スポンサーリンク
この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
2007年05月17日
シックハウスとかアレルギーとかエコロジーとか・・・
1ヶ月くらいシックハウス関連の話を書いてきて、なんとなくまとめも無しに終わってしまっっている。まとめようと思っても一括りに出来ない問題だから難しい。とりあえず今まで書いてきたことは一般論だと思ってください。人によって、住む場所によって、求められる条件は変わってくる。
快適な住環境というのは人それぞれだ。臭いに敏感で強い香りを好まない人は、なるべく低VOCの家づくりを心がければよいし、木の香りに包まれているとリラックスできる人は、内装にたっぷり木を使えばよい。極度の過敏症でなければ、無理に天然素材だけにこだわらなくても、F☆☆☆☆クラスの建材を使えばシックハウス症候群や化学物質過敏症をおこす事はないだろう。
まとめというか、大切だと思うポイントをもう一度書き出してみたいと思う。
人工的なものと天然のもの
・天然素材だからと言って全てを過信しない。天然の成分の中にも有害なものはある。
・人工的に作られたものは全て悪というのも間違い。充分に考慮された製品もある。
・とは言っても、大体において天然由来のものの方が安全性は高いので、建材としてのアドバンテージは高い。
規制後の建材について
・まだまだ法整備が完全ではないが、以前に比べると圧倒的に改善されている。
・一つ一つの基準は厳しくなったが、F☆☆☆☆製品でも使いすぎれば許容値を越える可能性があるし、ホルムキャッチャーを使ってF☆☆☆☆を取った製品もあるので、まだ注意が必要。
・そんなこともあるので、室内全てに新建材を使用するのは避けたほうが無難。
まぎらわしいものに注意
・木の壁や床、左官屋さんが塗ってくれる壁だからといって、全て天然という訳ではない。表面は木や土に見えても、貼物だったり混ぜ物がしてあったりする場合も多い。
・だから使う材料に関しては、設計者や施工者から充分に説明してもらう事が大切。
・ただし、貼物や混ぜ物が全て悪いわけではない。安全性が確認できれば問題はない。
シックハウス以外に考える事
・アレルギー体質の人は、天然・自然素材を使用する時、充分考慮すること。
・シックハウス以外にも体調を崩す原因はいくらでもある。ダニ・カビによるアレルギーもそのひとつ。持ち込んだ家具や日用品による被害もある。
・いずれにせよ、換気は大切。あまりにダニ・カビがひどい場合には、断熱工事が必要な事も。

ひとつ覚えておいて欲しいことがある。もし、エコロジー思考で、なるべく自然素材で出来た家に住みたいと思ったら、それなりの覚悟でメンテナンスに心がけて欲しい。何故これほどまでに化学製品や工業製品が幅広く使われるようになったのか?それは、使いやすいからだ。汚れにくい、腐りにくい、安い・・・
地球への環境負荷を考えると、なるべく地域の天然素材を使って家を建てるにこしたことはない。でも、全ての人が完全なメンテナンスを行える訳ではない。自信のない人は、必要なところに安全性の高い工業製品や化学製品を取り入れていけばよい。とにかく長く住み続ける家を作る事が大切だ。それが何より地球への環境負荷を減らすことにつながるのだから。
とりあえず、シックハウス、終わりです。
またおりをみて、別のこと書きたいと思います。多分「断熱と窓の話」「間取りの話」「木と構造の話」等になると思います。気が向いたら読んでください。
快適な住環境というのは人それぞれだ。臭いに敏感で強い香りを好まない人は、なるべく低VOCの家づくりを心がければよいし、木の香りに包まれているとリラックスできる人は、内装にたっぷり木を使えばよい。極度の過敏症でなければ、無理に天然素材だけにこだわらなくても、F☆☆☆☆クラスの建材を使えばシックハウス症候群や化学物質過敏症をおこす事はないだろう。
まとめというか、大切だと思うポイントをもう一度書き出してみたいと思う。
人工的なものと天然のもの
・天然素材だからと言って全てを過信しない。天然の成分の中にも有害なものはある。
・人工的に作られたものは全て悪というのも間違い。充分に考慮された製品もある。
・とは言っても、大体において天然由来のものの方が安全性は高いので、建材としてのアドバンテージは高い。
規制後の建材について
・まだまだ法整備が完全ではないが、以前に比べると圧倒的に改善されている。
・一つ一つの基準は厳しくなったが、F☆☆☆☆製品でも使いすぎれば許容値を越える可能性があるし、ホルムキャッチャーを使ってF☆☆☆☆を取った製品もあるので、まだ注意が必要。
・そんなこともあるので、室内全てに新建材を使用するのは避けたほうが無難。
まぎらわしいものに注意
・木の壁や床、左官屋さんが塗ってくれる壁だからといって、全て天然という訳ではない。表面は木や土に見えても、貼物だったり混ぜ物がしてあったりする場合も多い。
・だから使う材料に関しては、設計者や施工者から充分に説明してもらう事が大切。
・ただし、貼物や混ぜ物が全て悪いわけではない。安全性が確認できれば問題はない。
シックハウス以外に考える事
・アレルギー体質の人は、天然・自然素材を使用する時、充分考慮すること。
・シックハウス以外にも体調を崩す原因はいくらでもある。ダニ・カビによるアレルギーもそのひとつ。持ち込んだ家具や日用品による被害もある。
・いずれにせよ、換気は大切。あまりにダニ・カビがひどい場合には、断熱工事が必要な事も。

