2008年11月10日

超実践バリアフリー住宅事情②

お風呂編~お風呂のバリアフリーはどこまで必要?

浴室に求められるバリアフリーって、何を思い浮かべますか?
手すり、またぎやすい浴槽、介助しやすいスペース、滑りにくい床材、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床、浴室と脱衣所を暖かくする工夫・・・・・
イロイロ出てきますよね。

手すり、またぎやすい(入りやすい)浴槽・・・これは、齢をとったり体が不自由になっても、自力で入浴できるための工夫ですね。では、介助しやすいスペース、車椅子でも入れる広いドアと段差の無い床は?こちらは自力で入浴できなくなった時、自宅で介助者の力を借りながら入浴するための工夫です。

滑りにくい床材や、浴室や脱衣所を暖かくすること、これはいずれの場合にも必要な条件。
このように、一見バリアフリー仕様という事で掲げられている内容には、
性質の違うものがごちゃ混ぜになっていることがあります。

体が弱ってきても自立して入浴ができる人にとっては、立ち上がりや移動の安全を確保してくれる手すりが要所要所にあり、入りやすい浴槽と滑りにくい床があれば充分。介助者が入れるほどの広いスペースはかえって入浴の妨げになります。

かなり早い時期から体に不自由なところが出てきて、入浴介助を頼みながら長い年月を自宅で暮らすことになる可能性が高い人には、広い浴室と車椅子を乗り入れられるための広い開口部やフラットな床が必要になるでしょう。こちらはどちらかというと、御本人のためというより介助者のためのものです。

30代、40代で自宅を建てようと思った時、将来を先読みしてお風呂のプランを立てることはかなり難しい・・・まず、このバリアフリー対策は自分達のためのものか?それとも同居する親のためのものか?親とは既に同居しているのか?それとも、介護が必要になってから引き取るのか?

これらの条件の違いで、バリアフリー対策はちょっとずつ違ったものになってくるのです。12年前に自宅を建てた私達は、いずれどちらかの、もしくは両方の親を引き取る事を想定していました。浴室は広く取り、開口部は3枚引きで車椅子の乗り入れもOK、ユニットバスではないので手すりは必要になれば必要な部位に取り付け可能。

こうして1年前、私の母が我が家にやってきました。
そして一緒の生活が始まったのですが、なかなか私が思った通りには事が進まない・・・
ことお風呂に関しては、全くといっていいほど拒否をされてしまったのでありました。

つづく・・・・・

超実践バリアフリー住宅事情②


バリアフリー仕様という事でよく使われている3枚引き戸です。一般的な6尺(約1.8m、実寸で約1.6m)の開口部で95cm以上開きますから、車椅子の出入りがしやすいのです。が・・・・・介護を拒否するウチのばーちゃん、使用すること未だ無し・・・・・

スポンサーリンク

同じカテゴリー(バリアフリーの話)の記事画像
闘う住宅改修@介護保険③
闘う住宅改修@介護保険②
闘う住宅改修@介護保険①
超実践バリアフリー住宅事情⑥
超実践バリアフリー住宅事情⑤
超実践バリアフリー住宅事情④
同じカテゴリー(バリアフリーの話)の記事
 闘う住宅改修@介護保険④ (2008-12-08 14:17)
 闘う住宅改修@介護保険③ (2008-12-04 14:49)
 闘う住宅改修@介護保険② (2008-12-02 14:57)
 闘う住宅改修@介護保険① (2008-11-29 12:47)
 超実践バリアフリー住宅事情⑥ (2008-11-22 10:12)
 超実践バリアフリー住宅事情⑤ (2008-11-20 14:49)

この記事へのコメント
「う~~ん」と考えてしまいますね。
「できる限り自立を持続」を前提にするのか、
そうじゃなくて「介助」を前提にするのかによって造りは変わりますよね。
まず第一はご本人やその家族のご希望だとは思いますが、
私は正直、入浴等に全面的に介助が必要な場合は、
デイサービス等を利用された方がいいのではないかと思っています。
いろんな意味で「合う施設」があるかどうかというのも難しいところではありますが…(汗)

お風呂断固拒否!という方はけっこういらっしゃるみたいですね。
「だって私はもう入ったし!きれいだし!」みたいな…
私も前職の(入浴介助もやっていた)時には杖で叩かれたりしました…
憎めない素敵なおばあちゃまでしたけどね…(^^;。
Posted by ふれっち at 2008年11月10日 10:38
先日、あるお宅でおばあちゃんの介護保険で手摺をお風呂につけました。
でも、そのおばあちゃんは通所施設でお風呂にはいるらしく、実際に使うのはその家族のおじさんだったみたい。
自分が介護の経験ないし、身近にいないとなかなか勧めにくいですし難しいですね。
Posted by ようさん at 2008年11月10日 11:13
う~ん・・・・・
写真で見ると、とっても広くて良さそうなのに・・・
実際、個人に当てはめると難しいものがあるんですね。
ウチは私が小学校の時に建てた家なので(汗)、両親が介助を必要になったとき、どうしたらいいのか。
行き当たりバッタリになりそう(^^;
Posted by パレット at 2008年11月10日 19:52
■ふれっちさん

おっしゃるとおり!
その辺りの事はこの続きにでてきます。
私、ばーちゃんの入浴介助はあきらめました。週3回のDSでばーちゃんの風呂はまかなってもらってます。
自分の体験踏まえて、今後の連載で詳しくアドバイスしようと思います。
くれぐれも、「余分なことに金使うな~」ってね^^

で、合う施設ってのは街中で選択肢が沢山ある場合の話・・・
ばーちゃんの場合、合うも合わんもなく地域のDSへ行ってもらってます。
文句言いながらも、お風呂へ入ると気持ちが良いようです^^;

■ようさん!お久しぶりです^^

良くある話ですよね(汗
介護保険で申請するのも色々と苦労しますよね^^;

この場合、ケアマネさんや家族の方が確信犯だったのか、それともウチと同じでばーちゃんの行動が先読みできなかったのか・・・・・判断に迷うところですね^^;

でも、ま、このおじさんだって若くないわけで実際手すりがあるととっても良いみたいな訳で、法的にはまずいかもしれないけど、予防医学的な観点からみると、このおじさんの骨折を未然に防げたかもしれない訳で、そうすれば医療費も介護保険料も最終的には倹約できた訳で・・・・・
な~んて思っておきませう~^^これでいいのだー(爆

■パレットさん

パレットさん家の御両親は、長い間この家で過ごされた方。ウチのばーちゃんとは違うから、きっと少し工夫したり改造したりすれば、ずーっと慣れた今のお風呂で過ごされますよ。

もし、自力で入浴できないくらいの障がいを持たれた場合は、やはりDSや入浴介助サービスを受けたほうがいいですよ。
仕事しながら介助を続けるのは限界がありますもん。
お元気な今のうちから、将来のこと色々想定して、考えておくといいんですよね、本当は。
でも、「ばーちゃん、もし体が不自由になったら、ディ・サービスでお風呂はいってくれる?」なんて、実際は聞けないですよね・・・・・(汗
Posted by やまね at 2008年11月11日 01:21
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。