2007年05月17日

シックハウスとかアレルギーとかエコロジーとか・・・

1ヶ月くらいシックハウス関連の話を書いてきて、なんとなくまとめも無しに終わってしまっっている。まとめようと思っても一括りに出来ない問題だから難しい。とりあえず今まで書いてきたことは一般論だと思ってください。人によって、住む場所によって、求められる条件は変わってくる。

快適な住環境というのは人それぞれだ。臭いに敏感で強い香りを好まない人は、なるべく低VOCの家づくりを心がければよいし、木の香りに包まれているとリラックスできる人は、内装にたっぷり木を使えばよい。極度の過敏症でなければ、無理に天然素材だけにこだわらなくても、F☆☆☆☆クラスの建材を使えばシックハウス症候群化学物質過敏症をおこす事はないだろう。

まとめというか、大切だと思うポイントをもう一度書き出してみたいと思う。

人工的なものと天然のもの
・天然素材だからと言って全てを過信しない。天然の成分の中にも有害なものはある。
・人工的に作られたものは全て悪というのも間違い。充分に考慮された製品もある。
・とは言っても、大体において天然由来のものの方が安全性は高いので、建材としてのアドバンテージは高い。

規制後の建材について
・まだまだ法整備が完全ではないが、以前に比べると圧倒的に改善されている。
・一つ一つの基準は厳しくなったが、F☆☆☆☆製品でも使いすぎれば許容値を越える可能性があるし、ホルムキャッチャーを使ってF☆☆☆☆を取った製品もあるので、まだ注意が必要。
・そんなこともあるので、室内全てに新建材を使用するのは避けたほうが無難。

まぎらわしいものに注意
・木の壁や床、左官屋さんが塗ってくれる壁だからといって、全て天然という訳ではない。表面は木や土に見えても、貼物だったり混ぜ物がしてあったりする場合も多い。
・だから使う材料に関しては、設計者や施工者から充分に説明してもらう事が大切。
・ただし、貼物や混ぜ物が全て悪いわけではない。安全性が確認できれば問題はない。

シックハウス以外に考える事
・アレルギー体質の人は、天然・自然素材を使用する時、充分考慮すること。
シックハウス以外にも体調を崩す原因はいくらでもある。ダニ・カビによるアレルギーもそのひとつ。持ち込んだ家具や日用品による被害もある。
・いずれにせよ、換気は大切。あまりにダニ・カビがひどい場合には、断熱工事が必要な事も。

シックハウスとかアレルギーとかエコロジーとか・・・

ひとつ覚えておいて欲しいことがある。もし、エコロジー思考で、なるべく自然素材で出来た家に住みたいと思ったら、それなりの覚悟でメンテナンスに心がけて欲しい。何故これほどまでに化学製品や工業製品が幅広く使われるようになったのか?それは、使いやすいからだ。汚れにくい、腐りにくい、安い・・・

地球への環境負荷を考えると、なるべく地域の天然素材を使って家を建てるにこしたことはない。でも、全ての人が完全なメンテナンスを行える訳ではない。自信のない人は、必要なところに安全性の高い工業製品や化学製品を取り入れていけばよい。とにかく長く住み続ける家を作る事が大切だ。それが何より地球への環境負荷を減らすことにつながるのだから。

とりあえず、シックハウス、終わりです。
またおりをみて、別のこと書きたいと思います。多分「断熱と窓の話」「間取りの話」「木と構造の話」等になると思います。気が向いたら読んでください。

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この記事へのコメント
同感です、ITに依って学会に提出出来るような論文さえ
簡単に閲覧出来る環境に成った、昨今ではその奥に潜んでいる、
言いたい事、隠したい事を見抜く力が必要ですね。
人間が書き込んだ以上は、主観が介在している事を加味して、
鵜呑みにしない事が必要かと・・・
Posted by FROG EYES at 2007年05月17日 19:02
本当に難しい時代になりましたね。モノが溢れ情報が溢れ、何を選択するか、プロでも大変。家を建てようと思っている人達は迷うだろうなと思います。

いろんな人がいて、いろんな方法がある。どんな選択をしてもいいけど、最低限、嘘か本当か見分ける目を持ちたいと思います。
Posted by やまね at 2007年05月17日 20:23
東洋医学の究極の目的は「未病を治す」、つまり病気を未然に防ぐことです。医療に携わる者は(特に現代医学では)ともすると「已病を治す」事だけを医療と思いがちですが、これからは医療コストという面からも「未病を治す」という思想が重要になってくると思います。
やまねさんのシックハウスシリーズを読んで、病気にならないための家造りというのは、まさに「未病を治す」事であると感服した次第であります。
Posted by ネコ先生 at 2007年05月17日 21:50
ネコ先生こんばんは
思ったことや感じたことを書き綴っただけなので、お褒め頂くと恥ずかしく恐縮です。

建築業界でも、「己のためにだけではなく、地球のために健全な建築物を」という発想が広がりつつあると感じています。きっと、農業や食の業界でもそうなりつつあると信じたいです。

家族全員で世話になっている整体師さんも、「整形外科では完全に(身体のどこかが)壊れてしまわないと診療の対象にならない。本来は完全に壊れてしまう前に(整体とかマッサージとかで)手当てできるシステムが必要なのに」と言っていました。

医療の世界でも建築の世界でも、本当にコスト面から「未病を治す」発想をもって、未来への資産につなげていきたいものですね。

ところで、話はかわりますが、
FROG EYES さん ネコ先生、中山中華さんの肉まん!
食べねばなりませぬ!!!
Posted by やまね at 2007年05月17日 23:54
ワタクシはもうそのつもりで準備してますが、FROG EYESさんにはPoisonBombになりかねないよーで(^^;)。
Posted by ネコ先生 at 2007年05月18日 10:41
やっぱりPoison Bombかなぁ・・・
久方ぶりの心の栄養って訳にいかないかなぁ・・・

う~ん、本当の栄養になっちゃうとまずいし、無責任な事は言えませぬなぁ・・
Posted by やまね at 2007年05月18日 18:30
 
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