ひとつ覚えておいて欲しいことがある。もし、エコロジー思考で、なるべく自然素材で出来た家に住みたいと思ったら、それなりの覚悟でメンテナンスに心がけて欲しい。何故これほどまでに化学製品や工業製品が幅広く使われるようになったのか?それは、使いやすいからだ。汚れにくい、腐りにくい、安い・・・
地球への環境負荷を考えると、なるべく地域の天然素材を使って家を建てるにこしたことはない。でも、全ての人が完全なメンテナンスを行える訳ではない。自信のない人は、必要なところに安全性の高い工業製品や化学製品を取り入れていけばよい。とにかく長く住み続ける家を作る事が大切だ。それが何より地球への環境負荷を減らすことにつながるのだから。
とりあえず、シックハウス、終わりです。
またおりをみて、別のこと書きたいと思います。多分「断熱と窓の話」「間取りの話」「木と構造の話」等になると思います。気が向いたら読んでください。
2007年05月10日
換気の話-2
2003年に法律で定められた「常時換気設備」だが、それ以前に建った住宅ではどうしたらよいだろうか?一番簡単な方法として、とりあえずトイレや風呂の換気扇を付けっぱなしにしておく方法をお勧めする。完璧ではないが何もしないよりはずっと良い。
法律で求められている換気回数0.5回/h、これは2時間で家の中の空気が全部入れ替わるという意味だ。もし最近キッチンをリフォームした方がいればちょっとレンジフードを見て欲しい。そこに「常時換気」と表示されたスイッチがあれば、それを付けっぱなしにしておくと丁度0.5回/hくらいの換気ができるようになっている。
しかしキッチンでずっと換気扇を回すのは音が気になるし、何より冬は寒くていられないと思う。飛騨は中部地区有数の寒冷地、冬に法で定める0.5回/hの換気は、余程慎重に計画しないと暮らしていけない。
冬の飛騨では0.2回/h~0.3回/hくらいの換気量でよいのではないだろうか?VOCに限って言えば、気温の低い時には発散されにくいのだし・・・
トイレや浴室の換気扇なら居間や個室から離れたところにあるし音が気になりにくい。また、たいてい容量の小さいものが付いているので、家全体の隙間から少しずつ新しい空気を入れてもさほど冷たさを感じないだろう。また、冬場に一番室温が下がりやすいところに室内の暖まった空気を持っていくことで、ヒートショック防止にも役に立つだろうし、浴室の乾燥にも役立つはずだ。

<浴室用換気扇> 100㎥/hくらいの風量なので、30坪くらいの住宅ならこれ一つで約0.5回/hになる。
注意して欲しいことがいくつかある。
①小さい換気扇を常時回すのでその部分に埃がすぐ溜まる。特に防虫網なんかが付いていると、すぐに詰まってしまい、回っていても換気しなくなる。月に1度くらいはチェック。
②換気扇は極力止めない事。常に回っているから意味がある。ただし入浴中は寒いので止めてください。
③換気扇を常時回す事ですごく室内が寒くなるようなら中断する。換気扇の風量が多すぎる可能性がある。
④気候の良い時期は、なるべく窓を開けて建物全体に新鮮な空気をいれる。その時も換気扇は止めない事。
シックハウスが問題になってから、ホルムキャッチャー、光触媒・空気触媒、炭・活性炭等、各種の化学物質低減材が出回るようになった。安全性と効果が証明されていてコストの負担が気にならないのであれば使ってみればよい。しかしそれに頼って掃除もしなければ換気もしないというのでは本末転倒だ。健康的な住まいを手にいれるためには、お金で買えないものもあると考えて欲しい。
今日書いたことは、全ての既存住宅に当てはまる訳ではない。やってみて今までより快適になればよいが、逆に問題がでるようなら即座に中止してください。また、建築関係の方、記述に誤りがありましたら容赦なく突っ込みお願いします。m(_ _)m
注)ヒートショック 暖かい部屋から急に寒いトイレに移動したり、寒い脱衣所で服を脱いだ直後に熱い浴槽に入ったりした時、急激な血管の収縮や拡張に伴い血圧が急変動して、脳血管障害などを引き起こすこと。
法律で求められている換気回数0.5回/h、これは2時間で家の中の空気が全部入れ替わるという意味だ。もし最近キッチンをリフォームした方がいればちょっとレンジフードを見て欲しい。そこに「常時換気」と表示されたスイッチがあれば、それを付けっぱなしにしておくと丁度0.5回/hくらいの換気ができるようになっている。
しかしキッチンでずっと換気扇を回すのは音が気になるし、何より冬は寒くていられないと思う。飛騨は中部地区有数の寒冷地、冬に法で定める0.5回/hの換気は、余程慎重に計画しないと暮らしていけない。
冬の飛騨では0.2回/h~0.3回/hくらいの換気量でよいのではないだろうか?VOCに限って言えば、気温の低い時には発散されにくいのだし・・・
トイレや浴室の換気扇なら居間や個室から離れたところにあるし音が気になりにくい。また、たいてい容量の小さいものが付いているので、家全体の隙間から少しずつ新しい空気を入れてもさほど冷たさを感じないだろう。また、冬場に一番室温が下がりやすいところに室内の暖まった空気を持っていくことで、ヒートショック防止にも役に立つだろうし、浴室の乾燥にも役立つはずだ。
<浴室用換気扇> 100㎥/hくらいの風量なので、30坪くらいの住宅ならこれ一つで約0.5回/hになる。
注意して欲しいことがいくつかある。
①小さい換気扇を常時回すのでその部分に埃がすぐ溜まる。特に防虫網なんかが付いていると、すぐに詰まってしまい、回っていても換気しなくなる。月に1度くらいはチェック。
②換気扇は極力止めない事。常に回っているから意味がある。ただし入浴中は寒いので止めてください。
③換気扇を常時回す事ですごく室内が寒くなるようなら中断する。換気扇の風量が多すぎる可能性がある。
④気候の良い時期は、なるべく窓を開けて建物全体に新鮮な空気をいれる。その時も換気扇は止めない事。
シックハウスが問題になってから、ホルムキャッチャー、光触媒・空気触媒、炭・活性炭等、各種の化学物質低減材が出回るようになった。安全性と効果が証明されていてコストの負担が気にならないのであれば使ってみればよい。しかしそれに頼って掃除もしなければ換気もしないというのでは本末転倒だ。健康的な住まいを手にいれるためには、お金で買えないものもあると考えて欲しい。
今日書いたことは、全ての既存住宅に当てはまる訳ではない。やってみて今までより快適になればよいが、逆に問題がでるようなら即座に中止してください。また、建築関係の方、記述に誤りがありましたら容赦なく突っ込みお願いします。m(_ _)m
注)ヒートショック 暖かい部屋から急に寒いトイレに移動したり、寒い脱衣所で服を脱いだ直後に熱い浴槽に入ったりした時、急激な血管の収縮や拡張に伴い血圧が急変動して、脳血管障害などを引き起こすこと。
2007年05月09日
換気の話-1
今までずーっとシックハウス対策について書いてきたが、内容のほとんどは建材とか塗料についてだった。確かに建材を吟味することでシックハウス問題の多くは解決できる。でも、それだけでは不十分。シックハウスとアレルギーの項目にも書いたとおり、快適な住環境と健康的な住宅を維持するためには換気が欠かせないのだ。
今から家を新築する人は、2003年に施行されたいわゆる「シックハウス対策法」(4/25参照)に基づいて、設計者や施工者と共にきちんとした換気計画をたてることになる。建材を厳しく規制したにもかかわらず、建物に常時換気設備の義務付けをするのは、買ってきた家具や日用品からでてくる有害物質から住人を守るためと、安全といわれる基準値以内の建材を使用していても、気温や空気の流れなどにより、もしかしたら放出されるかもしれない有害物質から住人を守るためだ。

