2007年05月22日
構造とプラン-1
~何故プラン優先ではよろしくないのか?~
皆さん、頭の中でちょっと想像してみてほしいことがある。
例えば①・・・「こんな家に住みたいなあ」とか、「こんなお店がほしいな」とか、何でもいいので想像しながら紙に間取り書いてみる。近くに子どもの積み木とかレゴなんかがあったら、それを使って間取り通りに模型を作ってみる。きっと、丁度よい寸法のパーツがなくて、あっちをつないだりこっちをつないだり、変な方向に使ってみたり、見た目が悪かったり、余分なパーツを使わなければならなかったり、けっこう苦労することになるだろう。
例えば②・・・2m角と1m角のサイコロみたいな箱があったとして、それを建物の1階と2階だと思って欲しい。2m角の箱の上に1m角の箱を真ん中に載せる。1m角の箱の上に重みをかけてググっと揺するとどうなるだろう?簡単に崩れ落ちて、1階部分がぺしゃんこになると思いませんか?
プランを優先させると、こういうことがおきやすい。もちろんこれは極端な話で、実際にはこんな酷いことはおきないけど、似たような事は実際におきている。
例えば①・・・では、たくさんのパーツをつぎはぎにしなければいけない。材料がたくさんいるし、無理なジョイントが増えるということは、リスクも増すということだ。3mの1本の棒と、1.5mを2本継いで作った棒と比べると、どちらのほうが丈夫か解かると思う。
例えば②・・・は、和風家屋に多くみられる。2階の乗っかってる下の部分に壁がないのだ。お座敷を取り巻くように廊下や広縁があるので、あまり壁を作る事ができない。2階の重みを支えようと思うと、とっても大きな梁が必要になってくるし、それを入れたとしても従来の工法(これを一般的に「在来軸組工法」という)では地震の横揺れに対して弱いものになる。
最近「木質門型ラーメン構法」という新しい構法が普及しつつあり、この構法を取り入れれば壁を作らなくても自由な設計を行うことができるようになったが、話がそれてしまうのでこれについては「構造」の話で触れたいと思う。
阪神淡路大震災で倒壊してしまった家屋。2階が乗っかっている下の部分に壁がないと、こんな具合に崩れてしまう。
ではどうしたら丈夫な作りになるのだろう?
そのヒントは4角形の組み合わせにある。規格寸法(モデュール)を基本的に念頭におき、その家にピッタリの格子(グリッド)を最初に考える。これが建築計画に必要な要素、「間取り」「外観」「構造」をバランスよくまとめてゆくポイントになる。
続く
皆さん、頭の中でちょっと想像してみてほしいことがある。
例えば①・・・「こんな家に住みたいなあ」とか、「こんなお店がほしいな」とか、何でもいいので想像しながら紙に間取り書いてみる。近くに子どもの積み木とかレゴなんかがあったら、それを使って間取り通りに模型を作ってみる。きっと、丁度よい寸法のパーツがなくて、あっちをつないだりこっちをつないだり、変な方向に使ってみたり、見た目が悪かったり、余分なパーツを使わなければならなかったり、けっこう苦労することになるだろう。
例えば②・・・2m角と1m角のサイコロみたいな箱があったとして、それを建物の1階と2階だと思って欲しい。2m角の箱の上に1m角の箱を真ん中に載せる。1m角の箱の上に重みをかけてググっと揺するとどうなるだろう?簡単に崩れ落ちて、1階部分がぺしゃんこになると思いませんか?
プランを優先させると、こういうことがおきやすい。もちろんこれは極端な話で、実際にはこんな酷いことはおきないけど、似たような事は実際におきている。
例えば①・・・では、たくさんのパーツをつぎはぎにしなければいけない。材料がたくさんいるし、無理なジョイントが増えるということは、リスクも増すということだ。3mの1本の棒と、1.5mを2本継いで作った棒と比べると、どちらのほうが丈夫か解かると思う。
例えば②・・・は、和風家屋に多くみられる。2階の乗っかってる下の部分に壁がないのだ。お座敷を取り巻くように廊下や広縁があるので、あまり壁を作る事ができない。2階の重みを支えようと思うと、とっても大きな梁が必要になってくるし、それを入れたとしても従来の工法(これを一般的に「在来軸組工法」という)では地震の横揺れに対して弱いものになる。
最近「木質門型ラーメン構法」という新しい構法が普及しつつあり、この構法を取り入れれば壁を作らなくても自由な設計を行うことができるようになったが、話がそれてしまうのでこれについては「構造」の話で触れたいと思う。

阪神淡路大震災で倒壊してしまった家屋。2階が乗っかっている下の部分に壁がないと、こんな具合に崩れてしまう。
ではどうしたら丈夫な作りになるのだろう?
