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2008年12月04日

闘う住宅改修@介護保険③

高山市住宅改造助成事業

この制度を利用した住宅改造工事を私が初めて請け負ったのは平成8年、
介護保険制度が始まる4年前のことでした。
他の地方自治体に比べて早くから高齢者の住宅改造事業に取り組んできた画期的な制度です。

助成の上限は75万円で、所得(正確には支払った所得税)に応じて、段階的に金額が変わり、
当然のことながら所得がたくさんある人は助成が受けられません。
<高齢者等>と表記してあるのは、障がいを持った方も対象になるからです。

高齢者のみ世帯で年金だけで暮らしている場合は、大概上限の75万円が支給されます。
75万円あるとかなり色々な事ができまして、室内の手すり付けと段差解消+外部スロープとか、
うまくやればお風呂の改修まで手を付けることができます。

この制度を利用した最初のクライアントさんの場合、借家にとんでもないお風呂が設置されていて、
足の悪いおばあちゃんが入れず困ったいましたが、
助成金の上限まで利用してお値打ちなハーフユニットタイプの浴室に作り変えることが可能でした。

平成12年に介護保険が導入され、本来は横出しで残しておいて欲しかったこの制度、
今ではあくまでも介護保険の住宅改修費ではオーバーする部分の上乗せに変更されました。
つまり介護保険の上限をオーバーした部分に対してのみ利用可能になったのです。

しかも介護保険の上限20万円+75万円ではありません。総額75万円は変わらないのです。
そしてあくまでも介護保険への上乗せですから、介護認定を受けていないと利用できません。
お年寄りにとって、自分で自分達の介護認定をとるのはなかなかハードルの高い大変な作業です。

しかし世の中には介護認定を受けていなくても心身ともに問題点を抱える高齢者は多く、すぐにでも住宅改造が必要と思われるケースは少なくありません。また、改造する事で歩行が安定し転倒防止にもなり、ひいてはADLが改善する場合も多く、予防医学的に見ても寝たきりにさせない効果は高いのではないでしょうか?

介護保険が導入されて、高齢者比率の高い地方自治体の財政状態は逼迫している事と思います。
高山市も例外でなく、これ以上の支出は困難なのかもしれません。
しかし、介護度の高い高齢者が増えれば、益々財政状況は悪くなると思うのです。

そしてなによりも、今までの高山を支えてくれた高齢者の方に、最後くらい終の棲家でせめて人並みの生活をしてもらいたい、最低限のQOLを確保したい、そのためにも是非この制度は介護保険認定者でなくても利用できるよう、見直しをしてもらいたいと切に願っているのです。




12年前の書類を引っ張り出してみました。まだこの頃は手書きで図面書いてる!そういえば、私の場合、この翌年からCADを導入したんだった・・・・・今ではもう、手書きの図面、low-gunが障るので描けませんface03

横出し
この場合は、介護保険外で利用できる制度のことを指しています。つまり、介護認定を受けていなくても受けられる制度であったり、介護保険を利用していても、介護保険の上限20万円の費用とは別個に支給される制度のことを意味します。

上乗せ
一定の制度のうえに補填される制度のことを指します。現在の高山市住宅改造助成事業のようにあくまでも介護保険への追加的制度であり、単体で利用されることのない制度を意味します。
  

Posted by やまね at 14:49Comments(5)バリアフリーの話