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2008年12月08日
闘う住宅改修@介護保険④
実態に則した考え方?
ばーちゃんのための住宅改修書類、無事提出し、お上の判断を待っています。
事前に「無理!」と引導を渡されていた諸々の懸案事項、
提出の際に再度詳細な説明をし、取りあえず窓口の支所では受理されました。
役所の「実態に則して」というキーワードに則して、
今回の申請が「実態に則して」いることを順番に説明します。
・ばーちゃんは生活費を払っていて、経済的に自立している事。アルツハイマーのため誰かの見守りが必要で娘世帯と暮らしているが、「実態に則した」世帯主として生計を立てているので、助成金を受給できる資格があること。
・・・・・でも、経済的に自立していなくて子世帯に身を寄せている高齢者の方が、助成金を必要としているような気がしませんか?だって、お年寄りは子に気使って不自由な生活我慢しちゃうかも・・・・・
・住宅改造の規模が中程度であり単なる物品の取り付けに終わらないため、私達は通常の業務の中で工事を行わなければならず、「実態に則して」考えると、この工事にかかった合板類や金物類やその他諸々の費用を、ばーちゃんに使った分だけ抜き出してその分だけの領収証を仕入先に発行してもらったり、既に仕入済みの棚卸資産の中から使用した建材を、過去に遡って精算しなおしてもらって領収証を発行してもらうことは不可能に近い事。
窓口の担当の方は、「実態に則した」内容での申請を受理いたしましたと言ってくれたので、
後は上層部の判断を待つことになります。
さて、どのような判断が下されるでしょうか?
でも、本当に、「実態に則した」援助を高山市が考えてくれるなら、高山市住宅改造助成事業は介護保険認定者でなくても、一定の条件と調査の上で、必要としている方全てが利用できる制度に改正してほしいと思うなぁ・・・・・
ばーちゃんのための住宅改修書類、無事提出し、お上の判断を待っています。
事前に「無理!」と引導を渡されていた諸々の懸案事項、
提出の際に再度詳細な説明をし、取りあえず窓口の支所では受理されました。
役所の「実態に則して」というキーワードに則して、
今回の申請が「実態に則して」いることを順番に説明します。
・ばーちゃんは生活費を払っていて、経済的に自立している事。アルツハイマーのため誰かの見守りが必要で娘世帯と暮らしているが、「実態に則した」世帯主として生計を立てているので、助成金を受給できる資格があること。
・・・・・でも、経済的に自立していなくて子世帯に身を寄せている高齢者の方が、助成金を必要としているような気がしませんか?だって、お年寄りは子に気使って不自由な生活我慢しちゃうかも・・・・・
・住宅改造の規模が中程度であり単なる物品の取り付けに終わらないため、私達は通常の業務の中で工事を行わなければならず、「実態に則して」考えると、この工事にかかった合板類や金物類やその他諸々の費用を、ばーちゃんに使った分だけ抜き出してその分だけの領収証を仕入先に発行してもらったり、既に仕入済みの棚卸資産の中から使用した建材を、過去に遡って精算しなおしてもらって領収証を発行してもらうことは不可能に近い事。
窓口の担当の方は、「実態に則した」内容での申請を受理いたしましたと言ってくれたので、
後は上層部の判断を待つことになります。
さて、どのような判断が下されるでしょうか?
でも、本当に、「実態に則した」援助を高山市が考えてくれるなら、高山市住宅改造助成事業は介護保険認定者でなくても、一定の条件と調査の上で、必要としている方全てが利用できる制度に改正してほしいと思うなぁ・・・・・
2008年12月04日
闘う住宅改修@介護保険③
高山市住宅改造助成事業
この制度を利用した住宅改造工事を私が初めて請け負ったのは平成8年、
介護保険制度が始まる4年前のことでした。
他の地方自治体に比べて早くから高齢者の住宅改造事業に取り組んできた画期的な制度です。
助成の上限は75万円で、所得(正確には支払った所得税)に応じて、段階的に金額が変わり、
当然のことながら所得がたくさんある人は助成が受けられません。
<高齢者等>と表記してあるのは、障がいを持った方も対象になるからです。
高齢者のみ世帯で年金だけで暮らしている場合は、大概上限の75万円が支給されます。
75万円あるとかなり色々な事ができまして、室内の手すり付けと段差解消+外部スロープとか、
うまくやればお風呂の改修まで手を付けることができます。
この制度を利用した最初のクライアントさんの場合、借家にとんでもないお風呂が設置されていて、
足の悪いおばあちゃんが入れず困ったいましたが、
助成金の上限まで利用してお値打ちなハーフユニットタイプの浴室に作り変えることが可能でした。
平成12年に介護保険が導入され、本来は横出しで残しておいて欲しかったこの制度、
今ではあくまでも介護保険の住宅改修費ではオーバーする部分の上乗せに変更されました。
つまり介護保険の上限をオーバーした部分に対してのみ利用可能になったのです。
しかも介護保険の上限20万円+75万円ではありません。総額75万円は変わらないのです。
そしてあくまでも介護保険への上乗せですから、介護認定を受けていないと利用できません。
お年寄りにとって、自分で自分達の介護認定をとるのはなかなかハードルの高い大変な作業です。
しかし世の中には介護認定を受けていなくても心身ともに問題点を抱える高齢者は多く、すぐにでも住宅改造が必要と思われるケースは少なくありません。また、改造する事で歩行が安定し転倒防止にもなり、ひいてはADLが改善する場合も多く、予防医学的に見ても寝たきりにさせない効果は高いのではないでしょうか?
介護保険が導入されて、高齢者比率の高い地方自治体の財政状態は逼迫している事と思います。
高山市も例外でなく、これ以上の支出は困難なのかもしれません。
しかし、介護度の高い高齢者が増えれば、益々財政状況は悪くなると思うのです。
そしてなによりも、今までの高山を支えてくれた高齢者の方に、最後くらい終の棲家でせめて人並みの生活をしてもらいたい、最低限のQOLを確保したい、そのためにも是非この制度は介護保険認定者でなくても利用できるよう、見直しをしてもらいたいと切に願っているのです。

12年前の書類を引っ張り出してみました。まだこの頃は手書きで図面書いてる!そういえば、私の場合、この翌年からCADを導入したんだった・・・・・今ではもう、手書きの図面、low-gunが障るので描けません
横出し
この場合は、介護保険外で利用できる制度のことを指しています。つまり、介護認定を受けていなくても受けられる制度であったり、介護保険を利用していても、介護保険の上限20万円の費用とは別個に支給される制度のことを意味します。
上乗せ
一定の制度のうえに補填される制度のことを指します。現在の高山市住宅改造助成事業のようにあくまでも介護保険への追加的制度であり、単体で利用されることのない制度を意味します。
この制度を利用した住宅改造工事を私が初めて請け負ったのは平成8年、
介護保険制度が始まる4年前のことでした。
他の地方自治体に比べて早くから高齢者の住宅改造事業に取り組んできた画期的な制度です。
助成の上限は75万円で、所得(正確には支払った所得税)に応じて、段階的に金額が変わり、
当然のことながら所得がたくさんある人は助成が受けられません。
<高齢者等>と表記してあるのは、障がいを持った方も対象になるからです。
高齢者のみ世帯で年金だけで暮らしている場合は、大概上限の75万円が支給されます。
75万円あるとかなり色々な事ができまして、室内の手すり付けと段差解消+外部スロープとか、
うまくやればお風呂の改修まで手を付けることができます。
この制度を利用した最初のクライアントさんの場合、借家にとんでもないお風呂が設置されていて、
足の悪いおばあちゃんが入れず困ったいましたが、
助成金の上限まで利用してお値打ちなハーフユニットタイプの浴室に作り変えることが可能でした。
平成12年に介護保険が導入され、本来は横出しで残しておいて欲しかったこの制度、
今ではあくまでも介護保険の住宅改修費ではオーバーする部分の上乗せに変更されました。
つまり介護保険の上限をオーバーした部分に対してのみ利用可能になったのです。
しかも介護保険の上限20万円+75万円ではありません。総額75万円は変わらないのです。
そしてあくまでも介護保険への上乗せですから、介護認定を受けていないと利用できません。
お年寄りにとって、自分で自分達の介護認定をとるのはなかなかハードルの高い大変な作業です。
しかし世の中には介護認定を受けていなくても心身ともに問題点を抱える高齢者は多く、すぐにでも住宅改造が必要と思われるケースは少なくありません。また、改造する事で歩行が安定し転倒防止にもなり、ひいてはADLが改善する場合も多く、予防医学的に見ても寝たきりにさせない効果は高いのではないでしょうか?
介護保険が導入されて、高齢者比率の高い地方自治体の財政状態は逼迫している事と思います。
高山市も例外でなく、これ以上の支出は困難なのかもしれません。
しかし、介護度の高い高齢者が増えれば、益々財政状況は悪くなると思うのです。
そしてなによりも、今までの高山を支えてくれた高齢者の方に、最後くらい終の棲家でせめて人並みの生活をしてもらいたい、最低限のQOLを確保したい、そのためにも是非この制度は介護保険認定者でなくても利用できるよう、見直しをしてもらいたいと切に願っているのです。