今は家を建てる時にこんな感じで換気計算の書類を作らなければならない
では、既に建っている家に住んでいる人はどうしたらいいんだろう?古い住宅で気密性が低く建材からの有害物質も放出されつくしている場合、常時換気は不要なんだろうか?鉄筋コンクリートのアパートやマンションのように、気密性の高い住宅でも、建ってからの年数が古ければ大丈夫なんだろうか?
そんなことはない。体調不良の原因はなにもシックハウス症候群だけではない。アレルギー、感染症、一酸化炭素、タバコ、換気不良がもたらす体調不良の原因はいくらでも身近にころがっている。極端な話、つわりの時なんか、食べ物の臭いを嗅いだだけで気持ちが悪くなるではないですか。
アレルギーの原因で最も多いのはカビ・ダニといわれている。こいつらは湿気が大好き。たとえシックハウスの問題がない家でもカビ・ダニ原因のアトピーになることは充分ありえる。それに湿気は人だけでなく家の健康も損なう。湿気をすばやく外に出すためには換気がとても重要だ。
また、古い家を改築・改装した時も要注意だ。建材は極力安全なものを使ってもらったとしても、施工中にどうしてもVOCを発散するボンド類を使わざるを得ない場合がある。トルエンの入った強烈なボンドの使用はやめてもらうとしても、隙間を埋める、水の侵入をシールする等の材料からは、若干のVOCが出る可能性はある。臭いやVOCに敏感な人が家を改築したり模様替えした時には、念のために通常より多く換気に心がける事が必要だ。
続く
今から家を新築する人は、2003年に施行されたいわゆる「シックハウス対策法」(4/25参照)に基づいて、設計者や施工者と共にきちんとした換気計画をたてることになる。建材を厳しく規制したにもかかわらず、建物に常時換気設備の義務付けをするのは、買ってきた家具や日用品からでてくる有害物質から住人を守るためと、安全といわれる基準値以内の建材を使用していても、気温や空気の流れなどにより、もしかしたら放出されるかもしれない有害物質から住人を守るためだ。

今は家を建てる時にこんな感じで換気計算の書類を作らなければならない
では、既に建っている家に住んでいる人はどうしたらいいんだろう?古い住宅で気密性が低く建材からの有害物質も放出されつくしている場合、常時換気は不要なんだろうか?鉄筋コンクリートのアパートやマンションのように、気密性の高い住宅でも、建ってからの年数が古ければ大丈夫なんだろうか?
そんなことはない。体調不良の原因はなにもシックハウス症候群だけではない。アレルギー、感染症、一酸化炭素、タバコ、換気不良がもたらす体調不良の原因はいくらでも身近にころがっている。極端な話、つわりの時なんか、食べ物の臭いを嗅いだだけで気持ちが悪くなるではないですか。
アレルギーの原因で最も多いのはカビ・ダニといわれている。こいつらは湿気が大好き。たとえシックハウスの問題がない家でもカビ・ダニ原因のアトピーになることは充分ありえる。それに湿気は人だけでなく家の健康も損なう。湿気をすばやく外に出すためには換気がとても重要だ。
また、古い家を改築・改装した時も要注意だ。建材は極力安全なものを使ってもらったとしても、施工中にどうしてもVOCを発散するボンド類を使わざるを得ない場合がある。トルエンの入った強烈なボンドの使用はやめてもらうとしても、隙間を埋める、水の侵入をシールする等の材料からは、若干のVOCが出る可能性はある。臭いやVOCに敏感な人が家を改築したり模様替えした時には、念のために通常より多く換気に心がける事が必要だ。
続く
2007年05月08日
自然塗料ー4
安全な外装用塗料を探していた夫が、アメリカ人の友人から教えてもらった“ウッドロング・エコ”を紹介しよう。北欧やカナダで50年以上の実績がある木材保護保持剤だ。塗料ではない。天然素材を使った天然系防腐剤といったところだろうか。商品と一緒に入っていたパンフレットには、「きこり達の間に代々伝えられ、天然素材だけでつくられた木材防護保持剤」と書いてある。