そのヒントは4角形の組み合わせにある。規格寸法(モデュール)を基本的に念頭におき、その家にピッタリの格子(グリッド)を最初に考える。これが建築計画に必要な要素、「間取り」「外観」「構造」をバランスよくまとめてゆくポイントになる。
続く
Posted by やまね at 13:00│Comments(2)
│間どりの話
この記事へのコメント
こんにちわ!
私の友人は、今 建替えを検討中。
諸事情により、3年後らしいんですが、
今からああでもない・・ こうでもない・・と夢を語っております。
話を全部聞いてると、とてつもなく へんちくりんな間取りになるのは
素人の私でもわかります。
家を建てる(建替える)のは、一大事ですし 楽しい空想ですから
彼女の気持ちもわかるのですが・・。
きっと、設計士さん(大工さん)泣かせの客になるぞぉ~と
今から心配しております。
やまねさんのブログを拝見して勉強するように(自らを戒めるように)
彼女に ようよう いって聞かせときますよ。はい・・。
私の友人は、今 建替えを検討中。
諸事情により、3年後らしいんですが、
今からああでもない・・ こうでもない・・と夢を語っております。
話を全部聞いてると、とてつもなく へんちくりんな間取りになるのは
素人の私でもわかります。
家を建てる(建替える)のは、一大事ですし 楽しい空想ですから
彼女の気持ちもわかるのですが・・。
きっと、設計士さん(大工さん)泣かせの客になるぞぉ~と
今から心配しております。
やまねさんのブログを拝見して勉強するように(自らを戒めるように)
彼女に ようよう いって聞かせときますよ。はい・・。
Posted by miwa-mama at 2007年05月22日 16:37
miwa-mamaさん、こんにちは
いいんですよ。(^_^)v
ご本人が夢を膨らませて、いろんな間取りを空想するのが何より理想の家づくりへの第一歩ですもん。
それを上手にまとめるのは建築士や大工さんの仕事です。
たとえ現実離れしたすっごいプランでも、全然ビジョンをもっていないより、ずーっとずーっといいです。最後は上手く収まるもんです。
もし、その方にアドバイスしてあげられるなら、よそ様のお宅で見て気に入ったものがあれば、どんどん写真に撮っておかれるよう勧めてあげてください。そうすれば建築屋さんに相談する時、口で説明するより伝えやすいしお互いの勘違いも避けられますからね。雑誌の切り抜きでも新聞の記事でも、何でも気になったものがあれば、スクラップしておかれるといいです。膨大な量になってもかまいません。多分3年後には、その中で本当に必要なものがどれなのか、ご自身で気づかれると思います。
きっとその頃にはお友達の心の中で、今よりもっと明確でより良いプランが出来上がっていると思いますよ。
いいんですよ。(^_^)v
ご本人が夢を膨らませて、いろんな間取りを空想するのが何より理想の家づくりへの第一歩ですもん。
それを上手にまとめるのは建築士や大工さんの仕事です。
たとえ現実離れしたすっごいプランでも、全然ビジョンをもっていないより、ずーっとずーっといいです。最後は上手く収まるもんです。
もし、その方にアドバイスしてあげられるなら、よそ様のお宅で見て気に入ったものがあれば、どんどん写真に撮っておかれるよう勧めてあげてください。そうすれば建築屋さんに相談する時、口で説明するより伝えやすいしお互いの勘違いも避けられますからね。雑誌の切り抜きでも新聞の記事でも、何でも気になったものがあれば、スクラップしておかれるといいです。膨大な量になってもかまいません。多分3年後には、その中で本当に必要なものがどれなのか、ご自身で気づかれると思います。
きっとその頃にはお友達の心の中で、今よりもっと明確でより良いプランが出来上がっていると思いますよ。
Posted by やまね at 2007年05月22日 17:48