12年前の書類を引っ張り出してみました。まだこの頃は手書きで図面書いてる!そういえば、私の場合、この翌年からCADを導入したんだった・・・・・今ではもう、手書きの図面、low-gunが障るので描けません

横出し
この場合は、介護保険外で利用できる制度のことを指しています。つまり、介護認定を受けていなくても受けられる制度であったり、介護保険を利用していても、介護保険の上限20万円の費用とは別個に支給される制度のことを意味します。
上乗せ
一定の制度のうえに補填される制度のことを指します。現在の高山市住宅改造助成事業のようにあくまでも介護保険への追加的制度であり、単体で利用されることのない制度を意味します。
2008年12月02日
闘う住宅改修@介護保険②
とりあえず、理論武装して向ってみる
週末に書類を作成して、月曜日に提出予定してたばーちゃんのための住宅改修書類、
ちょっと遅れちゃって本日提出となりました。
理論武装するには形式が大切!という訳で、書類はしっかり作成します。

たかだかばーちゃんのトイレとスロープを改修するのに、何故わざわざ戦いに挑むのか?
それには訳があります。
問題点はふたつ
1、ウチが法人ではないので人件費が認められず、助成されるのは材料費のみに限られること。
2、ばーちゃんは世帯主であるにもかかわらず、扶養家族とみなされていて、高山市独自の高齢者住宅改造助成金がもらえない可能性が高いこと。
1、に関しては、ま、ダメならしかたがないのですが、役所の人にバリアフリー化のための工事とは如何なるものかをしっかり理解して欲しいので、直訴してみるつもりです。
だって、そこそこの工事です。日曜大工で済ませられる規模ではない・・・だからばーちゃんにショート・ステイ入っててもらって、その間に従業員も一緒に通常の業務として施工するつもり。法人なら認めるが個人事業主の場合はだめって言われても、実態は同じなんです。
2、に関しては、「戸籍上の世帯ではなく実質的な世帯状況に応じて」とのことです。
いくら戸籍上別世帯でも、一緒の家に住んでるってことは、
ばーちゃん所詮介護=扶養されているんでしょ?って理屈です。
役所の方は「実態に則して」っていうけど、実態に則するんだったら1、に関して私達の業務だって会社組織の建築屋さんと同じでしょ?
2、の件に関しては、仕事で依頼を受けた物件の場合でもよくひっかかるんですよ。
例えば・・・・・急におばーちゃんを引き取ったので、トイレと風呂と玄関の改造に100万円ほどかかりそうだが、共働きの息子世帯の収入があるので上限25万円までしか助成されない。しかもこの制度、あくまでも介護保険の住宅改修費用への上乗せだから、5万円しか上乗せしてもらえない。介護保険の20万のうち1割は自己負担だから、実質100万円の工事で補填されるのは23万円。
この場合、おばーちゃんが一人暮らしと認められれば、75万円-介護保険の1割負担2万円で73万円補填されます。
息子さん夫婦が所得制限に引っかかったっていっても、決して裕福な暮らししている訳ではないと思うんです。例えば子どもが2人とも大学に通っていたら・・・・・
どれくらい生活費を圧迫しているか解りそうなものですよね?
このような線引きは、最終的に高齢者へのしわ寄せとなって現れると思います。
いくらお年寄りを大切に思う気持ちがあっても、わが子の学費を払わないで改築費用に当てることはできないでしょう。
さて私、この二つの懸案事項に関しては、既に支所で「無理です」引導渡されています。
でも簡単には引き下がらず、上の方にまで掛け合って、ダメでも上層部の人たちに「実態に則した」認識だけは持ってもらいたい、それを狙っているのです。
次回は高山市独自の高齢者住宅改造費用(上限75万円)の説明をもう少ししたいと思っています。
週末に書類を作成して、月曜日に提出予定してたばーちゃんのための住宅改修書類、
ちょっと遅れちゃって本日提出となりました。
理論武装するには形式が大切!という訳で、書類はしっかり作成します。