右下の布袋に粉末の本体が入っていた
原料はハーブ、樹皮、鉱物を粉末にしたもので、これを水に溶いて使う。粉末は完全に水に溶ける成分ばかりではなく、種のようなものや木屑のようなものも入っていて、溶液の中に浮かんでいる。成分は公開されていないが、安全性を証明するために成分安全データシートを付けて販売している。
成分を公表しないのには訳があるそうだ。同じような効能をうたいながら、粗悪な成分の商品が出回るのを恐れているらしい。確かに、ハーブ、樹皮、鉱物が原料となると、エコブームに乗っかっていい加減な商品を売る業者がでてくる可能性は高いだろう。
昨年、2件のお宅で採用してみた。1軒はハーブガーデンにせり出した閑静なウッドデッキで、あまり直射日光にはさらされないが、地面から湿気が上がってくる所。もう1軒は2階のウッドデッキ、というよりは物干し台で、西日にガンガン照らされる所だ。
初めて使った印象は「え!これでいいの?」って感じだが、アメリカやカナダで数々の実績を証明され、スウェーデンにはウッドロング・エコを一度塗布してから一度も塗りなおしをしていないのに堅牢な状態で建っているログハウスがあるそうだ。
水に溶かした“ウッドロング・エコ液”は、微かにすっぱい臭いがする。ペーハー7.3の酸性なので、釘とかビスなどは、ステンレス製を使用したほうが安心だ。で、成果はどうなのか?まだ昨年使ってみたばかりなので解からない。お客さんには了解を得て、経過を見せてもらう事にしている。
ウッドデッキは例え屋根つきであっても、風雨と紫外線にさらされ痛みやすいところだ。このような場所は傷んだら取替えができるような作りにすることが基本。しかしそう頻繁に補修するわけにもいかないので、どうしても防虫防腐効果の高い外装塗料を使うことになる。
しかしそのような塗料には多かれ少なかれ毒性があるわけで、小さい子どもを持った親にしてみれば心配だろうし、自分達だって天気の良い日には素足でデッキに出たいと思うだろう。“ウッドロング・エコ”に説明どおりの効果があれば安心して気持ちの良いウッドデッキで昼寝ができる。今後、期待の優れものになるかもしれない。
注)ウッドロング・エコは、乾燥した新しい木材にしか効果は期待できないらしい。既存のデッキや外壁の塗りなおしには不向きらしく、少々残念だ。
右下の布袋に粉末の本体が入っていた
原料はハーブ、樹皮、鉱物を粉末にしたもので、これを水に溶いて使う。粉末は完全に水に溶ける成分ばかりではなく、種のようなものや木屑のようなものも入っていて、溶液の中に浮かんでいる。成分は公開されていないが、安全性を証明するために成分安全データシートを付けて販売している。
成分を公表しないのには訳があるそうだ。同じような効能をうたいながら、粗悪な成分の商品が出回るのを恐れているらしい。確かに、ハーブ、樹皮、鉱物が原料となると、エコブームに乗っかっていい加減な商品を売る業者がでてくる可能性は高いだろう。
昨年、2件のお宅で採用してみた。1軒はハーブガーデンにせり出した閑静なウッドデッキで、あまり直射日光にはさらされないが、地面から湿気が上がってくる所。もう1軒は2階のウッドデッキ、というよりは物干し台で、西日にガンガン照らされる所だ。
初めて使った印象は「え!これでいいの?」って感じだが、アメリカやカナダで数々の実績を証明され、スウェーデンにはウッドロング・エコを一度塗布してから一度も塗りなおしをしていないのに堅牢な状態で建っているログハウスがあるそうだ。
水に溶かした“ウッドロング・エコ液”は、微かにすっぱい臭いがする。ペーハー7.3の酸性なので、釘とかビスなどは、ステンレス製を使用したほうが安心だ。で、成果はどうなのか?まだ昨年使ってみたばかりなので解からない。お客さんには了解を得て、経過を見せてもらう事にしている。
ウッドデッキは例え屋根つきであっても、風雨と紫外線にさらされ痛みやすいところだ。このような場所は傷んだら取替えができるような作りにすることが基本。しかしそう頻繁に補修するわけにもいかないので、どうしても防虫防腐効果の高い外装塗料を使うことになる。
しかしそのような塗料には多かれ少なかれ毒性があるわけで、小さい子どもを持った親にしてみれば心配だろうし、自分達だって天気の良い日には素足でデッキに出たいと思うだろう。“ウッドロング・エコ”に説明どおりの効果があれば安心して気持ちの良いウッドデッキで昼寝ができる。今後、期待の優れものになるかもしれない。
注)ウッドロング・エコは、乾燥した新しい木材にしか効果は期待できないらしい。既存のデッキや外壁の塗りなおしには不向きらしく、少々残念だ。
2007年05月07日
自然塗料ー3
さて、GWも終わった事だし、久しぶりにカタイネタに戻ります。
自然塗料ー1,自然塗料ー2で紹介してきたのもは、内装で使用する塗料が中心だったが、今回は外装用塗料の話。ここで説明する外装用塗料は、木部に塗るものに限定してお話しようと思う。金属部分やセメント系下地に塗料は全く別の種類のものだし、自然塗料ではちょっと不可能と思われるからだ。
今まで紹介してきた自然塗料メーカーの多くは外装用の塗料も製造している。ただ残念なことに、まだ使ったことがないので詳しい説明が出来ない。なぜ使わずにきてしまったかというと、やはり自然素材の塗料では、外部から受ける強い刺激(紫外線とか風雨)に対する耐候性が一般の化学合成塗料よりも劣るからだ。
しかし自然塗料メーカーも外装用とうたっている以上、そんないい加減なものを出している訳ではないと思う。要は、住んでいる人の心がけというか、持続したメンテナンスにかかっている。こまめに痛んだところがないか点検して、外壁を塗りなおす、基本といえば基本だが、実際はそんな簡単に実行できる事ではない。
そこで外部の塗装には、どうしても信頼の置ける従来の化学合成塗料を使うことになる。室内空間と違い、住んでいる人が直接その成分を吸い込む事は極めて少なくなるので、数年に一度の塗りなおしの時期さえ気をつければさほど問題はないだろう。もちろん、大気中に無条件に放出されるわけだから、御近所に対する配慮は必要だし、窓を開けることの多い時期には気をつけなくてはなない。
外装木部に使われる塗料は、大きく分けて2つに分けられる。
①木の表面に浸み込んで塗膜を作らず、木の調湿作用を妨げないタイプの油性塗料で、自然塗料メーカーのものはこのタイプが多い。
②木の表面に塗膜を作って中身を保護するタイプのもの。いわゆるペンキっぽい塗料だ。日本の伝統 的塗料“漆”などもこのタイプだ。
私達がよく使う塗料はキシラデコールという含浸タイプの塗料で、防虫・防腐性に優れていて色も豊富にある。しかし当然毒性は持ち合わせている。これによく似たタイプの塗料で安全性をうたったノンロットという塗料があり、6年前に採用した事がある。

