2008年01月29日

ばーちゃんと病気~ことの発端2

C型肝硬変による脾機能亢進に伴う血小板減少及び食道静脈瘤
最初聞いた時は「何で肝臓に食道静脈瘤が関係するの?」と思いました。
後に医療関係者に教えてもらったり調べたりして理解した事を、素人なりに書いてみたいと思います。

ばーちゃんと病気~ことの発端2



どうやら母は、私を出産した後、肺の手術の際に受けた輸血が原因でC型肝炎に感染し、
年月を経て肝硬変に発展したようです。話題になっている薬害肝炎ではありませんが、
昔は輸血による肝炎感染が多く、高齢者に肝硬変の患者は多いそうです。

母には気の毒ですがこればかりは仕方がありません。命を守るための輸血であった訳だし、
C型肝炎ウィルスが同定されたのは1989年、私の娘が生まれた年のことです。
私が出産した翌年からは母子手帳に肝炎検査の項目が記載されているそうですが、
私の持つ母子手帳にはまだその記載はありませんでした。

さて、一般的に肝硬変の先にどんな忌まわしい事が待ち受けているかといいますと、
①肝不全
②肝細胞癌
③肝性脳症

(肝機能が弱ったため分解されなかったり濾過されなかったアンモニア等の物質が脳にダメージをあたえる)

そして母の患っている
④食道静脈瘤・・・

腸から吸収された栄養分は、血液によって肝臓へと運ばれます。
消化管や脾臓、膵臓から肝臓へ栄養を運ぶ血管を門脈というそうです。

ところが肝硬変になると肝臓は組織が壊れカチカチになってしまって、
血液は流れ込むことができず行き場を失くします。
するとその血液は他に流れる場所を探し始める、そこが食道静脈だそうです。

例えで言うと、ここに一本の海に流れ込んでいる河川があるとしましょうか。
河口がせき止められると水は行き場を失い、新たに流れ込む場所を探します。
近くに農業用水路があれば、真っ先にそこに流れ込むでしょう。

海が肝臓、河川が門脈、農業用水路が食道静脈です。
このような症状を「門脈圧亢進症」」と言うそうで、
狭いところに無理やり大量の血液が流れ込んできて出来てしまった支流が「食道静脈瘤」です。

「亢進」という言葉は、よく病名に使われているわりには抽象的な言い回しで解りにくいのですが、
「機能が悪い方へ高まる」というような意味だと思います。
場合によって「臓器が腫れる」「分泌が過剰になる」等、「高まる」内容は様々でしょう。
よく聞くお年寄りがいわれる「心臓がテキネェ」ってのは、「心悸亢進」じゃないでしょうか?

さて、それではなぜ「食道静脈瘤」が怖いかといいますと・・・
食道静脈自体、元々がそんなたくさんの血液を受け入れられる血管ではありません。
許容量を超えた血管には瘤がボコボコ浮きあがり、
これが破裂すると大量失血死につながるおそれがあるからなのです。

続く・・・・・
もう一方の脾機能亢進のことは次回書きます。

※医療関係者の方で、記述の間違いに気付かれた方はどうぞ教えてくださいね。


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この記事へのコメント
やまねさん とっても判りやすく解説していらっしゃいます。
現場でも、こういう風にお話できるといいんでしょうけど・・・
なかなか難しいんですよね。
人に伝えるのって。

間違いと言うわけではありませんが、
門脈圧が亢進すると、食道だけではなく、
体中の静脈圧が、亢進します。
従って、静脈瘤も色々なところにできるため、
食道にできたら、食道静脈瘤、
肛門付近に出来たら、いわゆる痔 と言う事になるわけです。
いずれにしても、大量出血の原因となり、
気をつけなければいけない症状ですよね。
Posted by 真咲 at 2008年01月29日 13:34
とっても分かりやすかったです!
人間の体はとてもよく出来ていますが、
それでも、どこかにトラブルが出てくると、
二次的に被害が増えるんですよね!