たかだかばーちゃんのトイレとスロープを改修するのに、何故わざわざ戦いに挑むのか?
それには訳があります。
問題点はふたつ
1、ウチが法人ではないので人件費が認められず、助成されるのは材料費のみに限られること。
2、ばーちゃんは世帯主であるにもかかわらず、扶養家族とみなされていて、高山市独自の高齢者住宅改造助成金がもらえない可能性が高いこと。
1、に関しては、ま、ダメならしかたがないのですが、役所の人にバリアフリー化のための工事とは如何なるものかをしっかり理解して欲しいので、直訴してみるつもりです。
だって、そこそこの工事です。日曜大工で済ませられる規模ではない・・・だからばーちゃんにショート・ステイ入っててもらって、その間に従業員も一緒に通常の業務として施工するつもり。法人なら認めるが個人事業主の場合はだめって言われても、実態は同じなんです。
2、に関しては、「戸籍上の世帯ではなく実質的な世帯状況に応じて」とのことです。
いくら戸籍上別世帯でも、一緒の家に住んでるってことは、
ばーちゃん所詮介護=扶養されているんでしょ?って理屈です。
役所の方は「実態に則して」っていうけど、実態に則するんだったら1、に関して私達の業務だって会社組織の建築屋さんと同じでしょ?
2、の件に関しては、仕事で依頼を受けた物件の場合でもよくひっかかるんですよ。
例えば・・・・・急におばーちゃんを引き取ったので、トイレと風呂と玄関の改造に100万円ほどかかりそうだが、共働きの息子世帯の収入があるので上限25万円までしか助成されない。しかもこの制度、あくまでも介護保険の住宅改修費用への上乗せだから、5万円しか上乗せしてもらえない。介護保険の20万のうち1割は自己負担だから、実質100万円の工事で補填されるのは23万円。
この場合、おばーちゃんが一人暮らしと認められれば、75万円-介護保険の1割負担2万円で73万円補填されます。
息子さん夫婦が所得制限に引っかかったっていっても、決して裕福な暮らししている訳ではないと思うんです。例えば子どもが2人とも大学に通っていたら・・・・・
どれくらい生活費を圧迫しているか解りそうなものですよね?
このような線引きは、最終的に高齢者へのしわ寄せとなって現れると思います。
いくらお年寄りを大切に思う気持ちがあっても、わが子の学費を払わないで改築費用に当てることはできないでしょう。
さて私、この二つの懸案事項に関しては、既に支所で「無理です」引導渡されています。
でも簡単には引き下がらず、上の方にまで掛け合って、ダメでも上層部の人たちに「実態に則した」認識だけは持ってもらいたい、それを狙っているのです。
次回は高山市独自の高齢者住宅改造費用(上限75万円)の説明をもう少ししたいと思っています。
タグ :バリアフリー住宅
2008年11月29日
闘う住宅改修@介護保険①
杓子と定規は誰のため?
超実践バリアフリー住宅事情のお風呂編」はとりあえず終わりました。
続いて「トイレ編」を書くつもりでいるのですが、
ちょうど今ばーちゃんのために、トイレや屋外スロープの改修計画が進行中。
そこで一般的なトイレのバリアフリー計画の話も交えながら、
介護保険の住宅改修と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用した、
ウチの住宅改修を実況中継してみようと思います。
ウチのばーちゃん、最近なんとも立てなくなることが多く、トイレへまともに行けません。
自立歩行は体調のよい時に、自室~トイレ~洗面の数メートルが限界、
外出はほとんど車椅子利用になりました。
今後ADLが画期的に改善する可能性はほとんど無い。
現在ウチのバリアフリーレベルは要介護1~3に対応する程度ですが、
これを要介護3~5まで対応できるように計画をします。
「とりあえず自立した排泄ができるようなトイレに改修する」ことを一番の目標とし
ADLがもっと低下した時のために「車椅子の生活」と「寝たきり」の生活をささえるため、
スロープを設置するというのが工事の内容です。
まずは申請書作り、この週末に作成します。
先日行った市役所との事前打ち合わせでは
費用は材料代しか認めないと引導渡されています。
何故なら、ウチが建築屋だから・・・
お客さんの仕事ならよいが、
同居の家族の分は人件費を認めないという訳です。
あ、ウチが法人ならいいんですって。
ウチ、法人なりしてなくて個人事業者だから
所詮大工さんが日曜大工で手すり付ける程度でしょ?
って理屈みたいです。
これこれ・・・・・
規模的にいって日曜日に数時間でできる仕事じゃないんですってば・・・・・
ウチの従業員だって就業時間中に仕事するんですよ、彼の給料誰が払うの?
ばーちゃんはやむを得ず我が家の一角に住んではいるが、
世帯分離していてちゃんと生活費出しています。
私達の扶養家族ではない・・・
介護保険+高山市高齢者住宅改造助成金を受ける条件は
一般の人と同じように整っているはず。
納得のいかない私はダメもとで、一応闘いを挑むのであります。
つづく
超実践バリアフリー住宅事情のお風呂編」はとりあえず終わりました。
続いて「トイレ編」を書くつもりでいるのですが、
ちょうど今ばーちゃんのために、トイレや屋外スロープの改修計画が進行中。
そこで一般的なトイレのバリアフリー計画の話も交えながら、
介護保険の住宅改修と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用した、
ウチの住宅改修を実況中継してみようと思います。
ウチのばーちゃん、最近なんとも立てなくなることが多く、トイレへまともに行けません。
自立歩行は体調のよい時に、自室~トイレ~洗面の数メートルが限界、
外出はほとんど車椅子利用になりました。
今後ADLが画期的に改善する可能性はほとんど無い。
現在ウチのバリアフリーレベルは要介護1~3に対応する程度ですが、
これを要介護3~5まで対応できるように計画をします。
「とりあえず自立した排泄ができるようなトイレに改修する」ことを一番の目標とし
ADLがもっと低下した時のために「車椅子の生活」と「寝たきり」の生活をささえるため、
スロープを設置するというのが工事の内容です。
まずは申請書作り、この週末に作成します。

費用は材料代しか認めないと引導渡されています。
何故なら、ウチが建築屋だから・・・
お客さんの仕事ならよいが、
同居の家族の分は人件費を認めないという訳です。
あ、ウチが法人ならいいんですって。
ウチ、法人なりしてなくて個人事業者だから
所詮大工さんが日曜大工で手すり付ける程度でしょ?
って理屈みたいです。
これこれ・・・・・

規模的にいって日曜日に数時間でできる仕事じゃないんですってば・・・・・
ウチの従業員だって就業時間中に仕事するんですよ、彼の給料誰が払うの?
ばーちゃんはやむを得ず我が家の一角に住んではいるが、
世帯分離していてちゃんと生活費出しています。
私達の扶養家族ではない・・・
介護保険+高山市高齢者住宅改造助成金を受ける条件は
一般の人と同じように整っているはず。
納得のいかない私はダメもとで、一応闘いを挑むのであります。
つづく
2008年11月22日
超実践バリアフリー住宅事情⑥
「バリアフリー住宅」と言ってはみたが・・・
ここまで「超実践バリアフリー住宅事情」なんてタイトルで書いてきましたが、正確には「高齢者対応住宅事情」に的を絞って書いてきました。バリアフリー住宅をタイトルにあげることには少々語弊がありますね、すみません。今回はこの点に的を絞った内容にしようと思います。
もちろん、加齢による体の変化は色々な身体的精神的障がいをもたらすわけで、一般の障がいをお持ちの方との共通点も多いですが、全体的なバリアフリーに対する考え方は、また時を改めて書いてみたいと思っています。
今から15~6年前になりますが、友人の作業療法士(他県の人です)から次のように言われた事があります。「最近やたらとバリアフリー設計だといって、むやみに廊下もトイレも広くする建築士がいるんだよね。高齢者だバリアフリーだといったって、かならずしも全面介助が前提とは限らないのに・・・」
「当事者が自立して暮らしてゆくためには、住み慣れた自宅で最低限の設備があれば充分。廊下だって狭いところに本棚やゲタ箱があればそれに手を突いて伝い歩きできる。その本棚が倒れないように固定してやれば、充分に手すり代わりになる。やたらと広い所でつかまるものがなくて転んだら余計に危ないよ。」
ごもっとも!
これは、どこにバリアフリーの視点をもってゆくか定まらないうちに、やたらと知識だけを盛り込んだ設計をしてしまう建築屋が陥る罠を、なかなか鋭く指摘しています。超実践バリアフリー住宅事情③でも書いたとおり、私もしっかりはまりました。この話をちゃんと聞いた後にも関わらずです。
現存する公共建築物にもこのような例が横行しておりまして、車椅子の友人miniさんは日々嘆いています。計画・立案・設計に携わる関係諸氏は、ぜひ当事者の意見に耳を傾けてくださいね。
次回からはトイレ編がはじまります。とは言っても、我が家のトイレは来月改装予定。
居室から数歩で行ける距離のトイレにすら行けなくなったばーちゃんのために、
介護保険と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用するつもりで計画しています。
ハード面での話題以外に、改修に伴うあらゆるソフト上の困難
(早い話が「お役所・書類・杓子定規」の三題話ですな)が
リアルタイムに御報告できる事でしょう
↑喜んでる場合じゃないです