少々古い資料で恐縮だが・・・左のノンロットクリーンは内装用、右のノンロット205が外装用。今はリニューアルしてノンロット205Nになっている。
天然成分で出来ているわけではないが、溶剤や防腐防虫剤等が人体や環境に影響が少ないように配慮された塗料だ。夫が担当する工事に採用していたので、外壁に塗った感想を聞いてみたところ、「確かに臭いは少なく、気持ちが悪くなる事はない。しかし、キシラデコールに比べて早く色落ちする。耐候性が少々劣るような気がする。」とのことだったので、それ以降使っていない。
しかし最近建築雑誌やHPを確認すると、成分が当時と変わりより安全で耐候性もあがったような印象を受ける。HPで使用薬剤の公表もしているので、メーカーが自信を持って勧める安全塗料と考えていいのではないだろうか。もう一度採用してみる価値はある。ノンロットHP
今回は結局自然塗料の話ではなくなってしまった。明日は、塗料とは少々違うかもしれないが、最近ウッドデッキに塗っている木材保護材を紹介したいと思っている。
自然塗料ー1,自然塗料ー2で紹介してきたのもは、内装で使用する塗料が中心だったが、今回は外装用塗料の話。ここで説明する外装用塗料は、木部に塗るものに限定してお話しようと思う。金属部分やセメント系下地に塗料は全く別の種類のものだし、自然塗料ではちょっと不可能と思われるからだ。
今まで紹介してきた自然塗料メーカーの多くは外装用の塗料も製造している。ただ残念なことに、まだ使ったことがないので詳しい説明が出来ない。なぜ使わずにきてしまったかというと、やはり自然素材の塗料では、外部から受ける強い刺激(紫外線とか風雨)に対する耐候性が一般の化学合成塗料よりも劣るからだ。
しかし自然塗料メーカーも外装用とうたっている以上、そんないい加減なものを出している訳ではないと思う。要は、住んでいる人の心がけというか、持続したメンテナンスにかかっている。こまめに痛んだところがないか点検して、外壁を塗りなおす、基本といえば基本だが、実際はそんな簡単に実行できる事ではない。
そこで外部の塗装には、どうしても信頼の置ける従来の化学合成塗料を使うことになる。室内空間と違い、住んでいる人が直接その成分を吸い込む事は極めて少なくなるので、数年に一度の塗りなおしの時期さえ気をつければさほど問題はないだろう。もちろん、大気中に無条件に放出されるわけだから、御近所に対する配慮は必要だし、窓を開けることの多い時期には気をつけなくてはなない。
外装木部に使われる塗料は、大きく分けて2つに分けられる。
①木の表面に浸み込んで塗膜を作らず、木の調湿作用を妨げないタイプの油性塗料で、自然塗料メーカーのものはこのタイプが多い。
②木の表面に塗膜を作って中身を保護するタイプのもの。いわゆるペンキっぽい塗料だ。日本の伝統 的塗料“漆”などもこのタイプだ。
私達がよく使う塗料はキシラデコールという含浸タイプの塗料で、防虫・防腐性に優れていて色も豊富にある。しかし当然毒性は持ち合わせている。これによく似たタイプの塗料で安全性をうたったノンロットという塗料があり、6年前に採用した事がある。
少々古い資料で恐縮だが・・・左のノンロットクリーンは内装用、右のノンロット205が外装用。今はリニューアルしてノンロット205Nになっている。
天然成分で出来ているわけではないが、溶剤や防腐防虫剤等が人体や環境に影響が少ないように配慮された塗料だ。夫が担当する工事に採用していたので、外壁に塗った感想を聞いてみたところ、「確かに臭いは少なく、気持ちが悪くなる事はない。しかし、キシラデコールに比べて早く色落ちする。耐候性が少々劣るような気がする。」とのことだったので、それ以降使っていない。
しかし最近建築雑誌やHPを確認すると、成分が当時と変わりより安全で耐候性もあがったような印象を受ける。HPで使用薬剤の公表もしているので、メーカーが自信を持って勧める安全塗料と考えていいのではないだろうか。もう一度採用してみる価値はある。ノンロットHP
今回は結局自然塗料の話ではなくなってしまった。明日は、塗料とは少々違うかもしれないが、最近ウッドデッキに塗っている木材保護材を紹介したいと思っている。
2007年05月02日
自然塗料ー2
柿渋
日本で古来から利用されてきた柿渋には、防虫・防水・防腐効果があり、紙や布、網などにしみ込ませて丈夫にしたり、木工品や建物木部の塗装に使われてきた。塗料というよりは渋柿のエキスそのものだ。安全性は証明されていると考えていいだろう。
実は私、柿渋の臭いが苦手。「一度使ってみてよ」と勧められフタを開けた途端、思いっきりのけぞってしまった。
しかしこの臭いは、乾いてしまえばほとんど気にならない。家を建てた際、内装全てに柿渋を塗っていた友人がいたが、今その家に遊びに行っても臭いが気になることはない。
最近では無臭の商品も出ているそうだ。木肌に浸み込んだ色合いも美しいし、私も機会があったら使ってみたいと思っている。なおこの臭い、全く平気な人もいるので、興味のある方は恐れずに挑戦してみてください。
エシャ
絵を描く人にはお馴染みの絵の具メーカー、ターナー色彩から出た油性自然塗料。オイルに自分で色を加えるタイプと、最初から色をつけたカラーオイルフィニッシュがある。私はカラーオイルフィニッシュを現場施工で使ったことがあるが使いやすい塗料だった。しかし、色は付きにくいので、しっかり着色したい場合には向かない。

ターナーからは他に水性塗料「JCOLOUR」というシリーズが出ている。エシャが油性の透明で木に浸み込ませるタイプとすると、JCOLOURの方は不透明の室内用水性塗料。こちらは自然塗料と言うわけではないが、安全性が高くクロスの上にも直接塗れるそうだから、室内の模様替えにも向いているだろう。詳しくはターナー色彩株式会社HP
リボス
最も有名なドイツの自然塗料メーカー。私は直接自分で施工したことはないが、リボスオイルフィニッシュ仕上の無垢フローリングを使用したことがある。施工後5年経つが、日焼け・汚れ共それ程目立たず、美しい風合いを保っている。もちろん、ワックスは毎年掛けてもらっている。
リボスには水性タイプの自然塗料があるようだ。

リボスクリア塗装、サクラ無垢フローリング、床暖房用
ところで、このシリーズを書き始めてから何回かテーマになってきた「天然の物質は全てが安全か?」という問題に関して、リボス社のHPに興味深い記事が掲載されている。是非読んでみてください。リボスのうすめ液「スバロス」
ドイツのメーカーでは他にも有名なところでオスモカラー、アグライア等がある。
塗料にしてもそうだが、自動車産業やリサイクルの分野で、いち早く環境に配慮したドイツの取り組みはやはり素晴らしいと思う。
次回に続く
日本で古来から利用されてきた柿渋には、防虫・防水・防腐効果があり、紙や布、網などにしみ込ませて丈夫にしたり、木工品や建物木部の塗装に使われてきた。塗料というよりは渋柿のエキスそのものだ。安全性は証明されていると考えていいだろう。
実は私、柿渋の臭いが苦手。「一度使ってみてよ」と勧められフタを開けた途端、思いっきりのけぞってしまった。

