2008年11月09日

超実践バリアフリー住宅事情①

前置~今さらバリアフリー住宅もないもんだ

バリアフリーという言葉が流行りだした頃はまだ、世の中にはいろんなバリアが溢れていた。
障がいがある人や高齢者や小さな子ども連れは外を出歩くな!ってな勢いだった。
そんな中、日本でも17~18年前から少しずつバリアを減らそうという気運が高まり変わり始めた。

公共物に対しては法的な規制もでき、一般住宅では最近、段差が無いのは当たり前になった。
とはいえ、バリアってのは人によってそれぞれ違う訳で、全ての人にOK!っていう条件はあまりない。
それでも、なるべく多くの人に対応しようという動きは今、ユニバーサルデザインという言葉で表されている。

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なんてエラく長くてコムズカしい前置きになりましたicon10今から何が言いたいのかといいますと、
かつてバリアフリー住宅として建てられた家ってのは、実際に何がバリアフリーだったのか?
そしてそれは本当に役に立っているのか?その辺りを検証してみたいと思ったのです。

実際に障がいを持っていて車椅子の生活をしている方の住宅とか、お年寄り夫婦の住宅とか、
ターゲットが明確な場合の注文住宅は目的を果たしているはずです。
しかし、必要に迫られた訳ではなく、とりあえず将来を見据えてってことでバリアフリー仕様になっている住宅って、意外と無駄な部分が多い!

この辺りの失敗談や、やっぱりやっておいて正解だった!ってな部分を、
自宅や自分が設計した住宅を例に記録しておこうと思うのです。
何せ我が家には今、バリアフリー住宅検証に最適な人材であるばーちゃんが居るのですからicon94

私は全部解っているつもりでやっていたけど、お年寄りに対する認識は実に甘かった!
私が網羅していると思っていた知識は、あくまでも物理的な条件であって、
認知症がある場合の思いがけない行動は私の想像を遥かに超えていました。
そんな私のビックリ体験を、部屋の部位ごとにまとめてゆこうと思っています。

つづく

超実践バリアフリー住宅事情①


バリアをなくす所は部屋の段差やトイレばかりじゃありません。家の中の温度のバリアをなくすこと、これがとても重要。お年寄りの脳血管障害防止、カビ・結露の防止につながります。温か~い住宅が一番!(ネコが一番知っている?)

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この記事へのコメント
私の、お店もバリアフリーにしてるつもりですが
狭い店内ですので難しいです。
Posted by 黒雷鳥黒雷鳥 at 2008年11月09日 12:58
うん。温度差は重要だと思う。それとか‥。うちは和だから 壁が土壁 トイレのタイルも□ 床は□に柄入り‥。汚した時 隙間に入り込んで大変だった‥。何しろ汚れても簡単に拭けるのがいいなぁと感じた‥。
Posted by 桃 at 2008年11月09日 13:14
こんにちは。

時々ありえないバリアフリーが存在します。
スロープの先に階段とか、スロープ自体が狭くて、B型ベビーカーで精一杯じゃないの?ってところとか、スロープの坂が恐ろしく急勾配だったりとか(汗)
施工自体のノウハウも左右されるんじゃないかな?って思います・・・
せめて公共施設は統一して欲しいですよね。
Posted by o-chan at 2008年11月09日 20:32
■黒雷鳥さん

雷鳥屋さんの入り口は段差を感じることなく、一般の人にとっても出入りしやすいですよ^^
既設建物を利用して店舗にする場合、全面改装するのはとても大変。なにせ、予算のあることですもんね。
それに、車椅子がすれ違える幅を確保しようって思うと商品が置けなくなってしまう。それに、バリアフリーって車椅子対応ってばかりじゃないですしね。

公共施設やそれに準ずる特定の建築物でなければ、法的にバリアフリーにする努力も義務も求められないけど、心意気でなるべく多くの人に来てもらえるようなお店にしたいですよね。雷鳥屋さんからはそれが伝わってきますよ。

ハード面で最大に努力して補えない部分は、ソフト面でカバー、心のバリア取り除いて、多くの人が当たり前にサポートできるようになれば、多くの困難が解消されると感じています。