写真の本は、よくありがちなHOW TO DOバリアフリー読本とは違い、バリアフリーデザインに美しさと機能性をも追求をした高い理念で書かれた本です。著者の「バリア・フリー研究会」は、まだバリアフリーという言葉が世間に認知されていない頃から活動を始め、先駆的な役割を果たした団体ですよ。
ここまで「超実践バリアフリー住宅事情」なんてタイトルで書いてきましたが、正確には「高齢者対応住宅事情」に的を絞って書いてきました。バリアフリー住宅をタイトルにあげることには少々語弊がありますね、すみません。今回はこの点に的を絞った内容にしようと思います。
もちろん、加齢による体の変化は色々な身体的精神的障がいをもたらすわけで、一般の障がいをお持ちの方との共通点も多いですが、全体的なバリアフリーに対する考え方は、また時を改めて書いてみたいと思っています。
今から15~6年前になりますが、友人の作業療法士(他県の人です)から次のように言われた事があります。「最近やたらとバリアフリー設計だといって、むやみに廊下もトイレも広くする建築士がいるんだよね。高齢者だバリアフリーだといったって、かならずしも全面介助が前提とは限らないのに・・・」
「当事者が自立して暮らしてゆくためには、住み慣れた自宅で最低限の設備があれば充分。廊下だって狭いところに本棚やゲタ箱があればそれに手を突いて伝い歩きできる。その本棚が倒れないように固定してやれば、充分に手すり代わりになる。やたらと広い所でつかまるものがなくて転んだら余計に危ないよ。」
ごもっとも!
これは、どこにバリアフリーの視点をもってゆくか定まらないうちに、やたらと知識だけを盛り込んだ設計をしてしまう建築屋が陥る罠を、なかなか鋭く指摘しています。超実践バリアフリー住宅事情③でも書いたとおり、私もしっかりはまりました。この話をちゃんと聞いた後にも関わらずです。
現存する公共建築物にもこのような例が横行しておりまして、車椅子の友人miniさんは日々嘆いています。計画・立案・設計に携わる関係諸氏は、ぜひ当事者の意見に耳を傾けてくださいね。
次回からはトイレ編がはじまります。とは言っても、我が家のトイレは来月改装予定。
居室から数歩で行ける距離のトイレにすら行けなくなったばーちゃんのために、
介護保険と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用するつもりで計画しています。
ハード面での話題以外に、改修に伴うあらゆるソフト上の困難
(早い話が「お役所・書類・杓子定規」の三題話ですな)が
リアルタイムに御報告できる事でしょう

↑喜んでる場合じゃないです


写真の本は、よくありがちなHOW TO DOバリアフリー読本とは違い、バリアフリーデザインに美しさと機能性をも追求をした高い理念で書かれた本です。著者の「バリア・フリー研究会」は、まだバリアフリーという言葉が世間に認知されていない頃から活動を始め、先駆的な役割を果たした団体ですよ。
タグ :バリアフリー住宅
2008年11月20日
超実践バリアフリー住宅事情⑤
お風呂編~お風呂のバリアフリーは転ばぬ先の杖になるのか?
お風呂のバリアフリーの話を書きかけで中断していました。もう少し続きを書こうと思います。前回は、「最後まで自立して暮らしていこうと思った場合、どの程度までお風呂のバリアフリーを考えておけばよいか?」についてでした。「ある程度の対策は新築時から必要だが、本格的なバリアフリー対策は一体いつ頃やればよいの?」というところで終わりましたね?では、今回はそのタイミングについて具体的に考えてみたいと思います。
もし40代で住宅を新築したり購入した場合、今流行り?の後期高齢者になるまでには約30年かかります。最近の水廻り商品は品質もよくなり、10年やそこらでみすぼらしくなる事はあまり無いでしょう。しかし、毎日過酷な環境で使われているトイレや浴室は、いくらお手入れしてもピッカピカと言うわけにはいかない・・・。30年もすると、そろそろリフォームを考えたくなる方が多いでしょう。
仕事でクライアントさんや自分の親を見ていて感じるのですが、住み慣れた自宅にいても、齢を重ねてゆくと徐々に生活に差し障りがでてくるもの。それは早くて70代中頃、概ね80歳の声を聞いてからが多いように思います。ちょうど後期高齢者という年齢に差しかかる頃、老いの影はちゃんと忍び寄って来るようです。
もちろん個人差があることですから、不幸にして若い頃に脳梗塞で半身に麻痺を抱える方もいれば、一生で手すりの1本もあれば元気で暮らせる方もいる。若くして障がいを抱えれば、必然的に早期の住宅改造を余儀なくされるでしょうし、一生お元気ならばその必要もありません。
一般的に考えて、経済的に安定している壮年期に家を建てる可能性が高いとするならば、水廻りの刷新を思い立つ年齢と、肉体的な衰えを感じてそろそろ本格的なバリアフリー対策をしようと考える年齢が約30年後に一致することになります。その頃が水廻りのリフォームに最も適した時期といえるでしょう。
だからといって若い頃に建てる住宅に、全くバリアフリー対策が不要というわけではありません。間取り自体の変更には余分な費用がかかりますし、場合によっては変更不可能なこともでてきます。将来主寝室となる部屋から水廻りまでの動線は、綿密に計画しておいて損はありません。やはり新築時のバリアフリー対策は「転ばぬ先の杖」になるのです。
そしてできれば、そのリフォームはまだ身体的にゆとりのある時期に行い、新しい設備に慣れておくことが老後のQOLを高めるポイントになります。浴室に限った事ではないのですが、高齢者にとって新しい設備装置や環境に慣れることは、多少なりともストレスになる・・・。まして認知症の傾向が顕れてから新しい生活に慣れることは、並大抵の事でないことを私は体験しました。
今日はお風呂の話というより、高齢者対応住宅に対する一般的な考え方が中心になりました。自宅で入浴介助をするための最新設備や補助器具など、話し始めればきりがないのですが、お風呂の話は今回で一旦終わり、次回からは他のスペース、トイレや廊下のことについて書こうと思います。この連載はまだまだしつこく続くのですよ

ばーちゃんの部屋とトイレ、洗面、浴室は、廊下を挟んですぐ近くに固めてあります。
以前廊下のない家というテーマで廊下を極力減らすメリットを書きましたが、高齢者の生活スペースを確保するためには最低限の廊下をうまく使うことがポイントになります。
悲しいかな、裸に近い状態でトイレや浴室に運ばなければならない時、他の家族の目に触れにくくする事は本人にとっても、他の家族にとっても、お互いメリットになります。
カーテンで簡易に間仕切をすることも可能ですしね。
お風呂のバリアフリーの話を書きかけで中断していました。もう少し続きを書こうと思います。前回は、「最後まで自立して暮らしていこうと思った場合、どの程度までお風呂のバリアフリーを考えておけばよいか?」についてでした。「ある程度の対策は新築時から必要だが、本格的なバリアフリー対策は一体いつ頃やればよいの?」というところで終わりましたね?では、今回はそのタイミングについて具体的に考えてみたいと思います。
もし40代で住宅を新築したり購入した場合、今流行り?の後期高齢者になるまでには約30年かかります。最近の水廻り商品は品質もよくなり、10年やそこらでみすぼらしくなる事はあまり無いでしょう。しかし、毎日過酷な環境で使われているトイレや浴室は、いくらお手入れしてもピッカピカと言うわけにはいかない・・・。30年もすると、そろそろリフォームを考えたくなる方が多いでしょう。
仕事でクライアントさんや自分の親を見ていて感じるのですが、住み慣れた自宅にいても、齢を重ねてゆくと徐々に生活に差し障りがでてくるもの。それは早くて70代中頃、概ね80歳の声を聞いてからが多いように思います。ちょうど後期高齢者という年齢に差しかかる頃、老いの影はちゃんと忍び寄って来るようです。
もちろん個人差があることですから、不幸にして若い頃に脳梗塞で半身に麻痺を抱える方もいれば、一生で手すりの1本もあれば元気で暮らせる方もいる。若くして障がいを抱えれば、必然的に早期の住宅改造を余儀なくされるでしょうし、一生お元気ならばその必要もありません。
一般的に考えて、経済的に安定している壮年期に家を建てる可能性が高いとするならば、水廻りの刷新を思い立つ年齢と、肉体的な衰えを感じてそろそろ本格的なバリアフリー対策をしようと考える年齢が約30年後に一致することになります。その頃が水廻りのリフォームに最も適した時期といえるでしょう。
だからといって若い頃に建てる住宅に、全くバリアフリー対策が不要というわけではありません。間取り自体の変更には余分な費用がかかりますし、場合によっては変更不可能なこともでてきます。将来主寝室となる部屋から水廻りまでの動線は、綿密に計画しておいて損はありません。やはり新築時のバリアフリー対策は「転ばぬ先の杖」になるのです。
そしてできれば、そのリフォームはまだ身体的にゆとりのある時期に行い、新しい設備に慣れておくことが老後のQOLを高めるポイントになります。浴室に限った事ではないのですが、高齢者にとって新しい設備装置や環境に慣れることは、多少なりともストレスになる・・・。まして認知症の傾向が顕れてから新しい生活に慣れることは、並大抵の事でないことを私は体験しました。
今日はお風呂の話というより、高齢者対応住宅に対する一般的な考え方が中心になりました。自宅で入浴介助をするための最新設備や補助器具など、話し始めればきりがないのですが、お風呂の話は今回で一旦終わり、次回からは他のスペース、トイレや廊下のことについて書こうと思います。この連載はまだまだしつこく続くのですよ