しかしこの臭いは、乾いてしまえばほとんど気にならない。家を建てた際、内装全てに柿渋を塗っていた友人がいたが、今その家に遊びに行っても臭いが気になることはない。
最近では無臭の商品も出ているそうだ。木肌に浸み込んだ色合いも美しいし、私も機会があったら使ってみたいと思っている。なおこの臭い、全く平気な人もいるので、興味のある方は恐れずに挑戦してみてください。
エシャ
絵を描く人にはお馴染みの絵の具メーカー、ターナー色彩から出た油性自然塗料。オイルに自分で色を加えるタイプと、最初から色をつけたカラーオイルフィニッシュがある。私はカラーオイルフィニッシュを現場施工で使ったことがあるが使いやすい塗料だった。しかし、色は付きにくいので、しっかり着色したい場合には向かない。
ターナーからは他に水性塗料「JCOLOUR」というシリーズが出ている。エシャが油性の透明で木に浸み込ませるタイプとすると、JCOLOURの方は不透明の室内用水性塗料。こちらは自然塗料と言うわけではないが、安全性が高くクロスの上にも直接塗れるそうだから、室内の模様替えにも向いているだろう。詳しくはターナー色彩株式会社HP
リボス
最も有名なドイツの自然塗料メーカー。私は直接自分で施工したことはないが、リボスオイルフィニッシュ仕上の無垢フローリングを使用したことがある。施工後5年経つが、日焼け・汚れ共それ程目立たず、美しい風合いを保っている。もちろん、ワックスは毎年掛けてもらっている。
リボスには水性タイプの自然塗料があるようだ。

リボスクリア塗装、サクラ無垢フローリング、床暖房用
ところで、このシリーズを書き始めてから何回かテーマになってきた「天然の物質は全てが安全か?」という問題に関して、リボス社のHPに興味深い記事が掲載されている。是非読んでみてください。リボスのうすめ液「スバロス」
ドイツのメーカーでは他にも有名なところでオスモカラー、アグライア等がある。
塗料にしてもそうだが、自動車産業やリサイクルの分野で、いち早く環境に配慮したドイツの取り組みはやはり素晴らしいと思う。
次回に続く
2007年05月01日
自然塗料ー1
シックハウス問題が取り上げられるようになってきてから、特に脚光を浴びている自然塗料だが、何度も言うように「天然のものから出る物質は全て安全」と思い込むのは危険だ。極端な自然物崇拝は間違いの元になり、もし、自分にシックハウス症状があっても、その原因究明を遅らせる原因になる。
とはいえ、人工的に合成された物質よりははるかに安全性が高いものがほとんど。使うポイントは「アレルギーとシックハウス」の項と重複するが、以下のことに気をつけて欲しい。
①その植物に対するアレルギーを持っていないか?
②使用する量はほどほどに
③臭いが気にならないか?
④混ぜ物が入ってないか?-一般的に天然系の抽出物から作られた塗料は乾きが遅い(工事業者にとって都合が悪い)ため、ドライヤーという乾燥を促す薬品を添加する場合がある。
自然塗料と一口にいってもたくさんあって、私も全てを使ってみたわけではない。私の知る限り、使ってみた印象を書いておきます。
アウロ社の自然塗料
ドイツの有名メーカー。水性・油性あり、油性の溶剤にはオレンジシトラルが使われている。オレンジのとても良い香りがするが、施工時に毎日嗅いでいるとさすがに辛い。家具、カウンターや窓枠に使用。また、無垢フローリングやコルクタイルの仕上には、含侵タイプ(液状)のワックスをよく使用するが、乾きはかなり遅い(特に冬場)。メンテナンス用には、固形ワックスが出ているので、そちらをおすすめする。成分についてはアウロ社HP参照

リグナF
実をいうと、アウロ社の製品は、品質もよいのだがお値段も高い。そのあたりを狙って?日本の玄々化学工業から出た製品。オイルフィニッシュの材料として最近よく使用している。油性なので、溶剤にはアウロと同じくオレンジシトラル配合。

次回に続く
とはいえ、人工的に合成された物質よりははるかに安全性が高いものがほとんど。使うポイントは「アレルギーとシックハウス」の項と重複するが、以下のことに気をつけて欲しい。
①その植物に対するアレルギーを持っていないか?
②使用する量はほどほどに
③臭いが気にならないか?
④混ぜ物が入ってないか?-一般的に天然系の抽出物から作られた塗料は乾きが遅い(工事業者にとって都合が悪い)ため、ドライヤーという乾燥を促す薬品を添加する場合がある。
自然塗料と一口にいってもたくさんあって、私も全てを使ってみたわけではない。私の知る限り、使ってみた印象を書いておきます。
アウロ社の自然塗料
ドイツの有名メーカー。水性・油性あり、油性の溶剤にはオレンジシトラルが使われている。オレンジのとても良い香りがするが、施工時に毎日嗅いでいるとさすがに辛い。家具、カウンターや窓枠に使用。また、無垢フローリングやコルクタイルの仕上には、含侵タイプ(液状)のワックスをよく使用するが、乾きはかなり遅い(特に冬場)。メンテナンス用には、固形ワックスが出ているので、そちらをおすすめする。成分についてはアウロ社HP参照
リグナF
実をいうと、アウロ社の製品は、品質もよいのだがお値段も高い。そのあたりを狙って?日本の玄々化学工業から出た製品。オイルフィニッシュの材料として最近よく使用している。油性なので、溶剤にはアウロと同じくオレンジシトラル配合。
次回に続く
2007年04月28日
化学物質過敏症
朝9時半頃地震、11時過ぎに真っ暗になったかと思ったら、凄い突風、雷、トドメにヒョウが降った後、土砂降りになって終了。その間約30分。
天変地異の前触れでしょうか?心しておきましょう、自然には逆らえんが・・・
さて、本題。医学的にまだ解明されていないこの病気について、私が詳しく書くのは無理だ。でも、実際悩みや不安を抱えている人は存在しているので避けては通れない。今日は建築知識2003年6月号に掲載されていた、北里研究所病院の専門医、坂部貢さんという方の記事を抜粋して紹介しておくので、必要な方は参考にしてください。印象的な部分にチェックをいれてあります。ここでいうシックハウス症候群は化学物質過敏症を含むと考えてください。
以下抜粋
シックハウス症候群及び化学物質過敏症に現れる主な症状は表の通り。

