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2007年05月29日

構造とプラン-3

~“尺”とか“FEET”とか~

建築でよく使われる基本の単位を書いてみる。
1間=6尺=182(厳密には181.8)cm
1尺=10寸=30.3cm
1寸=3(3.03)cm
1間×1間=1坪

ちょっと面倒だけど、覚えておくと便利だと思う。(御承知の方にはくだらなくてごめんなさい)
畳1枚の大きさが約3尺×6尺、(厳密には壁の厚みがあるので少し小さいサイズになるが)通称サブロクというサイズで、ボード類はこのサイズのものがもっとも多い。

畳2枚で6尺×6尺=1間×1間というサイズになり1坪、
6畳の部屋は2間×1.5間=3坪ということになる。




上の2丁は曲尺(さしがね)という大工用直角定規。上が尺目盛り、下がセンチ目盛り。下の巻尺は尺とセンチ両方の目盛りがついている。

ちなみに2×4工法で使われる単位はインチとフィート
1フィート=12インチ=約30.5cm
限りなく1尺に近いので、結構便利、建材の使い回しができる。

私がこの業界に入った時、目が点になることが多かった。図面を見ると、畳の厚みが54(飛騨では45が主流)とか、鴨居の溝幅が21とか書いてある。「ナンデ55㎜じゃないの?ナンデ20㎜じゃないの?ナンデ全部、寸法が半端なのっ!!」って思ったもんだ。しかしこれら全ては従来からの決まりごとの寸法だった。(※建築の寸法表示は㎜を使うことがほとんどです)

54なんて表記するから悪い。これは一般的な畳の厚さ1寸8分(飛騨では1寸5分)を表しているし、21㎜は7分のことで、一般的な1寸の厚み(30㎜)のふすまや障子を建てる時に掘り込む溝の幅だ。

今でも土地や家の大きさ表すのに、○坪や○間を使う人のほうが多いのではないだろうか?私はここでメートル法の是非を問うつもりはないし、国際的に共通の認識を持つことは良い事だと思うが、尺貫法による呼称を全て公の場から締め出したことには問題があると思う。

「3.3㎡当たり○○円」とか、「玄関の幅は○m」なんて言わされてるうちに、人々は生活に根ざした、本来は身についているはずの基本サイズを、失ってしまったのではないだろうか?だから、これほどまでにプラン優先の無理をした住宅が増えたのではないだろうか?(ちょっと考え過ぎかも・・・脱線、ごめんなさい)

最近「自由設計」を謳った住宅販売が多い。「従来の日本家屋は基本グリッドに支配され、自由な設計が出来なかった」とよくいわれるが、それは間違いだ。基本グリッドを作るということ、それは決して構造を優先させて、間取りを二の次にするということではない。生活に必要なスペースと土地の広さを睨みながら、なおかつ構造的に丈夫な格子を組むことは、充分可能なことだし、リーズナブルな設計につながる。

続く  

Posted by やまね at 08:26Comments(2)間どりの話