ばーちゃんの部屋とトイレ、洗面、浴室は、廊下を挟んですぐ近くに固めてあります。
以前廊下のない家というテーマで廊下を極力減らすメリットを書きましたが、高齢者の生活スペースを確保するためには最低限の廊下をうまく使うことがポイントになります。
悲しいかな、裸に近い状態でトイレや浴室に運ばなければならない時、他の家族の目に触れにくくする事は本人にとっても、他の家族にとっても、お互いメリットになります。
カーテンで簡易に間仕切をすることも可能ですしね。
タグ :バリアフリー住宅
2008年11月12日
超実践バリアフリー住宅事情④
お風呂編~自分のためのお風呂を作ろう
さて前回は、「将来自宅で高齢の親を介助するという前提で浴室の設計をする必要があるのか?」ということについて書きました。条件は我が家と同じく「家を建てるときに親と同居していない場合」でしたので、自宅での入浴介助はおろか、一般入浴すら困難な場合が多い。
よって、あまり過剰なバリアフリー設計は不要だろうということになりました。今回は条件を変えて、ずっと住み続けている自宅、もしくは今から新しく建てる自宅でどのように老後を暮らすか、そのためにはお風呂をどのようにしておけばよいかを考えてみたいと思います。
お風呂のバリアフリー対策を将来自分が自立して暮らしてゆくためのものととらえるのであれば、浴室の広さは1坪タイプ(160cm×160cm)で充分だと思います。これは最も一般的なサイズで畳2枚分の広さ、いざとなれば何とか介助者が付いて一緒に入ることもできるぎりぎりの寸法です。
最後まで自力で入浴するつもりでおり、もし介助が必要になった時にはしかるべき施設や訪問入浴サービスを利用する、そこまで腹をくくるのであれば、0.75坪タイプ(160cm×120cm)でもかまいません。
この広さなら、浴室の中で多少ふらついても壁に手を付いて転倒を防止することが可能です。出入り口の幅も、有効開口幅で65cmという一般的な折れ戸で対応できます。介助者に抱きかかえられての入浴や車椅子での入浴を想定しなければ、何も広い扉は必要ないのです。
浴槽の床からの高さは、当事者の体の状態によって多少変りますが、だいたい40cmくらいだと考えましょう。単に下半身が衰え足が上りにくくなっていたり、軽い麻痺があるが手が使えて立ったまま浴槽に足を入れることが可能なら、その高さはできるだけ低い方(約35センチ~40cm)が楽に入浴できます。
逆に痛みがあってどうしても足を上げることができなかったり、もう少し重度の麻痺があり自力でまたぎ越しができない場合は、エプロン(浴槽の縁に座れるよう、少し広くとった部分)や入浴介助用の椅子に腰掛けてから足を浴槽に入れることになりますが、この場合は逆にあまり低いと座ったり立ったりが困難になるので、浴槽の高さは40cm~45cmくらいが理想となります。
手すりは当事者の体の状態に応じて取り付けるのが一番良いのですが、最近の浴室の多くはユニットバスですので後から手すりを取り付けることはほとんどの場合できないと考えたほうが良いでしょう。よって手すりは事前に必要と思われる部分に取り付けてしまいます。
昔ながらのモルタル下地にタイルを貼ったお風呂なら、後から手すりを付ける事が可能ですが、近年はタイルのお風呂でも下地はボード類の可能性がありますので注意が必要です。ボードの種類によってはしっかり手すりを取り付けられない場合があります。
最低限必要な手すりを用途別に説明します。
・歩行用に横型の手すりをつけます。入り口から洗い場に向かうための手すりです。
できればドアの左右にあると安心ですが、洗い場に向かう1本だけでもかまいません。
・洗い場からの立ち上がり用と浴槽出入用に、洗い場と浴槽の真ん中に縦型の手すりを付けます。最近ではこのタイプの手すりにシャワーフックが取り付けられるものもありますよ。
・浴槽から出る時の立ち上がり用に、L型の手すりを洗い場と反対側の浴槽の壁に付けます。
・浴槽で体が沈み込まないように身体を安定させるための手すりがあると安心です。L型手すりの下部を利用してもかまいません。最近は浴槽自体に小さい手すりが付いている商品も多いので、できればそういうタイプを選ぶと手すりだらけにならず浴室内がすっきり収まります。
・エプロンや椅子を利用して浴槽にはいる場合は、他にも手すりが必要になる可能性がありますが、要るか要らないかわからないものを最初から付ける必要もないでしょう。
さて、ここまで書いてきて、皆さんはどう思われましたか?今仮に40歳だとして、30年後の自分の姿や連れ合いの姿が目に浮かぶでしょうか?それに水廻りというものは傷みやすく一番汚れも目立つ所です。30年40年経った頃には、取替えも検討する時期になっているのではないでしょうか?
バリアフリー対策は一体いつやるとよいのでしょうか?
新築の時に全て準備万端がベスト?
それとも将来の改装を前提にする?
その辺りの話はまた次回に・・・