建築知識2003年6月号P155より引用
軽度の場合、身体の疲れや軽い風邪、または女性であれば更年期障害などとの鑑別が難しい。また、これら外側に現れる症状とは別に、精神症状も併発している場合もある。患者の約8割が「パニック障害」「心身症」といった何らかの精神症状を訴える。
ただ、ここで世間の大きな誤解を解いておきたいのだが、精神面が弱いなどといった個人の性格や性質がシックハウス症候群の原因になるのではなく、シックハウス症候群という病気が新たに精神的な障害をもたらすのだ。 続きを読む

天変地異の前触れでしょうか?心しておきましょう、自然には逆らえんが・・・

さて、本題。医学的にまだ解明されていないこの病気について、私が詳しく書くのは無理だ。でも、実際悩みや不安を抱えている人は存在しているので避けては通れない。今日は建築知識2003年6月号に掲載されていた、北里研究所病院の専門医、坂部貢さんという方の記事を抜粋して紹介しておくので、必要な方は参考にしてください。印象的な部分にチェックをいれてあります。ここでいうシックハウス症候群は化学物質過敏症を含むと考えてください。
以下抜粋
シックハウス症候群及び化学物質過敏症に現れる主な症状は表の通り。

建築知識2003年6月号P155より引用
軽度の場合、身体の疲れや軽い風邪、または女性であれば更年期障害などとの鑑別が難しい。また、これら外側に現れる症状とは別に、精神症状も併発している場合もある。患者の約8割が「パニック障害」「心身症」といった何らかの精神症状を訴える。
ただ、ここで世間の大きな誤解を解いておきたいのだが、精神面が弱いなどといった個人の性格や性質がシックハウス症候群の原因になるのではなく、シックハウス症候群という病気が新たに精神的な障害をもたらすのだ。 続きを読む
2007年04月27日
アレルギーとシックハウス
有機VS無機~無機質なら大丈夫?のところで少しコメントにも書いたけど、今までは、「最低限これくらいの基準で家を建てておけば、特に強いアレルギーや化学物質過敏症を持っていない方なら、誰が住んでもシックハウス症候群を起こさないレベルの住宅」を目標に書いてきた。仮にこれを健康住宅と呼ぶことにしよう。
揮発性有機化合物(VOC)がたくさんある部屋で体調が悪くなり、そこから離れたら良くなる状態、一応これをシックハウス症候群と理解して欲しい。この方達は、健康住宅に住んでいれば健全な生活が営めるだろう。
化学物質過敏症の人は、通常の人なら全く何も反応しないような極微量の化学物質にでも反応してしまう。当然家の中だけではなく、至る所でその影響をうけるから、社会生活全般に差障りがでている場合が多と思われる。そうなると、並みの健康住宅ではまだ難しいかもしれない。
アレルギーの方の場合、健康住宅の条件を満たした上で、安全と思って使われている材料の中に、アレルゲンが入っていないかを確認していけばよいと思う。例えば天然塗料には溶剤にオレンジシトラルを使用したものがあるが、柑橘系は果実の中でもアレルギーを起こしやすいほうだ。

独アウロ社の床用ワックス。オレンジのよい香り。よく使用しているが、人によっては注意が必要だ。
子供が赤ん坊の時、私は育児書で「柑橘系はアレルギーを起こしやすい。ミカン果汁を飲ませるときは一度火を通したほうが無難。」という記述を読んだことがある。幼児のいる家庭では、柑橘系に限らず、天然系の塗料を使用する場合は慎重にしたほうがよい。もちろん築後何年かたって揮発成分がとんでしまえば問題はないだろう。
また、杉・ヒノキ・ヒバ等、建築材としてお馴染みで親しまれている木でもVOCはしっかり出ている。これが木の良い香りの正体でもあるのだが、アレルギー体質の方はあまりたくさん室内に使用しないほうが無難だろう。柱・梁等としては、これらは木造住宅の骨格をなすのもだから是非使用していきたいところだが、もし、スギ花粉アレルギーをもっているようなら、壁板に貼るのは止めた方がよい。
そして、もっと重要なポイント。アレルゲンは食物や花粉だけではない。最も多いアレルゲンはカビ・ダニとも言われている。この二つを繁殖させない住宅すること。換気を良くして湿気のある場所を減らす。そのためには断熱工事もしっかりやらなければならないし、計画的な換気も必要になってくる。
もちろんこれには我々設計者・施工者の責任が大きく問われるところだ。でも住んでいる皆さんにも毎日の暮らしに気を使って欲しい。気候のよいときは積極的に窓を開ける、冬に窓が結露したらふき取る、開放型のストーブ(3月14日記事参照)は使わない、調理中やお風呂の後は換気扇を回す、押入やキッチンの下はたまに開けっ放しにして換気をする、お掃除をマメにする・・・・
注文ばかりでごめんなさい。でも、健康な家を手に入れるには、作る人・住む人両方の協力が欠かせない。アレルギーのない方でも、これらを実行すると、すごく快適な生活が手に入ると思いますよ。
揮発性有機化合物(VOC)がたくさんある部屋で体調が悪くなり、そこから離れたら良くなる状態、一応これをシックハウス症候群と理解して欲しい。この方達は、健康住宅に住んでいれば健全な生活が営めるだろう。
化学物質過敏症の人は、通常の人なら全く何も反応しないような極微量の化学物質にでも反応してしまう。当然家の中だけではなく、至る所でその影響をうけるから、社会生活全般に差障りがでている場合が多と思われる。そうなると、並みの健康住宅ではまだ難しいかもしれない。
アレルギーの方の場合、健康住宅の条件を満たした上で、安全と思って使われている材料の中に、アレルゲンが入っていないかを確認していけばよいと思う。例えば天然塗料には溶剤にオレンジシトラルを使用したものがあるが、柑橘系は果実の中でもアレルギーを起こしやすいほうだ。

