 18:59Comments(2)間どりの話

2007年05月29日

構造とプラン-3

~“尺”とか“FEET”とか~

建築でよく使われる基本の単位を書いてみる。
1間=6尺=182(厳密には181.8)cm
1尺=10寸=30.3cm
1寸=3(3.03)cm
1間×1間=1坪

ちょっと面倒だけど、覚えておくと便利だと思う。(御承知の方にはくだらなくてごめんなさい)
畳1枚の大きさが約3尺×6尺、(厳密には壁の厚みがあるので少し小さいサイズになるが)通称サブロクというサイズで、ボード類はこのサイズのものがもっとも多い。

畳2枚で6尺×6尺=1間×1間というサイズになり1坪、
6畳の部屋は2間×1.5間=3坪ということになる。




上の2丁は曲尺(さしがね)という大工用直角定規。上が尺目盛り、下がセンチ目盛り。下の巻尺は尺とセンチ両方の目盛りがついている。

ちなみに2×4工法で使われる単位はインチとフィート
1フィート=12インチ=約30.5cm
限りなく1尺に近いので、結構便利、建材の使い回しができる。

私がこの業界に入った時、目が点になることが多かった。図面を見ると、畳の厚みが54(飛騨では45が主流)とか、鴨居の溝幅が21とか書いてある。「ナンデ55㎜じゃないの?ナンデ20㎜じゃないの?ナンデ全部、寸法が半端なのっ!!」って思ったもんだ。しかしこれら全ては従来からの決まりごとの寸法だった。(※建築の寸法表示は㎜を使うことがほとんどです)

54なんて表記するから悪い。これは一般的な畳の厚さ1寸8分(飛騨では1寸5分)を表しているし、21㎜は7分のことで、一般的な1寸の厚み(30㎜)のふすまや障子を建てる時に掘り込む溝の幅だ。

今でも土地や家の大きさ表すのに、○坪や○間を使う人のほうが多いのではないだろうか?私はここでメートル法の是非を問うつもりはないし、国際的に共通の認識を持つことは良い事だと思うが、尺貫法による呼称を全て公の場から締め出したことには問題があると思う。

「3.3㎡当たり○○円」とか、「玄関の幅は○m」なんて言わされてるうちに、人々は生活に根ざした、本来は身についているはずの基本サイズを、失ってしまったのではないだろうか?だから、これほどまでにプラン優先の無理をした住宅が増えたのではないだろうか?(ちょっと考え過ぎかも・・・脱線、ごめんなさい)

最近「自由設計」を謳った住宅販売が多い。「従来の日本家屋は基本グリッドに支配され、自由な設計が出来なかった」とよくいわれるが、それは間違いだ。基本グリッドを作るということ、それは決して構造を優先させて、間取りを二の次にするということではない。生活に必要なスペースと土地の広さを睨みながら、なおかつ構造的に丈夫な格子を組むことは、充分可能なことだし、リーズナブルな設計につながる。

続く  

Posted by やまね at 08:26Comments(2)間どりの話

2007年05月24日

構造とプラン-2

~規格寸法(モデュール)で格子(グリッド)を作る~

現在、日本古来の規格寸法(モデュール)である「尺貫法」は表立って使えない。法律で禁止されてるからだ。おかしな話だけど仕方がない。でも、なじみが深く使いやすい単位だから、実際の社会ではまだまだあちこちで使われている。

建築の世界でも、建材や基本寸法は尺貫法に基づく単位がまだ主流だ。この単位を使って基本形の格子(グリッド)を作りプランニングを始めると、無理なく丈夫な構造体を作りつつ、間取りもまとめやすくなる。それに、最も流通しているサイズだから、工費を抑えるのにも役に立つだろう。

今回は日本独特の尺貫法を基にした規格寸法(モデュール)で話を進めることが多いと思うけど、2×4の工法を取り入れて家を建てる人もいるわけで、もちろんその場合はフィートを元に、基本グリッドを作ればよい。要はリビングの大きさやトイレの位置を思うがままに順次並べていくのではなく、基本形の格子(グリッド)の中にそれらを上手く収めていくことが大切なのだ。

さて、ここから先、どんな格子(グリッド)で設計を始めるかは、その人の得意とする構造で変わってくる。とにかく1間×1間を基本ユニットとして組み合わせていく人もいれば、建物全体の要となる通し柱と胴差で構成される最も大きな格子の基本グリッドを作ってから設計を始める人もいる。

木造の構造に対して強い思い入れのある設計者やビルダーにはこのタイプが多いし、私達もこのタイプだ。このように設計を進めていくと、プランが出来た段階で主だった構造設計が既に出来ている。つまり、無理をせずに丈夫な構造体を作ることができる。


CADが主流になる前は、みんなこういう用紙を使ってプランニングをしていた。1/100で図面を描くと、ひとつの升目が9.1mmなので、2個並べると1間×3尺という大きさを表す事になるし、升目12個で6畳の部屋の大きさになる。

続く  

Posted by やまね at 08:57Comments(0)間どりの話