最近改築したご夫婦のお宅です。80歳で認知症のご主人を70代の奥さんが介護しながらの生活です。おじいちゃんはまだ1人でお風呂に入れるのが救いです。正面に見えるのがシャワーフック兼用の縦型手すり、左に見える歩行用の横型手すりは・・・・・・・やぱりタオル掛けになってしまいますね
つづく・・・・・
さて前回は、「将来自宅で高齢の親を介助するという前提で浴室の設計をする必要があるのか?」ということについて書きました。条件は我が家と同じく「家を建てるときに親と同居していない場合」でしたので、自宅での入浴介助はおろか、一般入浴すら困難な場合が多い。
よって、あまり過剰なバリアフリー設計は不要だろうということになりました。今回は条件を変えて、ずっと住み続けている自宅、もしくは今から新しく建てる自宅でどのように老後を暮らすか、そのためにはお風呂をどのようにしておけばよいかを考えてみたいと思います。
お風呂のバリアフリー対策を将来自分が自立して暮らしてゆくためのものととらえるのであれば、浴室の広さは1坪タイプ(160cm×160cm)で充分だと思います。これは最も一般的なサイズで畳2枚分の広さ、いざとなれば何とか介助者が付いて一緒に入ることもできるぎりぎりの寸法です。
最後まで自力で入浴するつもりでおり、もし介助が必要になった時にはしかるべき施設や訪問入浴サービスを利用する、そこまで腹をくくるのであれば、0.75坪タイプ(160cm×120cm)でもかまいません。
この広さなら、浴室の中で多少ふらついても壁に手を付いて転倒を防止することが可能です。出入り口の幅も、有効開口幅で65cmという一般的な折れ戸で対応できます。介助者に抱きかかえられての入浴や車椅子での入浴を想定しなければ、何も広い扉は必要ないのです。
浴槽の床からの高さは、当事者の体の状態によって多少変りますが、だいたい40cmくらいだと考えましょう。単に下半身が衰え足が上りにくくなっていたり、軽い麻痺があるが手が使えて立ったまま浴槽に足を入れることが可能なら、その高さはできるだけ低い方(約35センチ~40cm)が楽に入浴できます。
逆に痛みがあってどうしても足を上げることができなかったり、もう少し重度の麻痺があり自力でまたぎ越しができない場合は、エプロン(浴槽の縁に座れるよう、少し広くとった部分)や入浴介助用の椅子に腰掛けてから足を浴槽に入れることになりますが、この場合は逆にあまり低いと座ったり立ったりが困難になるので、浴槽の高さは40cm~45cmくらいが理想となります。
手すりは当事者の体の状態に応じて取り付けるのが一番良いのですが、最近の浴室の多くはユニットバスですので後から手すりを取り付けることはほとんどの場合できないと考えたほうが良いでしょう。よって手すりは事前に必要と思われる部分に取り付けてしまいます。
昔ながらのモルタル下地にタイルを貼ったお風呂なら、後から手すりを付ける事が可能ですが、近年はタイルのお風呂でも下地はボード類の可能性がありますので注意が必要です。ボードの種類によってはしっかり手すりを取り付けられない場合があります。
最低限必要な手すりを用途別に説明します。
・歩行用に横型の手すりをつけます。入り口から洗い場に向かうための手すりです。
できればドアの左右にあると安心ですが、洗い場に向かう1本だけでもかまいません。
・洗い場からの立ち上がり用と浴槽出入用に、洗い場と浴槽の真ん中に縦型の手すりを付けます。最近ではこのタイプの手すりにシャワーフックが取り付けられるものもありますよ。
・浴槽から出る時の立ち上がり用に、L型の手すりを洗い場と反対側の浴槽の壁に付けます。
・浴槽で体が沈み込まないように身体を安定させるための手すりがあると安心です。L型手すりの下部を利用してもかまいません。最近は浴槽自体に小さい手すりが付いている商品も多いので、できればそういうタイプを選ぶと手すりだらけにならず浴室内がすっきり収まります。
・エプロンや椅子を利用して浴槽にはいる場合は、他にも手すりが必要になる可能性がありますが、要るか要らないかわからないものを最初から付ける必要もないでしょう。
さて、ここまで書いてきて、皆さんはどう思われましたか?今仮に40歳だとして、30年後の自分の姿や連れ合いの姿が目に浮かぶでしょうか?それに水廻りというものは傷みやすく一番汚れも目立つ所です。30年40年経った頃には、取替えも検討する時期になっているのではないでしょうか?
バリアフリー対策は一体いつやるとよいのでしょうか?
新築の時に全て準備万端がベスト?
それとも将来の改装を前提にする?
その辺りの話はまた次回に・・・

最近改築したご夫婦のお宅です。80歳で認知症のご主人を70代の奥さんが介護しながらの生活です。おじいちゃんはまだ1人でお風呂に入れるのが救いです。正面に見えるのがシャワーフック兼用の縦型手すり、左に見える歩行用の横型手すりは・・・・・・・やぱりタオル掛けになってしまいますね

つづく・・・・・
2008年11月11日
超実践バリアフリー住宅事情③
お風呂編~バリアフリーにこだわりすぎて、ばーちゃんが見えていない私であった・・・
高齢の母を引き取って同居する時のために、私達は介助可能な広さと開口部を持った浴室を作りました。そして1年前に母と暮らし始めたのですが、私達の思い通りにはいかず、母はなかなかお風呂に入ってくれません。
一人暮らしができなくなった母は、アルツハイマーを発症しており上肢下肢とも衰えが目立ちました。しかし1年前はまだ介護度も低く、自力で入浴できる状態にあったはず。それに曲がりなりにも、高知で一人暮らしのうちは辛うじて自分で風呂にも入っていたのですが・・・・・
高齢者というのは認知症がなくても新しい環境に適応する事はかなりのストレスになります。ことによると環境の変化が認知症発症のきっかけになったりする・・・特に母の場合、昔から自分の生活習慣を頑なに守るタイプで、全くと言っていいほど新しい環境に順応しません。
加えて大変プライドが高く失敗を極端に恐れるため、使い慣れないものを触るのが不安なのです。お風呂に関しても、シャワーや水栓の使い方を失敗するのを恐れているのですが、別に我が家の水栓、特別なものではないのです。母の自宅についていたものとほとんどかわらないお風呂用のサーモスタット付きシャワー水栓。
同じものでも場所がかわると使えない、まして洗濯機や炊飯器のような電化製品は、機種が変ればもう絶対に使うことができません。また、生活に対する意欲がなくなり、身の回りを小奇麗に保つ事が難しくなる、これらは全て、アルツハイマー患者の特徴のようです。
「お母さん、お風呂にどうぞ」「こんな汚い年寄りは最後でかまん(かまわないの意)」
「お母さん、お風呂にどうぞ」「こんな食べてすぐには入れん」
「お母さん、みんなお風呂に入ったよ。気楽にゆっくりはいってね」
「もう遅い、疲れたから今日はいらん」
家族全員、食後に一服する暇も無く、ゆっくり浸かって疲れを癒すことも我慢して、今日こそはばーちゃんのために!と意気込んで風呂にいれようとした挙句このセリフをのたまわれると、さすがに頭の中が真っ白に・・・
しかし、ばーちゃん、最後に風呂入ったの何時だった?ってくらいですから私の気は焦るのです。
「お母さんはお昼たっぷり時間があるから、ゆっくりお昼にお風呂使ってよ」
「私はすごく冷え性じゃけ寝がけに入らんと風邪を引く」
「お母さん、ウチは家中暖かいから湯冷めはしないよ」
「私はデリケートじゃけどんなに暖こうても湯冷めするき」
こんな会話を繰り返すばかりでちっとも風呂に入ってくれません。要するに理由はなんでもいいんです。入りたくないっていうか、はなっから入る気がない、これもアルツハイマーという病気によるものでしょう。車椅子介助可能なやたらと広い浴室も、余計に母の入る気を削いだかもしれません。
そうこうしているうちに母の身体は衰えを増し、自力で入浴が不可能になりました。
「お母さん、手伝うからお風呂はいろうよ」
「一人でできるからええ」
「お母さん、膝が痛いのなら椅子に入ってお風呂に入ろうよ、洗ってあげるから」
「私はこうしてしゃがまんと体を洗えん!」
そうこうしているうちに、母は一月以上風呂に入らず二月以上洗髪をしませんでした。
そして私は思ったのです。
なにがなんでもディ・サービスを利用するのだ!
かくして12年前になんとな~く計画された
親を引きとったら自宅で介助して入浴させるはずである作戦
は、このように見事に頓挫したのであります。
検証・・・・・将来、高齢になった親を引き取ることを前提に、
入浴介助ができる浴室を作っておく必要はあるのか?
結論・・・・・不要である
理由・・・・・高齢者にとって見ず知らずの新しい環境に慣れることはかなりの労力を要する。
特に認知症の場合はプライドが邪魔をして子による介助を拒否する場合が多い。
対策・・・・・将来、親を引き取るつもりであるなら、認知症を発症する前に同居を始めるか、
定期的に来訪してもらって、器具類や生活に慣れてもらうことが必要。
家族が介助して入浴させる事はかなり困難と考えた方がよい。
特に認知症がある場合は、ディ・サービスや訪問入浴介助の利用が望ましい。
最後まで自立して入浴ができる可能性もあるので、そのための対策は必要。
大きさ~1坪タイプで充分である(1.6m×1.6m)
手すり~入り口から洗い場までの歩行用補助手すり
浴槽に出入りする時に体を支えるための手すり
浴槽内で入浴姿勢を安定させるための手すり
床 ~滑りにくく冷たさを感じにくい素材がよい。タイルは避ける。
浴槽 ~症状によって35cm~45cmくらいまで使いやすい高さは異なるが、
とりあえず床からの立ち上がりは汎用タイプの高さである40cmに。
最低限これだけのことをしておけば、かなりの場合に対応できるでしょう。広さにしても1坪タイプなら、狭いながらも辛うじて介護者が一緒に入れる広さでもあります。自立して最後まで自宅で入浴をするための浴室については次回に詳しく書きます。いずれにせよ、どのような場合も、脱衣所と浴室の暖房・保温は必要ですよ。