独アウロ社の床用ワックス。オレンジのよい香り。よく使用しているが、人によっては注意が必要だ。
子供が赤ん坊の時、私は育児書で「柑橘系はアレルギーを起こしやすい。ミカン果汁を飲ませるときは一度火を通したほうが無難。」という記述を読んだことがある。幼児のいる家庭では、柑橘系に限らず、天然系の塗料を使用する場合は慎重にしたほうがよい。もちろん築後何年かたって揮発成分がとんでしまえば問題はないだろう。
また、杉・ヒノキ・ヒバ等、建築材としてお馴染みで親しまれている木でもVOCはしっかり出ている。これが木の良い香りの正体でもあるのだが、アレルギー体質の方はあまりたくさん室内に使用しないほうが無難だろう。柱・梁等としては、これらは木造住宅の骨格をなすのもだから是非使用していきたいところだが、もし、スギ花粉アレルギーをもっているようなら、壁板に貼るのは止めた方がよい。
そして、もっと重要なポイント。アレルゲンは食物や花粉だけではない。最も多いアレルゲンはカビ・ダニとも言われている。この二つを繁殖させない住宅すること。換気を良くして湿気のある場所を減らす。そのためには断熱工事もしっかりやらなければならないし、計画的な換気も必要になってくる。
もちろんこれには我々設計者・施工者の責任が大きく問われるところだ。でも住んでいる皆さんにも毎日の暮らしに気を使って欲しい。気候のよいときは積極的に窓を開ける、冬に窓が結露したらふき取る、開放型のストーブ(3月14日記事参照)は使わない、調理中やお風呂の後は換気扇を回す、押入やキッチンの下はたまに開けっ放しにして換気をする、お掃除をマメにする・・・・
注文ばかりでごめんなさい。でも、健康な家を手に入れるには、作る人・住む人両方の協力が欠かせない。アレルギーのない方でも、これらを実行すると、すごく快適な生活が手に入ると思いますよ。
2007年04月25日
シロアリ退治
最近ずーっとシックハウス関連の事を書いているけど、内容の大元になっているのは2003年の7月に施行された、建築基準法の中のいわゆるシックハウス対策法だ。一般にはなじみが薄い建築基準法だし、建築屋が日々格闘しているあまり人気のない法律だが、昨今の耐震偽装問題ですっかり脚光を浴びちゃった。
あまり良くないことで名前を売ってしまったが、このシックハウス対策法はある意味画期的なものだったので、もう少し有名にしてやりたいと思うのだ。
評価できるポイントは
① とりあえず一番ヤバイといわれているホルムアルデヒド対策を明文化した。
② 換気設備の設置を義務付けして、家具や日用品等から出てくる有害物質にも対応させた。
③ 毒性の強いクロルピリホスを全面使用禁止にした。
クロルピリホス、これ、シロアリ駆除剤です。悪名高い有機リン系。
毒性の強さが問題視され、業界団体では2001年から実質的に使用中止にしているようだ。
建築材料としては、クロルピリホスを現場で塗ることも、事前に塗布された建材を使用することも禁止。
あまりの毒性の強さに、あちこちで使用禁止や自主規制に向けて動きだした後だが、あえて法律で禁止を明言した訳だ。ところで、クロルピリホスはシロアリ駆除剤である以前に殺虫剤な訳だが、農業関係ではどのような対応になっているのだろう?既に全面禁止になっているのだろうか?御存知の方があったら教えてください。
クロルピリホスが禁止になってもその他の薬剤が禁止されたわけではない。基本的には農薬だから安易な使用は危険だ。最近ではヒバやヒノキからシロアリの嫌う成分を抽出したもの、木酢、ホウ酸等、天然系の成分や人体に影響の少ない物質でシロアリ駆除をする動きになりつつある。
残念ながらこの安全系の効果の程を私はまだ知らない。新たな情報がはいったらすぐにお知らせします。シロアリの被害状況と住人の健康状態を推し量りながら、なるべく人体に影響が少なくシロアリを駆除できるよう、個別に対応しなければないと思う。家が守られて人間が病気になるなんてとんでもない事だし、だからといって人間の健康を守るために、みすみすシロアリに家を食べてもらう訳にも行かないだろう。
シロアリに食べられた土台、スカスカっ!軽い!
以上は既に建っている家にシロアリが付いた場合の話だ。新築の場合は、シロアリ対策は薬剤に頼らず、シロアリの食害を受けにくい作りを心がけることが原則。シロアリに強い家づくりについては別の機会に改めて書きます。
あまり良くないことで名前を売ってしまったが、このシックハウス対策法はある意味画期的なものだったので、もう少し有名にしてやりたいと思うのだ。
評価できるポイントは
① とりあえず一番ヤバイといわれているホルムアルデヒド対策を明文化した。
② 換気設備の設置を義務付けして、家具や日用品等から出てくる有害物質にも対応させた。
③ 毒性の強いクロルピリホスを全面使用禁止にした。
クロルピリホス、これ、シロアリ駆除剤です。悪名高い有機リン系。
毒性の強さが問題視され、業界団体では2001年から実質的に使用中止にしているようだ。
建築材料としては、クロルピリホスを現場で塗ることも、事前に塗布された建材を使用することも禁止。
あまりの毒性の強さに、あちこちで使用禁止や自主規制に向けて動きだした後だが、あえて法律で禁止を明言した訳だ。ところで、クロルピリホスはシロアリ駆除剤である以前に殺虫剤な訳だが、農業関係ではどのような対応になっているのだろう?既に全面禁止になっているのだろうか?御存知の方があったら教えてください。
クロルピリホスが禁止になってもその他の薬剤が禁止されたわけではない。基本的には農薬だから安易な使用は危険だ。最近ではヒバやヒノキからシロアリの嫌う成分を抽出したもの、木酢、ホウ酸等、天然系の成分や人体に影響の少ない物質でシロアリ駆除をする動きになりつつある。
残念ながらこの安全系の効果の程を私はまだ知らない。新たな情報がはいったらすぐにお知らせします。シロアリの被害状況と住人の健康状態を推し量りながら、なるべく人体に影響が少なくシロアリを駆除できるよう、個別に対応しなければないと思う。家が守られて人間が病気になるなんてとんでもない事だし、だからといって人間の健康を守るために、みすみすシロアリに家を食べてもらう訳にも行かないだろう。


以上は既に建っている家にシロアリが付いた場合の話だ。新築の場合は、シロアリ対策は薬剤に頼らず、シロアリの食害を受けにくい作りを心がけることが原則。シロアリに強い家づくりについては別の機会に改めて書きます。