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2007年06月04日

構造とプランー5

~規格寸法(モデュール)の選び方~

今までは一番リーズナブルな価格、日本の規格寸法(モデュール)をメインに書いてきたが、生活のスケールがどうしてもそのサイズに納まらないような場合には、他の規格寸法(モデュール)を使ってみるのも手だ。

例えば、確実に車椅子での生活が必要な場合、日本の平均的廊下の寸法3尺(91cm)では狭すぎることになる。91cmといっても壁の厚みで寸法が減るため、実質は真壁で79cm、大壁で75cmくらいになってしまうからだ。

「車椅子のハンドリムを操作しながら通過するために必要な有効巾は75cm以上」との説明を読んだことがあるが、だからって75cmあればいいってもんではないだろう。

今の住宅には真壁作りが少ないので、こっから先は大壁の寸法で考えてみる。

3尺6尺の規格寸法(モデュール)では狭いなぁと感じた場合は、メートルサイズや4インチ×8インチを使用してみるのも手だ。

もちろん3×6をそのまま使って廊下や水廻りのプランを作り上げる事はできる。その場合は3尺(91cm)の1.5倍の4尺5寸という寸法を廊下の巾に当てたり、4尺の廊下をとって、残りを収納スペースにまわしたりすることになるだろう。4尺5寸というと実質寸法1m20cm、もちろん悪くない寸法だ。ゆとりがある。

しかし、日本の住宅事情は厳しいのが現実。大きな屋敷が建てられるならかまわないが、狭い敷地をめいっぱい利用して建てる住宅の場合、少しでも居住空間を広く取りたい。

4インチ×8インチを使用した場合、3×6に比べて巾は約1.35倍の割り増しになる。廊下の巾約1m5cm、ストレートに走行するなら充分な巾が取れて、しかも4尺5寸に比べると15%もスペースを節約できる。メートルモデュールなら巾84cmの廊下になり、ちょっと狭いかもしれないがスペース倹約率は4尺5寸に比べて40%。

40坪クラスの住宅で1階の廊下や玄関ホール等が占める割合を15%とすると、4インチ×8インチで0.5坪(1畳)メートルモデュールで1.5坪(3畳)の倹約、この分をリビングなり収納スペースにまわすことができる。

ま、所詮机上のお話だが、家のサイズが敷地に合わない場合(狭小敷地なんかだとよくあります)、無理やり尺貫法に基づくモデュールでグリッド設計するより、かえってリーズナブルでうまくいくこともある。

しかし、究極のスペース節約法は、なんといっても余分な廊下を作らない事、っていうより、
廊下を極力少なくしたプランニングをすることだ。そして、できれば室内を真壁にすること。大壁と比べて3尺で数㎝の差しかないが、これでも階段や廊下のあぐるしさはけっこう解消されるものだ。

つづく


吹き抜けのある家2  

Posted by やまね at 17:06Comments(0)間どりの話