これは親子折戸です。よくある汎用タイプの浴室用折戸に、必要なときには開く事ができる子扉が付いています。3枚引き戸と同じように広い開口部をつくることが可能です。ご高齢の御婦人の自宅に取り付けましたが、こちらも一度も子扉が開かれることはありませんでした。

高齢の母を引き取って同居する時のために、私達は介助可能な広さと開口部を持った浴室を作りました。そして1年前に母と暮らし始めたのですが、私達の思い通りにはいかず、母はなかなかお風呂に入ってくれません。
一人暮らしができなくなった母は、アルツハイマーを発症しており上肢下肢とも衰えが目立ちました。しかし1年前はまだ介護度も低く、自力で入浴できる状態にあったはず。それに曲がりなりにも、高知で一人暮らしのうちは辛うじて自分で風呂にも入っていたのですが・・・・・
高齢者というのは認知症がなくても新しい環境に適応する事はかなりのストレスになります。ことによると環境の変化が認知症発症のきっかけになったりする・・・特に母の場合、昔から自分の生活習慣を頑なに守るタイプで、全くと言っていいほど新しい環境に順応しません。
加えて大変プライドが高く失敗を極端に恐れるため、使い慣れないものを触るのが不安なのです。お風呂に関しても、シャワーや水栓の使い方を失敗するのを恐れているのですが、別に我が家の水栓、特別なものではないのです。母の自宅についていたものとほとんどかわらないお風呂用のサーモスタット付きシャワー水栓。
同じものでも場所がかわると使えない、まして洗濯機や炊飯器のような電化製品は、機種が変ればもう絶対に使うことができません。また、生活に対する意欲がなくなり、身の回りを小奇麗に保つ事が難しくなる、これらは全て、アルツハイマー患者の特徴のようです。
「お母さん、お風呂にどうぞ」「こんな汚い年寄りは最後でかまん(かまわないの意)」
「お母さん、お風呂にどうぞ」「こんな食べてすぐには入れん」
「お母さん、みんなお風呂に入ったよ。気楽にゆっくりはいってね」
「もう遅い、疲れたから今日はいらん」
家族全員、食後に一服する暇も無く、ゆっくり浸かって疲れを癒すことも我慢して、今日こそはばーちゃんのために!と意気込んで風呂にいれようとした挙句このセリフをのたまわれると、さすがに頭の中が真っ白に・・・
しかし、ばーちゃん、最後に風呂入ったの何時だった?ってくらいですから私の気は焦るのです。
「お母さんはお昼たっぷり時間があるから、ゆっくりお昼にお風呂使ってよ」
「私はすごく冷え性じゃけ寝がけに入らんと風邪を引く」
「お母さん、ウチは家中暖かいから湯冷めはしないよ」
「私はデリケートじゃけどんなに暖こうても湯冷めするき」
こんな会話を繰り返すばかりでちっとも風呂に入ってくれません。要するに理由はなんでもいいんです。入りたくないっていうか、はなっから入る気がない、これもアルツハイマーという病気によるものでしょう。車椅子介助可能なやたらと広い浴室も、余計に母の入る気を削いだかもしれません。
そうこうしているうちに母の身体は衰えを増し、自力で入浴が不可能になりました。
「お母さん、手伝うからお風呂はいろうよ」
「一人でできるからええ」
「お母さん、膝が痛いのなら椅子に入ってお風呂に入ろうよ、洗ってあげるから」
「私はこうしてしゃがまんと体を洗えん!」
そうこうしているうちに、母は一月以上風呂に入らず二月以上洗髪をしませんでした。
そして私は思ったのです。
なにがなんでもディ・サービスを利用するのだ!
かくして12年前になんとな~く計画された
親を引きとったら自宅で介助して入浴させるはずである作戦
は、このように見事に頓挫したのであります。
検証・・・・・将来、高齢になった親を引き取ることを前提に、
入浴介助ができる浴室を作っておく必要はあるのか?
結論・・・・・不要である
理由・・・・・高齢者にとって見ず知らずの新しい環境に慣れることはかなりの労力を要する。
特に認知症の場合はプライドが邪魔をして子による介助を拒否する場合が多い。
対策・・・・・将来、親を引き取るつもりであるなら、認知症を発症する前に同居を始めるか、
定期的に来訪してもらって、器具類や生活に慣れてもらうことが必要。
家族が介助して入浴させる事はかなり困難と考えた方がよい。
特に認知症がある場合は、ディ・サービスや訪問入浴介助の利用が望ましい。
最後まで自立して入浴ができる可能性もあるので、そのための対策は必要。
大きさ~1坪タイプで充分である(1.6m×1.6m)
手すり~入り口から洗い場までの歩行用補助手すり
浴槽に出入りする時に体を支えるための手すり
浴槽内で入浴姿勢を安定させるための手すり
床 ~滑りにくく冷たさを感じにくい素材がよい。タイルは避ける。
浴槽 ~症状によって35cm~45cmくらいまで使いやすい高さは異なるが、
とりあえず床からの立ち上がりは汎用タイプの高さである40cmに。
最低限これだけのことをしておけば、かなりの場合に対応できるでしょう。広さにしても1坪タイプなら、狭いながらも辛うじて介護者が一緒に入れる広さでもあります。自立して最後まで自宅で入浴をするための浴室については次回に詳しく書きます。いずれにせよ、どのような場合も、脱衣所と浴室の暖房・保温は必要ですよ。


これは親子折戸です。よくある汎用タイプの浴室用折戸に、必要なときには開く事ができる子扉が付いています。3枚引き戸と同じように広い開口部をつくることが可能です。ご高齢の御婦人の自宅に取り付けましたが、こちらも一度も子扉が開かれることはありませんでした。
2008年11月10日
超実践バリアフリー住宅事情②
お風呂編~お風呂のバリアフリーはどこまで必要?
浴室に求められるバリアフリーって、何を思い浮かべますか?
手すり、またぎやすい浴槽、介助しやすいスペース、滑りにくい床材、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床、浴室と脱衣所を暖かくする工夫・・・・・
イロイロ出てきますよね。
手すり、またぎやすい(入りやすい)浴槽・・・これは、齢をとったり体が不自由になっても、自力で入浴できるための工夫ですね。では、介助しやすいスペース、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床は?こちらは自力で入浴できなくなった時、自宅で介助者の力を借りながら入浴するための工夫です。
滑りにくい床材や、浴室や脱衣所を暖かくすること、これはいずれの場合にも必要な条件。
このように、一見バリアフリー仕様という事で掲げられている内容には、
性質の違うものがごちゃ混ぜになっていることがあります。
体が弱ってきても自立して入浴ができる人にとっては、立ち上がりや移動の安全を確保してくれる手すりが要所要所にあり、入りやすい浴槽と滑りにくい床があれば充分。介助者が入れるほどの広いスペースはかえって入浴の妨げになります。
かなり早い時期から体に不自由なところが出てきて、入浴介助を頼みながら長い年月を自宅で暮らすことになる可能性が高い人には、広い浴室と車椅子を乗り入れられるための広い開口部やフラットな床が必要になるでしょう。こちらはどちらかというと、御本人のためというより介助者のためのものです。
30代、40代で自宅を建てようと思った時、将来を先読みしてお風呂のプランを立てることはかなり難しい・・・まず、このバリアフリー対策は自分達のためのものか?それとも同居する親のためのものか?親とは既に同居しているのか?それとも、介護が必要になってから引き取るのか?
これらの条件の違いで、バリアフリー対策はちょっとずつ違ったものになってくるのです。12年前に自宅を建てた私達は、いずれどちらかの、もしくは両方の親を引き取る事を想定していました。浴室は広く取り、開口部は3枚引きで車椅子の乗り入れもOK、ユニットバスではないので手すりは必要になれば必要な部位に取り付け可能。
こうして1年前、私の母が我が家にやってきました。
そして一緒の生活が始まったのですが、なかなか私が思った通りには事が進まない・・・
ことお風呂に関しては、全くといっていいほど拒否をされてしまったのでありました。
つづく・・・・・