色々なお薬を飲んでおみえなんでしょうね!
足のむくみ(浮腫)はありませんか?
Posted by エース at 2008年01月29日 14:11
こんばんは。
やまねさんはエライね。ちゃんとお母さんの病気のこと前を向いて調べられるで。私は父親の病気のとき、担当医から検査結果聞くときなんか逃げ腰でしたも。今はインターネットとかでいろいろ調べられる時代ですが、あの頃そういう手段があってもきっと恐ろしくてよう調べなんだかもしれません。何でなのと聞かれても、なぜかそうだったんですね。やはり姉のほうがよく見てましたし勉強してました。

この記事は一見難しそうですがくわかりやすく書いてあります。
また読ませていただきます。おだいじに。

時間があったら気晴らししましょう。
Posted by ドラムおやじ at 2008年01月29日 23:50
■真咲さん、

なるほど、亢進は胃や食道付近だけでおこるのではないんですね。
肛門付近に出来たら痔ですか・・・
うぅ・・もし自分だったら、これだけは避けたい・・・(^^;

母の静脈瘤は、大きなものは高知に入院中に治療しました。
でもまた今もたくさん出来てしまって拡がっています。
今回のはとても細いので、一気に破裂して大量出血の可能性はかなり少いようですが、そのかわり、細すぎて内視鏡での硬化療法が困難らしいです。また血管がデルタ地帯みたいに無数に拡がっているので、結紮術も困難との事です。

主治医の先生からは吐血と下血に注意するよう指示を受けているのですが、母はトイレに立ち合わせてくれないので便の観察ができなくて・・・
母は自分のアルツハイマーを絶対認めてくれないのでね、私に身の回りの世話をさせてくれないのです(^^;

真咲さん、すごくお詳しいけど、お医者さんでしたか?

■エースさん、

高知にいるときは、浮腫みどころか、腹水まで溜まっていたおりました!
薬には大量の利尿剤はいっていましたよ。
薬は一応、一包化してくれていましたが、食事の時間がむちゃくちゃで、ちゃんと管理できていなかったみたいです。

こちらに連れてきたら食事と薬の管理を私がするようになったので一気に改善しました。っていうか、こちらの主治医はとりあえず前任の医師の処方で薬を出すでしょ?そしたら利尿剤が効きすぎて脱水症状をおこしまして、先生も症状診て検査しながらどんどん薬の量や種類を変えていって、今やっと落ち着いたところです。

主治医の先生と私の想像なんですが、高知にいる時は認知症が進んで自己管理できなくなっていて栄養失調を起こしていたのでは?
もちろん肝臓に問題があることは確かなんですが、血液検査の結果も日に日によくなっており、肝臓の状態は良好、数値的には肝硬変とは思えない状態にまで改善しました。なのに静脈瘤は増えている・・・この乖離に主治医の先生も悩んでいる状態です。

って、エースさんもお医者さん?

■ドラムおやじさん

私は逆に、母が病気を発症した時近くにいなかったので主治医の説明を聞けず、伯母から曲解した説明を受けたので、やむなく自分で調べざるを得なくなったのでした(^^;
でも調べてよかったです。後々の管理にも役にたったし。

昨夜は久々にともちせんせいのヨガへ行って来ましたよ。
体があちこち痛いです(^^;
でもすっごく気持ちいい~!

腰はいかが?早く治してまた教えてください!
Posted by やまね at 2008年01月30日 10:44
医者なんてとんでもないです。
実は、おたんこナースをしておりました(>_<)
実務は4年間のみなので、
偉そうに ナースでした!!
と公言できるようなものではないんです(^_^;)
Posted by 真咲真咲 at 2008年01月30日 12:12
真咲さん、看護師さんでしたか!真咲さんが付いていてくれたら大ばば様も安心ですね、うらやましいです。

ウチの身内には一人も医療関係者がいないので、いざって時には友人やお客さんで医療関係のかたにいろいろ教えてもらって助けてもらってます。
真咲さん、また相談に乗ってくださいね、よろしくお願いします。
Posted by やまね at 2008年01月30日 13:36
知ったかぶりのマジシャンです(笑)
Posted by エース at 2008年01月31日 21:23
エースさん、

いやいや、私なんか本当に素人で何にも基礎知識がないので、全ての事が未知の世界。
理解するのに四苦八苦してます。
また気が付いたらアドバイスしてくださいね。
Posted by やまね at 2008年01月31日 22:40
 
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