2008年11月22日
超実践バリアフリー住宅事情⑥
「バリアフリー住宅」と言ってはみたが・・・
ここまで「超実践バリアフリー住宅事情」なんてタイトルで書いてきましたが、正確には「高齢者対応住宅事情」に的を絞って書いてきました。バリアフリー住宅をタイトルにあげることには少々語弊がありますね、すみません。今回はこの点に的を絞った内容にしようと思います。
もちろん、加齢による体の変化は色々な身体的精神的障がいをもたらすわけで、一般の障がいをお持ちの方との共通点も多いですが、全体的なバリアフリーに対する考え方は、また時を改めて書いてみたいと思っています。
今から15~6年前になりますが、友人の作業療法士(他県の人です)から次のように言われた事があります。「最近やたらとバリアフリー設計だといって、むやみに廊下もトイレも広くする建築士がいるんだよね。高齢者だバリアフリーだといったって、かならずしも全面介助が前提とは限らないのに・・・」
「当事者が自立して暮らしてゆくためには、住み慣れた自宅で最低限の設備があれば充分。廊下だって狭いところに本棚やゲタ箱があればそれに手を突いて伝い歩きできる。その本棚が倒れないように固定してやれば、充分に手すり代わりになる。やたらと広い所でつかまるものがなくて転んだら余計に危ないよ。」
ごもっとも!
これは、どこにバリアフリーの視点をもってゆくか定まらないうちに、やたらと知識だけを盛り込んだ設計をしてしまう建築屋が陥る罠を、なかなか鋭く指摘しています。超実践バリアフリー住宅事情③でも書いたとおり、私もしっかりはまりました。この話をちゃんと聞いた後にも関わらずです。
現存する公共建築物にもこのような例が横行しておりまして、車椅子の友人miniさんは日々嘆いています。計画・立案・設計に携わる関係諸氏は、ぜひ当事者の意見に耳を傾けてくださいね。
次回からはトイレ編がはじまります。とは言っても、我が家のトイレは来月改装予定。
居室から数歩で行ける距離のトイレにすら行けなくなったばーちゃんのために、
介護保険と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用するつもりで計画しています。
ハード面での話題以外に、改修に伴うあらゆるソフト上の困難
(早い話が「お役所・書類・杓子定規」の三題話ですな)が
リアルタイムに御報告できる事でしょう
↑喜んでる場合じゃないです

写真の本は、よくありがちなHOW TO DOバリアフリー読本とは違い、バリアフリーデザインに美しさと機能性をも追求をした高い理念で書かれた本です。著者の「バリア・フリー研究会」は、まだバリアフリーという言葉が世間に認知されていない頃から活動を始め、先駆的な役割を果たした団体ですよ。
ここまで「超実践バリアフリー住宅事情」なんてタイトルで書いてきましたが、正確には「高齢者対応住宅事情」に的を絞って書いてきました。バリアフリー住宅をタイトルにあげることには少々語弊がありますね、すみません。今回はこの点に的を絞った内容にしようと思います。
もちろん、加齢による体の変化は色々な身体的精神的障がいをもたらすわけで、一般の障がいをお持ちの方との共通点も多いですが、全体的なバリアフリーに対する考え方は、また時を改めて書いてみたいと思っています。
今から15~6年前になりますが、友人の作業療法士(他県の人です)から次のように言われた事があります。「最近やたらとバリアフリー設計だといって、むやみに廊下もトイレも広くする建築士がいるんだよね。高齢者だバリアフリーだといったって、かならずしも全面介助が前提とは限らないのに・・・」
「当事者が自立して暮らしてゆくためには、住み慣れた自宅で最低限の設備があれば充分。廊下だって狭いところに本棚やゲタ箱があればそれに手を突いて伝い歩きできる。その本棚が倒れないように固定してやれば、充分に手すり代わりになる。やたらと広い所でつかまるものがなくて転んだら余計に危ないよ。」
ごもっとも!
これは、どこにバリアフリーの視点をもってゆくか定まらないうちに、やたらと知識だけを盛り込んだ設計をしてしまう建築屋が陥る罠を、なかなか鋭く指摘しています。超実践バリアフリー住宅事情③でも書いたとおり、私もしっかりはまりました。この話をちゃんと聞いた後にも関わらずです。
現存する公共建築物にもこのような例が横行しておりまして、車椅子の友人miniさんは日々嘆いています。計画・立案・設計に携わる関係諸氏は、ぜひ当事者の意見に耳を傾けてくださいね。
次回からはトイレ編がはじまります。とは言っても、我が家のトイレは来月改装予定。
居室から数歩で行ける距離のトイレにすら行けなくなったばーちゃんのために、
介護保険と高山市の高齢者住宅改造助成制度を利用するつもりで計画しています。
ハード面での話題以外に、改修に伴うあらゆるソフト上の困難
(早い話が「お役所・書類・杓子定規」の三題話ですな)が
リアルタイムに御報告できる事でしょう

↑喜んでる場合じゃないです


写真の本は、よくありがちなHOW TO DOバリアフリー読本とは違い、バリアフリーデザインに美しさと機能性をも追求をした高い理念で書かれた本です。著者の「バリア・フリー研究会」は、まだバリアフリーという言葉が世間に認知されていない頃から活動を始め、先駆的な役割を果たした団体ですよ。
Posted by やまね at 10:12│Comments(0)
│バリアフリーの話