バリアフリー仕様という事でよく使われている3枚引き戸です。一般的な6尺(約1.8m、実寸で約1.6m)の開口部で95cm以上開きますから、車椅子の出入りがしやすいのです。が・・・・・介護を拒否するウチのばーちゃん、使用すること未だ無し・・・・・
浴室に求められるバリアフリーって、何を思い浮かべますか?
手すり、またぎやすい浴槽、介助しやすいスペース、滑りにくい床材、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床、浴室と脱衣所を暖かくする工夫・・・・・
イロイロ出てきますよね。
手すり、またぎやすい(入りやすい)浴槽・・・これは、齢をとったり体が不自由になっても、自力で入浴できるための工夫ですね。では、介助しやすいスペース、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床は?こちらは自力で入浴できなくなった時、自宅で介助者の力を借りながら入浴するための工夫です。
滑りにくい床材や、浴室や脱衣所を暖かくすること、これはいずれの場合にも必要な条件。
このように、一見バリアフリー仕様という事で掲げられている内容には、
性質の違うものがごちゃ混ぜになっていることがあります。
体が弱ってきても自立して入浴ができる人にとっては、立ち上がりや移動の安全を確保してくれる手すりが要所要所にあり、入りやすい浴槽と滑りにくい床があれば充分。介助者が入れるほどの広いスペースはかえって入浴の妨げになります。
かなり早い時期から体に不自由なところが出てきて、入浴介助を頼みながら長い年月を自宅で暮らすことになる可能性が高い人には、広い浴室と車椅子を乗り入れられるための広い開口部やフラットな床が必要になるでしょう。こちらはどちらかというと、御本人のためというより介助者のためのものです。
30代、40代で自宅を建てようと思った時、将来を先読みしてお風呂のプランを立てることはかなり難しい・・・まず、このバリアフリー対策は自分達のためのものか?それとも同居する親のためのものか?親とは既に同居しているのか?それとも、介護が必要になってから引き取るのか?
これらの条件の違いで、バリアフリー対策はちょっとずつ違ったものになってくるのです。12年前に自宅を建てた私達は、いずれどちらかの、もしくは両方の親を引き取る事を想定していました。浴室は広く取り、開口部は3枚引きで車椅子の乗り入れもOK、ユニットバスではないので手すりは必要になれば必要な部位に取り付け可能。
こうして1年前、私の母が我が家にやってきました。
そして一緒の生活が始まったのですが、なかなか私が思った通りには事が進まない・・・
ことお風呂に関しては、全くといっていいほど拒否をされてしまったのでありました。
つづく・・・・・

バリアフリー仕様という事でよく使われている3枚引き戸です。一般的な6尺(約1.8m、実寸で約1.6m)の開口部で95cm以上開きますから、車椅子の出入りがしやすいのです。が・・・・・介護を拒否するウチのばーちゃん、使用すること未だ無し・・・・・
2008年11月09日
超実践バリアフリー住宅事情①
前置~今さらバリアフリー住宅もないもんだ
バリアフリーという言葉が流行りだした頃はまだ、世の中にはいろんなバリアが溢れていた。
障がいがある人や高齢者や小さな子ども連れは外を出歩くな!ってな勢いだった。
そんな中、日本でも17~18年前から少しずつバリアを減らそうという気運が高まり変わり始めた。
公共物に対しては法的な規制もでき、一般住宅では最近、段差が無いのは当たり前になった。
とはいえ、バリアってのは人によってそれぞれ違う訳で、全ての人にOK!っていう条件はあまりない。
それでも、なるべく多くの人に対応しようという動きは今、ユニバーサルデザインという言葉で表されている。











なんてエラく長くてコムズカしい前置きになりました
今から何が言いたいのかといいますと、
かつてバリアフリー住宅として建てられた家ってのは、実際に何がバリアフリーだったのか?
そしてそれは本当に役に立っているのか?その辺りを検証してみたいと思ったのです。
実際に障がいを持っていて車椅子の生活をしている方の住宅とか、お年寄り夫婦の住宅とか、
ターゲットが明確な場合の注文住宅は目的を果たしているはずです。
しかし、必要に迫られた訳ではなく、とりあえず将来を見据えてってことでバリアフリー仕様になっている住宅って、意外と無駄な部分が多い!
この辺りの失敗談や、やっぱりやっておいて正解だった!ってな部分を、
自宅や自分が設計した住宅を例に記録しておこうと思うのです。
何せ我が家には今、バリアフリー住宅検証に最適な人材であるばーちゃんが居るのですから
私は全部解っているつもりでやっていたけど、お年寄りに対する認識は実に甘かった!
私が網羅していると思っていた知識は、あくまでも物理的な条件であって、
認知症がある場合の思いがけない行動は私の想像を遥かに超えていました。
そんな私のビックリ体験を、部屋の部位ごとにまとめてゆこうと思っています。
つづく

バリアをなくす所は部屋の段差やトイレばかりじゃありません。家の中の温度のバリアをなくすこと、これがとても重要。お年寄りの脳血管障害防止、カビ・結露の防止につながります。温か~い住宅が一番!(ネコが一番知っている?)
バリアフリーという言葉が流行りだした頃はまだ、世の中にはいろんなバリアが溢れていた。
障がいがある人や高齢者や小さな子ども連れは外を出歩くな!ってな勢いだった。
そんな中、日本でも17~18年前から少しずつバリアを減らそうという気運が高まり変わり始めた。
公共物に対しては法的な規制もでき、一般住宅では最近、段差が無いのは当たり前になった。
とはいえ、バリアってのは人によってそれぞれ違う訳で、全ての人にOK!っていう条件はあまりない。
それでも、なるべく多くの人に対応しようという動きは今、ユニバーサルデザインという言葉で表されている。











なんてエラく長くてコムズカしい前置きになりました

かつてバリアフリー住宅として建てられた家ってのは、実際に何がバリアフリーだったのか?
そしてそれは本当に役に立っているのか?その辺りを検証してみたいと思ったのです。
実際に障がいを持っていて車椅子の生活をしている方の住宅とか、お年寄り夫婦の住宅とか、
ターゲットが明確な場合の注文住宅は目的を果たしているはずです。
しかし、必要に迫られた訳ではなく、とりあえず将来を見据えてってことでバリアフリー仕様になっている住宅って、意外と無駄な部分が多い!
この辺りの失敗談や、やっぱりやっておいて正解だった!ってな部分を、
自宅や自分が設計した住宅を例に記録しておこうと思うのです。
何せ我が家には今、バリアフリー住宅検証に最適な人材であるばーちゃんが居るのですから

私は全部解っているつもりでやっていたけど、お年寄りに対する認識は実に甘かった!
私が網羅していると思っていた知識は、あくまでも物理的な条件であって、
認知症がある場合の思いがけない行動は私の想像を遥かに超えていました。
そんな私のビックリ体験を、部屋の部位ごとにまとめてゆこうと思っています。
つづく

バリアをなくす所は部屋の段差やトイレばかりじゃありません。家の中の温度のバリアをなくすこと、これがとても重要。お年寄りの脳血管障害防止、カビ・結露の防止につながります。温か~い住宅が一番!(ネコが一番知っている?)
タグ :バリアフリー住宅