■桃ちゃん

飛騨ではヒートショック、お年寄りにとってはまさに死活問題だよね。
さすがに今はほとんど見ないけど、真冬に外のトイレなんて、私でも死んじゃいそうだよ・・・@@;

内装材は大事。特に排泄絡んでくると、きれい事言っていられない。
私は内装材にはなるべく天然の素材使うけど、水周りはビニール系のもの勧める。特にお年寄りのいる家庭にはね。

介護が一段落した時に、気軽に壁紙や床が張り替えられるようにアドバイスする。こびりついたシミ見て、色んな事思い出して泣かない様にしてあげたい、そう思います。

■ o-chan

うん、情けないかな設計者や施工者が、あまりにも知識なさ過ぎるのが原因。由々しき事です。でも、体験してないと、何がよろしくて何が悪しき事なのか、解らないのも現実。だいたい車椅子に乗った事もなければ自分の子どものベビーカー押したこともないような人が多い・・・(-_-;)

公共施設建設の場合は、まず当事者の意見を積極的に聞くことが大切なはずなんだけど、当事者はとかくカヤの外に置かれたままで工事が始まってしまい、危険な通路や使えない設備が蔓延してます。

車椅子の友人がコツコツ検証していく運動をしているんだけど、まだまだ世論に訴えかけるだけの力がありません(>_<)
頑張らなくては・・・・・
Posted by やまね at 2008年11月09日 23:17
さすがプロ
早く知ってれば あんな苦労しなくて済んだ
やまねさん 今 スンゴクためになってるよね‥。モチロン大変さはやまねさんにしかワカランケド 実際問題に直面してる‥。今からあるから、ある意味、今後も今以上に 相手側に立ったお仕事に生かせる‥。日本語難しい今 会議の議事録ずっと打ってたから 普段より頭が変‥。言わんとすること‥。わからんかな‥。
Posted by 桃 at 2008年11月10日 00:03
素晴らしいです!!
私は新築するならやまねさん!!に決めています。
家にも介護を必要とする年寄り予備軍が一人おりますので・・。
バリアフリーって段差なくすとか手すりつけるとか・・。そんな事に囚われがちですもんね・・。
予防介護の観点から・・あればいいと言うもんでもないらしいです。
極端な話手すりがあるからないと歩けなくなると言う考え方もあるようで・・・。なんでもみえるようにするのも・・プライバシーの観点から外れるし・・。
いろんな事教えてください!!
勉強になります。
Posted by 弟子 at 2008年11月10日 17:21
■桃ちゃん

そうなの・・・ばーちゃんにウンザリしながらも、教えられてること一杯。
私、これまでは頭デッカチで仕事してたってつくづく思いました。
かならずや、今後の仕事に生かしてやる!そう思うよ。

言わんとすること、ちゃんと伝わってるよ^^v大丈夫!
議事録つけるの、ブログやメールみたいな口語表現ではダメダメ^^;
普段使い慣れん言葉使うのって疲れるよね!?
頭の体操だと思って頑張れ!(爆 

■お弟子さん

こちらこそ!
お年寄りの行動パターン、バリアフリー読本のマニュアルとは違いすぎ!@@;
お年寄りの多様性、教えてくれるのはお弟子さんや桃ちゃん^^
勉強になります!いや、真摯な気持ちで教えられてるよ。

今から15~6年前の事だけどね、バリアフリーの廊下=車椅子が通れる広さって思い込んでいた。友人のOT(他県の人です)から、「迷惑なんだよね~、実際・・・あのね、自立歩行できる人、昔ながらの狭い廊下なら、手すりもいらないの。壁や下駄箱に手付いて歩けるの。最近のちょっと解った風の設計士、まだ車椅子でもないのにやたら廊下広くして無駄に手すりつけて、なんにも解ってないよ、かえって不便なんだから・・・」って話聞いて目からウロコでした。

お弟子さん^^いつもありがとう。
今夜はしみじみと、ゆっくり、やすんでね^^
Posted by やまね at 2008年11月11日 00:56
 
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